
スマホのカメラの「HDR」機能とは?風景や夜景の撮影画像がよりクリアに!
2016/12/16スマートフォンが普及しきった現在。AndroidもiPhoneも、説明書を読まずに使っている人がほとんどだが、意外と有効な機能を見逃しているなんてことも。そのひとつがカメラの「HDR」機能で、使いこなせば夜景などもきれいに撮れてしまう優れものだ。
◆スマホカメラのHDR撮影で、より肉眼に近い写真撮影が可能に
スマホのカメラ機能のオプションとして搭載されている「HDR」とは、「ハイダイナミックレンジ合成(high dynamic range imaging)」のこと。露出レベルの異なる複数枚の写真を1枚に合成することで、暗い場所の撮影であっても効果的な撮影ができる機能のことをいう。
もう少し簡単に言うなら、HDR機能をオンにして撮影すれば、肉眼で見ているときの風景により近いイメージの写真を撮ることができる“画像合成機能”だ。明るさの異なる写真をスマホが自動で合成し、きれいな写真に仕上げてくれる。
フィルムに焼き付けることができる光の明暗は、人間の目で見た際の3分の1程度しかない。写真で表現できる明暗差(ダイナミックレンジ)を広げるには、露出の異なる複数枚の写真を個別に撮影し、それを画像編集ソフトなどで合成する作業が必要だった。
HDR撮影なら、この作業を自動で行ってくれる上に、同機能はほとんどのスマートフォンに標準に備わっているのだから、使わなければもったいない。
◆HDR撮影に向いている状況と向いていない場合とは?
しかし、どんなときでもHDRを使うのがいいわけではなく、HDR撮影に向いたシチュエーションというものがある。HDR撮影と通常撮影との違いは日差しが強い日や、夜景など暗い場所での撮影に出やすい。
・ 日差しが強い屋外撮影:直射日光の下など光量が多い場所で濃くなりすぎる影を、ほどよく調整してくれる。
・暗めな場所:日陰や夕景、夜景など、光量が少なめの場所や逆光でも、白飛びなどでぼんやりさせずに全体的に明るい撮影が可能。
・風景写真:通常撮影では空と大地のコントラストが大きくなってしまうが、HDR撮影では大地を明るさが調整され、空とのバランスがきれいに調整してくれる。
では、HDRを向いていないケースはというと、
・動いている被写体を撮る
・すでに鮮やかな色合いの被写体を撮る
などだ。特に動いているものを撮影する場合、HDRは露出の異なる写真2枚を合成して1枚に仕上げるため、ブレが発生しやすい。
いくらHDRが暗い場所が得意だからといっても、花火大会などは通常撮影の方がきれいに撮影できるのだ。基本的には被写体は静止しているが光量が足りない場所などで、暗がりの深い色を薄めて対象を目立たせるなど、コントラストを弱めてはっきりと撮影したいときなどにHDR機能を利用するのがオススメといえる。
最後に。HDR撮影する際は、撮影が終了するまでの時間が通常モードでの撮影に比べて、ほんの気持ち程度、長くなることを忘れずに。さほど大きな差ではないが通常と同じような感覚で、撮影後すぐにカメラ(スマホ)を動かすとブレてしまいやすい。
とはいえ、普通に写真を撮るのと同じ要領で利用ができるので、シーンに合わせて使いこなせば、写真撮影がさらに楽しくなるはず。
また撮影後はほとんどのスマホでHDR機能を反映した画像だけか、プラスして通常撮影の画像を保存するかを選べる。HDR+通常の画像を保存し、見比べてみるのもいいかも。