Macintoshの文字入力「ライブ変換」機能が快適すぎる理由

2017/03/06
「OS X El Capitan」で登場したMacintosh(Mac)の入力機能「ライブ変換」。macOS Sierraでは、使ううちに動作が重くなるという問題点も改善され、ますます使いやすくなった。慣れれば考える速度で入力作業が行えるようになる、このライブ変換。その魅力に迫る。

◆文字入力のスピードが格段にアップ

Macの文字入力「ライブ変換」は、シフトキーによる変換操作を省き、日本語入力の既成概念を打ち砕いた革命的機能だ。El Capitanでは使っているうちに重くなるという問題点が報告されていたが、Sierraでは改善され、ストレスなく使えるようになった。

ワードプロセッサ時代より日本語の文字入力は、「ひらがなで入力→Spaceキーで変換→Enterキーで確定」、という手順で行われてきたが、ライブ変換では「Spaceキーで変換」「Enterキーで確定」のプロセスの省略が可能になった。

長いセンテンスでも高い精度で変換してくれるので、思考を寸断されることなく一気に文章を打ち込むことができる。入力したい文字とは異なる漢字に変換されたときのみ、Spaceキーを使って変換し直すが、カーソルキーを使って単語単位で戻ればいいので、たいした労力ではないだろう。

操作に慣れるまでに多少の時間を要するため、「うざい」「めんどくさい」と従来の入力機能に戻してしまう人もいるようだが、使いこなせば文字入力のスピードが格段にアップ。タッチタイピングが身についている人ならば間違いなく時短につながるはずだ。

最初のうちは、長文で慣らしていくといいだろう。イラッと感じるかもしれないが、そのうち考える速度でタイプできるようになるので、楽器の指ならしでもするような気持ちで試してみてほしい。

筆者の場合は、テープ起こしならぬ音源起こしで特訓。30分の音源を3本ほど起こした頃には指が慣れていた。ちなみに、異なるOSを入れた2台のMacでライブ変換と通常変換を併用しているが、現状、混乱するようなことはない。

◆ライブ変換のオン/オフはいつでもできる

ライブ変換のオン/オフは、メニューバーにある日本語設定(「あ」のところだ)のプルダウンメニューから、「ライブ変換」を選んでチェックを外すだけ。このやり方でいつでもオン/オフの切り替えが行えるので、じっくり文面を練りたい、ライブ変換の練習は後回しにしたい……と思ったら、通常変換に戻してしまえばいい。

なお、ライブ変換がオンのままでも、SpeceキーやEnter(return)キーは使える。つまり、これまでと同様、細切れに変換していくことも可能だ。いきなり長文を打たずに、通常変換と同じ感覚でタイプしながら、少しずつ慣らしていくといいだろう。

◆学習機能のさらなる進化に期待

macOS Sierraバージョン10.12.3時点でのライブ変換の弱点は、ズバリ、その学習機能。長文の変換精度はほれぼれするほど高いのだが、何度も使っている言葉に限ってなかなか覚えてくれないのだ。

よく使う言葉や言い回しはサジェストされるものの、その優先順位がなかなか上がってこないため、文章によってはカーソルやSpaceキーを押す回数が多くなる。考える速度でタイプすることに慣れてしまうと、ここで思考が止まってしまうことも……。

とはいえ、macOSは日々進化し続けている。ひょっとすると、ライブ変換機能も次のアップデートで飛躍的な成長を遂げるかもしれない。

※記事内容は2017年2月現在の情報を基に作成。

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