「シェアリングエコノミー」とは?-意外と知らないIT用語の基本

2020/03/31

「シェアリングエコノミー(またはシェアリング・エコノミー)」と聞くと難しいイメージがありますが、シェアハウスやカーシェアなら想像しやすいのでは。貸し出したい人と借りたい人をマッチングさせるインターネット時代ならではの便利な仕組みですが、注目される理由やメリット・デメリットを紹介していきます。

◆シェアリングエコノミーとは「個人が保有するモノや場所、スキルなどの貸し出しを仲介するサービス」のこと

シェアリングエコノミーとは、使われていない個人資産(※遊休資産)の貸し出しを仲介するサービスのことです。

ここでいう“資産”には、家具や衣類などの“モノ”、空き家や空き部屋、駐車スペースなどの“場所”といった目に見えるものだけでなく、運転・家事・日曜大工などのスキルといった目に見えないものも含まれます。

こうしたモノや場所、スキルを使わないまま遊ばせておくのはもったいないと考える“貸主”と、そうしたものを必要なときだけ借りたいという“借主”を結びつけるのが、シェアリングエコノミーの役割です。

◆シェアリングエコノミーにはどんなサービスがある?

シェアリングエコノミーの始まりは、空き家や空き部屋を宿泊施設として貸し出す「民泊」のマッチングサービスと言われています。

その先駆けとして知られているのが、2008年にアメリカで生まれた「Airbnb(エアビー)」。現在は、1日あたり世界100,000都市で200万人のユーザーを持つ大規模サイトへと成長しています。

日本では「Uber Eats(ウーバーイーツ)」で知られる「Uber」もシェアリングエコノミーサービスの一つ。スマホやGPSを活用して、移動手段を必要としている人とドライバーをマッチングさせるサービスです。

このほか、ハウスキーパーのマッチングサイト「タスカジ」やベビーシッターと忙しいママ・パパをつなぐ「キッズライン」、料理や掃除、DIYから語学レッスンまで依頼したい人と仕事をしたい人をつなげるご近所助け合いアプリ「ANYTIMES(エニタイムズ)」、畑をシェアする「シェア畑」など、国内でもさまざまなサービスが注目を集めています。

◆シェアリングエコノミーのメリット

シェアリングエコノミーにはメリットもあればデメリットもあります。

【貸主側のメリット】
(1)モノは使ってこそ価値がある
モノは使わなければ経年劣化するだけですが、誰かとシェアすることで新たな価値が生まれます。

(2)使っていない資産を活用して収入を得られる
宝の持ちぐされだと思っていたものが、必要としている人に貸し出すことで、お金を生む可能性も。日常当たり前のように使っていたスキルで収入を得られるようになる人もいるようです。

(3)初期費用がほとんどいらない
個人が所有している資産を活用するので、初期費用はメンテナンス代程度。登録無料のサイトも多いので、安心して始められそう。

(4)仲介手数料も格安! 無料のケースも
サイトへの掲載費や仲介手数料はサービスによって異なりますが、比較的安価で利用できます。なかには無料で利用できるケースも。

【借主側のメリット】
(1)購入費用や維持費を気にせず、必要な時に借りられる
住居や車を所有するには購入費用や維持費、メンテナンス費などが不可欠ですが、シェアリングエコノミーを利用すれば、必要な時に必要なものを必要なだけ借りることができます。

(2)リーズナブルな価格で利用できる
安く利用できるのもシェアリングエコノミーの魅力。企業が提供するサービスに比べてコストを抑えることも可能です。

(3)忘れられない体験ができる!
海外旅行好きにおすすめしたいのが、現地に住む人のガイドで巡る絶景&穴場スポットの旅やインストラクター付きのアクティビティ。ツアーやガイドブックの情報では体験できないようなプランも!

◆シェアリングエコノミーのデメリットと利用時の注意点

メリットが多くある一方、シェアリングエコノミーにはデメリットもあります。

(1)トラブルが生じるリスクがある
運営会社を介しているとはいえ、個人対個人の貸し借り。サービスを提供する側と受ける側でクオリティに対する認識が異なっていたり、貸し出し中に事故や破損が発生したり、借り手がマナーを守らず、トラブルに発展するリスクもゼロではありません。

(2)トラブル時の補償制度が充実していない
補償面で不安が残るという声もチラホラ。近年は保険や補償プログラム、サポートなどに力を入れるシェアリングエコノミーのサービスも増えていますが、補償制度が整っていないサービスがあるのも事実。事前にしっかりと確認したいところです。

(3)法整備が追いつかない
シェアリングエコノミーはここ10数年急激に伸びてきた分野で、国境を超えて受けられるサービスもあるため、法整備が追いついていないのが実情。日本では2008年以降、「民泊」の近隣トラブルや違法運営などの増加が問題となっていましたが、これを規制する新しいルール「民泊新法」がスタートしたのは2018年6月のことでした。

手軽に始められる上、貸し手にも借り手にもメリットがあるシェアリングエコノミーですが、どんなサービスであれ、残念ながらトラブルのリスクはつきものです。

サービスを利用する際は、利用規約から「よくある質問」までサイト内の情報をじっくりチェックすることが必須。また、モノやスキルを提供する側と利用する側は企業と客の関係ではなく、個人対個人だということも頭に入れておく必要があります。

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