路線バスに電源(コンセント)付き車両「電源バス」が増えているって本当?

2017/02/21

高速バスでは当たり前になりつつあるモバイルIT環境が、一般の路線バスにも普及し始めているらしい。路線バスの車内で、USB充電ポートやWi-Fi機器用の電源を気軽に利用できる時代が、すぐそこまで来ている!?

◆全車に無料Wi-Fiを完備する東京都営バスにUSB充電ポート付き車両が登場

さまざまな豪華仕様の車両が続々と登場している高速バスでは、Wi-Fi利用や機器の充電など、IT環境の充実は“あって当然”なサービスになりつつある。

一方、これまでは「IT環境」とは無縁な存在かのように思われていた路線バスにも、同様のサービスが提供され始めているようだ。

スマートフォンやタブレットを持ち歩くことが当たり前となり、その使用頻度も増すばかりな現在、バッテリーへの充電は誰もが頭を悩ませるところ。モバイルバッテリーや、乾電池式の簡易バッテリーをバッグに常備している方も多いことだろう。

こうしたニーズに応えようと、東京では都営バスにUSB充電ポート装備車が登場している。

実際に乗車してみると、なるほど、見慣れた降車ボタンに並ぶ形でUSB充電ポートが! 車内に5箇所ほど設置され、「USB充電ポート 試験中 スマホ・携帯 ご利用できます」と書かれたポートは、車内の乗客からも興味津々といった感じで注目を集めていた。

都営バスを運行する東京都交通局によると、案内表示にもあるように、現在は試験運用中とのこと。好評ならば増車も見込めるので、乗り合わせた際は是非とも利用してみよう。

また、都営バスでは全車両に無料のWi-Fi環境(提供元:NTTBP/エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム)も整備されている。一部区間を除き、180分までなら1日何回でも利用可能だ。

◆“バス離れ”は過去の言葉に? 各地に広がるモバイル電源付き路線バス

路線バスのIT環境は、他の民間バス業者でも広がりを見せ始めている。

東京西部に路線を巡らす西東京バスでは、2015年7月から携帯電話およびスマートフォン専用の電源(コンセント)付きバス「電源バス」を走らせている。中型車で8個、大型車で12個の電源が装備されているため、「コンセントはどこ?」などと車内を探し回る必要もない。乗客からも好評で、USB充電ポート付き車両も導入している。

同社のバスでは「au Wi-Fi SPOT」も利用できるため、auユーザーにとっては、まさに「最強の路線バス」と言えるかも!?

首都圏では京成タウンバスも電源付き車両を運行しており、大手各社も導入に前向きな姿勢を見せているという。

短時間のバス乗車が多く、鉄道網も充実している都心部と違い、東京郊外では30分程度のバス乗車が日常になっている。地方都市であれば、なおさらだ。そうした地域では、路線バスでのモバイルIT環境は必須になりつつある。また、都心部で「充電を兼ねて電車ではなく路線バスに」といった利用法も考えられるだろう。

バス路線の廃止や縮小が相次ぎ、利用者数も年々減少している昨今だが、高齢化社会とともに、身近な公共交通機関である路線バスを見直す取り組みも各地で進んでいるよう。

電源やUSB充電ポート、Wi-FiといったモバイルIT環境+路線バスというコンセプトは、新たな需要を拡大するだけでなく、公共交通機関のあり方を考える機会にもなりそうだ。“バス離れ”が、過去の言葉になる日も遠くない!?

ちなみに、路線バスの電源はスマートフォンなどモバイル機器専用なので注意しよう。電源容量が限られるため、消費電力が大きいPCには使わないなど、マナーとモラルを心がけたい。

※記事内容は2017年1月現在の情報を基に作成。

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