iPhoneがあればiPodはいらない? デジタルオーディオプレイヤーの価値を考える

2016/02/01

 長年愛用していたiPod nano(第6世代)が壊れてしまった。代わりを買おうとApple Storeに行ってみたものの、第7世代は微妙に大きい。しかもiPhone 6で音楽を聴いてみたら、思いのほか音質がよかったので、その日は買わずに帰ってしまった。

 iPhone 5のときは、やっぱりiPodは必要だと痛感していたのだが、iPhone 6は音質が向上している……ような気がする。同じイヤフォンを使ってみても、iPodと比較して遜色がない……気もする。知り合いの音楽ライターに確認してみたところ、「音質は上がってると思うよ」との回答が帰ってきた。そうなるとやっぱり、「iPodいらないのでは!?」という結論を導き出したくなってくる。

 だが、ちょっと待て。Appleも自信をもって売っているわけだから、iPodがないと不便なことがあるのかもしれない。お金のことはいったん脇に置いといて、iPodを所持するメリットを考えてみた。

◆iPodを使う一番の理由はiPhoneのバッテリー温存&HDD圧迫防止

 iPodが壊れて以来、iPhoneで音楽を聴くようになったため、バッテリーの減りが早くなった。筆者のiPhone 6にはゲームアプリが大量に入っている。さらに動画なども扱っているため、iTunesで管理している楽曲をまるっと入れると、HDD容量64GBでも心もとない。

 ポータブル充電器でiPhoneを充電していると、MacのHDD空き容量を気にしながら仕事のデータや楽曲を管理していた時代を思い出す。あるときは、16GBのiPhoneを使う友人のHDD残量にぼやく様子が脳裏をかすめる。PC、スマホともに、空き容量を気にしない生活に慣れてしまった筆者には、きっとこのストレスに耐えられない。

 iPodはiPhoneのバッテリーとHDD容量の温存に役立つ有能なサブ機だった。失って初めてその存在価値に気づくなんて、失恋に打ちひしがれる思春期ガールみたいではないか……(しょんぼり)。

◆意外に多いスマホNGの環境!? 周囲を気にせず音楽を聴くならiPodか

 関東・東北などの一部の鉄道会社では、2015年10月より車内で携帯電話の電源を切る必要がなくなったが、今でも優先席付近でスマホをいじっていると白い目で見られることがある。

 また、スポーツ施設やスパリゾートなどでは、今も携帯電話全般の使用を禁止したり、禁止エリアを設けているケースが目立つ(当然のことながら、更衣室付近では、カメラ機能のついた電子機器の使用は全面NGだ)。

 が、このような場所にいても、iPodなどのオーディオプレイヤーならば、さほど周囲の目を気にせず操作することができる。

◆オーディオプレイヤーの使用でスマホ依存の予防にも

 iPhoneから音楽や写真、ネット、ゲームなど、何かひとつを切り離すだけで、スマホ依存や、そこから派生する症状を予防・解消することができると私は考えている。

 そして、もっとも切り分けやすいのは音楽なのだ。楽曲再生をiPhoneからオーディオプレイヤーへ移行することで、実際にスマホへの依存度を下げられたという声は多数耳にしている。スマホの使用時間を減らしたいとお考えの方は、だまされたと思って試してみてほしい。

 これまでもiPodを忘れたときのためにiPhoneにもよく聴く楽曲は入れていたし、「Denon Audio」をはじめ、優秀な音楽再生アプリもDLしてある(内課金200円のイコライザーもお気に入りだ)。iPhone 6の音質にだって満足している。

 それでもやっぱり、iPodを断ち切ることはできそうにない。

 筆者のようなAppleフリークにとっては、“林檎マーク”はある意味ステータスシンボルだ。それに、ランニングシューズのヒモを締めたとき、ベンチに横たわりバーベルを見上げたとき、iPodでお気に入りの曲をかけると、気持ちがキュッと引き締まる。微妙に張りつめたそのテンションは、iPhoneで楽曲を再生したときと、なにがどうとは説明しがたいのだが、少しだけ違うのだ。

 こうして考えてみると、利用状況や使い方にもよるのだろうが、まだまだiPodをはじめとするデジタルオーディオプレイヤーの需要はなくならないのかもしれないと思う。

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