
【新型コロナウイルスの治療薬】開発中の新薬と承認済みの治療薬を紹介
2022/01/06日本国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるものの、今後期待されるのが治療薬です。現在、どのような治療薬があるのか、これからどんな治療薬が開発されてくるのか把握しておきたいところ。
本記事では、国内で承認されている新型コロナウイルスの治療薬と開発中の治療薬を紹介していきます。
新型コロナウイルスの治療薬一覧
厚生労働省が発表している新型コロナウイルスの治療薬一覧があります。一覧をチェックして、軽症、中等症、重症それぞれの症状で使用できる治療薬を知っておきましょう。
【承認済みの新型コロナウイルス治療薬】
【開発中の新型コロナウイルス治療薬】
今までは、中等症以上になってから点滴や注射で投与できる治療薬が多かったものの、軽症でも使用できる治療薬が出てきました。また、軽症のうちに経口で投与できる治療薬が開発されており、今後の普及に期待が期待されます。
国内で承認されている新型コロナウイルスの治療薬
現在、新型コロナウイルスの治療薬は特定の施設でしか使用されないため、新型コロナウイルスに罹患したことがない人にとっては、どんな治療薬があって、そもそも使用されているのかどうかもわからないものです。
ここからは、すでに日本国内で承認されている治療薬がどんな治療薬でいつ承認されたのかを詳しく見ていきましょう。
ギリアド・サイエンシズ:レムデシビル
レムデシビルは、元はエボラ出血熱の治療を目的に開発が進められていた治療薬で、2020年5月7日に厚生労働省に特例承認された治療薬です。2021年8月12日に保険適用もされ、中等症Ⅰ~重症の患者を対象に点滴投与で使用されています。なお、新型コロナウイルスの治療費は公的負担となるため、保険適用後にも患者の負担は生じません。
日医工など:デキサメタゾン
デキサメタゾンは、すでに国内で肺疾患や感染症などへの効果が認められていた治療薬です。すでに保険適用されていて、後発医薬品も販売されていることから手に入れやすい治療薬となっています。
厚生労働省はデキサメタゾンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として認定し、2020年7月17日付でコロナ診療の手引きに掲載しました。重症向けの治療薬です。
日本イーライリリー:バリシチニブ
バリシチニブは関節リウマチやアトピー性皮膚炎の治療薬として使用されていましたが、新型コロナウイルスによる肺炎の治療に効果があるとして、2021年4月23日に新型コロナウイルスの治療薬として厚生労働省に承認された中等症Ⅱ~重症向けの治療薬です。
中外製薬:ロナプリープ(抗体カクテル療法)
ウイルス中和抗体の2つを混ぜ合わせて使用する治療法を「抗体カクテル療法」と呼び、中外製薬によって「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を混ぜ合わせた「ロナプリープ」が開発されました。ロナプリープは軽症~中等症I向けの治療薬として2021年7月19日に厚生労働省が製造販売を特例承認しました。点滴で投与するため、病院や、一部の宿泊療施設、酸素・医療提供ステーションで、必要な患者に対して使用されています。
グラクソ・スミスクライン:ソトロビマブ
ソトロビマブは酸素療法を必要とせず、肥満や糖尿病など重症化リスクが高い患者に点滴で投与する治療薬で、2021年9月27日に厚生労働省が特例承認しました。
ロナプリープに続いて2つめの軽症~中等症I向け治療薬で、ソトロビマブの投与によって、入院や死亡を約8割減らすことができるとされています。
メルク:モルヌピラビル
米製薬大手であるメルクのモルヌピラビルは、国内初の経口で投与ができる飲み薬となり2021年12月24日に厚生労働省が特例承認しました。
モルヌピラビルは軽症~中等症の患者の入院や死亡リスクを約50%減らすことが確認されており、全国の医療機関や薬局に配送し、自宅での服用ができるようにすることで、医療機関の負担軽減や経済活動と日常生活の回復が期待されています。
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期待が寄せられている開発中の新型コロナウイルス治療薬
現在、開発中で期待が寄せられている新型コロナウイルスの治療薬が、ファイザー製の飲み薬です。すでにメルク製の飲み薬が普及し始めているものの、複数社が飲み薬を製造することが安定的な供給につながります。アメリカではすでに使用が承認されており、日本でも2022年2月中の実用化を目指すとされています。
まとめ
メルクが開発した飲み薬「モルヌピラビル」が承認されたことによって、今後は自宅に新型コロナウイルスの治療薬を常備できるようになり、医療機関の負担減少が期待されます。ファイザー製の飲み薬も承認されれば、経口薬の安定供給につながり、以前の日常生活を取り戻すことや経済回復への期待も高まります。
今後の動向にも注視していきましょう。
※2022年1月時点の情報です。
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