
“iPhoneを探す”で家人をGPS追跡してみた結果!? GPS機能の傾向と対策
2016/04/28スマホなどに搭載されているGPS機能は、なにかと便利ではあるが、使い方を一歩間違えると、大変なことになる可能性もある。今回は、iPhoneのGPSで実際に家人を追跡した結果を踏まえつつ、GPS機能の使い方を考える。
GPS機能はSNSの進化に合わせて用途が拡大
「iPhone/GPS」でGoogle検索をかけると、8,800件超の結果がヒットする。それも「相手の居場所を把握する方法」や「浮気調査」といった聞き捨てならない見出しが上位にズラリ。一歩間違えばストーカーともとれる行為を思いつく人が多いことに驚かされる。
元来、GPSは軍事用に開発されたシステムだが、1983年の大韓航空機撃墜事件後は、航空機や船舶などの航行に用いられるように。カーナビ登場以降は、パーソナルユースとして用途が拡大し、時計や携帯端末、ノートPCなどにもGPSを搭載。さらに、スマートフォンの普及などで、GPSを用いたサービスが相次いで登場し、SNSの進化に合わせて利用の幅が広がってきている。
以前はプライバシーの領域と考えられていた位置情報が、限定的であれ、配信される情報として扱われるようになったのだ。かくして、GPSを用いたサービスは一般層に浸透。使う側のガードが甘くなり、ヒミツのGPS追跡が可能となってしまった。
もちろん、メリットのほうが大きいのは間違いないし、GPS機能によって救われる人がいるのもまた事実。というわけで、ここでは「Find iPhone」を使ったGPS追跡の使い方について考えていきたいと思う。
“iPhoneを探す”をお年寄りや持病を持つ家族の安否確認ツールとして
iPhoneを操作できる層に限定されてしまうが、お年寄りや小さな子ども、持病を持つ家族と連絡が取れなかった場合などは、“iPhoneを探す”がとても役に立つ。
相手のiPhoneの“iPhoneを探す”が有効になっていて、iPhoneに登録されているApple IDとパスワードがわかれば、PCからでもiPhoneからでも、いつでも居場所をチェックすることが可能だ(※若干のタイムラグはある)。
ケース別の使い方を見ていこう。
■PCから追跡
iCloud(https://www.icloud.com/)にアクセス
→相手のApple IDでログインする(要パスワード)
→“Find iPhone”のアイコンをクリック
→地図が表示され、iPhoneの位置が中央に表示される
ちなみに、現在の仕様(iOS9.3.1)では、PCからiCloudにログインした時点で、Appleから以下のようなメールが届く。
「お客様のApple IDがウェブブラウザからiCloudへのサインインに使用されました」
日時とブラウザ、OSまで明記されるので、悪さはしないほう身のためだ。
■別のiPhoneから追跡
いくつかやり方がある。
・「設定」の「iCloud」から、ファミリー共有設定をする
→アプリ“Find iPhone”を起動すると、家族のiPhoneの位置が表示される
・“Find iPhone”のアイコンをタップ
→相手のApple IDでログインする(要パスワード)
→地図が表示され、iPhoneの位置が表示される
実は筆者、77歳の父のiPhoneをGPS追跡している。本人の希望があったからだ。上記「別のiPhoneから追跡」でファミリー共有設定はせず、“iPhoneを探す”で追跡しているのだが、最初に設定した際、相手のiPhoneに追跡許可を求めるメールが送信されていた。
GPS追跡されたくなければ設定やApple IDのパスワードを変更すべし!
Apple IDさえ入手できれば、他人のiPhoneは簡単に追跡できる。家族や友人にiPhoneを設定してもらった経験のある人は要注意だ。とはいえ、“iPhoneを探す”をオフしてしまうと、紛失したときに手も足も出ないので、ほかのところから設定を見直していこう。
■“友達を探す”機能をオフにする
「iPhoneを探す(Find iPhone)」とは違うが、iPhoneがWi-Fi環境にあればアドレス帳に登録された相手の位置情報がわかる「友達を探す」というアプリがある。
iOS9からは自動的にインストールされるようになったが、許可した相手にはリアルタイムで位置情報がわかってしまうと、人によってはあまりうれしくない機能な上に、困ったことにデフォルト設定では、「自分の位置情報を共有」がオンになっている。
まずはこれをなんとかしておきたい。
・「友達を探す」を開く
→下方にある「自分」をタップ
→「自分の位置情報を共有」をオフに
・「設定」→「iCloud」→「位置情報を共有」をオフにしてもOK。
■“iPhoneを探す”対策にはApple IDのパスワード変更が有効
Apple IDを使うすべてのサービス&デバイスからサインアウトする
→PCまたはスマホからhttps://appleid.apple.com/にアクセスし、サインインする
→「セキュリティ」の「パスワード」からパスワードを変更する
正しく使えば大切な人の命だって救えるGPS機能。自分の身は自分で守りつつ、上手につきあっていきたいものだ。
※記事内容は2016年4月現在の情報を基に作成。