「Evernote」料金システム変更。有料と無料の境い目はここだ!

クラウドにメモを保存、PCやスマホなどの各端末で活用できる定番文書管理アプリケーションの「Evernote」。無料で利用している人も多いだろうが、先だって2016年6月29日の価格改定で状況が一変。果たして、あなたの使い方は無料のままですむのだろうか。
◆できれば無料のまま使いたい「Evernote」だが…
クラウドにメモを保存といっても、テキスト以外に画像やPDFファイルからスキャンした名刺まで、ありとあらゆるものを一元管理できるのが「Evernote」の特徴。料金体系は3種類。無料の「Evernote ベーシック」と、有料の「Evernote プレミアム」に分かれ、それぞれ機能が異なる。
主な違いはアップロード容量で、よほどのヘビーユーザーでなければ、月間60MBという制限こそあるが無料の「Evernote ベーシック」で事足りていてたのではないだろうか。
ところが2016年6月の料金および内容の改訂で事情は変わってきた。では、どのようなケースで有料化への切り替えを検討する必要が出てくるのだろうか。
◆3台以上の端末を使用しているなら有料プランへの変更を検討すべき
単純にPCとスマホしか使っていないのなら問題ない。無料プランで対応できなくなるのは、3台以上の端末を使用している場合だからだ。今回の切り替えで同期できるのは、無料の「Evernote ベーシック」では2台までの端末となったのだ。
ただ最近の傾向として2台縛りは結構厳しい。PCにスマホまでは当然として、そこにタブレットが加わったり、職場のPCが加わるのも決して珍しくはなく、ごく普通にあり得る状態といえる。
3台以上の端末間を自由にスイッチして使いこなしていたユーザーは、そのままの快適な環境を維持したいのなら、「Evernote プレミアム」月額600円(税込)もしくは年額5,200円(税込)に変更する必要が出てくる。
◆それでも無料で使い続けたいのなら
今までの快適な環境を失いたくないが、可能限り月々の出費を抑えたというわがままな欲求も……。それは叶わないものなのだろうか?
実はないことはない。たとえば2台制限というのは、アプリケーションを利用して同期する場合の制限であり、Evernoteは「Evernote Web」というブラウザ上でも使用できるのだが、その場合は使用台数制限には引っかからないのだ。
ただWeb上のデータベースにアクセスすることになるので、ローカルのファイルと同期していた場合よりもスピードの低下は、どうしても起きてしまう。素早くデータにアクセスしたいときはもどかしく感じるかもしれない。
だが、たまにしか使わない端末ではEvernote Webを使用し、使用頻度の高い端末を2台に絞ってアプリケーションを使用するという手を使えば無料環境は継続できるのだ。
さらに少し荒技にはなるのだが、アプリケーション自体をEvernoteではなく他の無料のクラウド文書管理アプリケーションに移行してしまうという手もある。もちろん移行の手間はかかるが、Microsoftの「OneNote」などを使用すれば、似たような環境を構築することができる。
Googleのリリースしている「Keep」もクラウド・メモ管理は可能なのだが、これは似て非なるもの。PowerPointやPDF書類をそのまま保存とはいかないので注意が必要だ。
またMacユーザーでiPhone使用に限定されるが、最近のバージョンアップで機能が大幅に強化されたOS純正「メモ」が使える。それまで扱えなかったPDFファイルなどが扱えるようになったので、Mac/iPhoneユーザーは検討してみるのもいいのでは。