iPhoneやiPadを「ファミリー共有」することのメリットとデメリット

2017/02/06

楽曲や映画など、有料のデジタルコンテンツを一人だけで楽しむのはもったいない。どうせなら家族でシェアしたいもの。そんなときに役立つのが、iOS8から加わった「ファミリー共有」機能だ。

◆同じApple IDを使わなくてもコンテンツを共有できる

iTunesやApp Storeから購入した楽曲やアプリを共有するために同じApple IDを使っていると、しばしば混乱が起きる。途中でアカウントを変更して、アプリの更新がうまくいかなかったりする場合もあるが、その点、ファミリー共有なら安心だ。家族それぞれが使うApple IDを紐づけ、購入したコンテンツだけを共有するので、混乱が起きる心配はない。

ファミリー共有は、それ自体が「家」のようなものだ。

たとえば、娘がライブのDVDを買い、「これ面白かったからぜひ観て!」と言ってTVラックの下に置いておけば、興味を持った家族が空いた時間にそれを楽しめる。ラックにはお父さんが買った映画のDVDも並んでいるし、隣の棚には雑誌や新聞が収納されているかもしれない。リビングという共有スペースに持ち込まれたソフトや本などは、家族全員が手に取り楽しむことができる。

一方、ちょっとエッチな漫画を買ってきた息子は、リビングを素通りし、自室でこっそりページをめくる。この漫画が家族に共有されることはない。

iPhoneやiPadでファミリー共有設定をすると、これと同じことがiCloud上で繰り広げられる。家族それぞれが購入したコンテンツは、共有するもしないも自由。せっかく買ったコンテンツはみんなで楽しまなきゃもったいない! と思ったら、リビングのテレビラックにDVDを並べる感覚で共有すればよし。内緒で楽しみたいコンテンツは、アイテムを個別に選んで非表示にすればいい。

家族専用のフォトアルバムを作ったり、カレンダーを共有することも可能だ。といっても、それぞれのデバイスにあるすべての写真が共有されてしまうわけではなく、家族用のアルバムに投稿したものだけを共有できるので、心配はご無用。

カレンダーについても、家族用のカレンダーに表示されるのは「家族」のカテゴリに分類したものだけ。プライバシーはちゃんと守られるので安心だ。

家族間でそれぞれの位置情報を調べることもできる。行動を把握されたくない場合は、「位置情報の共有」をオフにしておくといいだろう。

ファミリー共有の設定はすべて「設定→iCloud」で行う。

◆便利な機能にはリスクもある!?

ファミリー共有では大人の1人が管理者となり、家族を5人まで招待することができる。ここで必要になるのが、「家族がiTunes、iBooks、およびApp Storeで購入する項目に対して支払うこと」への同意。つまり、家族がコンテンツを購入する際、管理者がApple IDに登録しているクレジットカードを使うことへの同意をしなければならないのだ。

もちろん、家族それぞれがデバイスで使用しているApple IDにクレジットカードを紐づけていたり、iTunesカードでApple IDにチャージしていれば、管理者のクレジットカードから引き落とされることはない。しかし、クレジットカードの登録がなかったり、チャージ金額が足りない場合は、管理者のクレジットカードで支払うことになる。

基本的に13歳未満の子どもはApple IDを作れないが、ファミリー共有に参加するとなると話は違ってくる。管理者の同意があれば作成が可能になり、また親の承認があればApp StoreやiTunesで有料コンテンツを購入することもできる。

そこで重要になるのが、「承認と購入のリクエスト」を有効にしておくこと。こうすることで、未成年のメンバーがコンテンツの購入手続きを進める際、管理者のデバイスに「承認と購入のリクエスト」が届くようになり、課金が成立する前に確認できる。

だが、ここに落とし穴がある。

「承認と購入のリクエスト」を設定できるのは、未成年のメンバーだけ。成人した家族となると話は別で、好き放題に使われる可能性があるようなら要注意だ。未成年の場合でも、管理者のデバイスで勝手に承認する可能性も否定できず、トラブルの原因になってしまうケースもゼロではない。

できることなら、ファミリー共有をすると決めた時点で、有料コンテンツ購入に関する家族間におけるルールを設けておきたいものだ。

ファミリー共有はある意味、家族内コミュニケーションの一形態。メリットが大きい分、多少のデメリットも付いて回るが、うまく使えば、家族サービスや子どもへの「ご褒美」としても役立てることができそうだ。

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