列車や駅情報を満載した鉄道各社の公式アプリが進化中

2017/04/19
電車の運行状況はじめ、さまざまな情報を発信する鉄道会社の公式アプリが続々リリースされている。アプリで先行するJR東日本に対して、私鉄各社の対応など、鉄道会社の公式アプリについて考えてみた。

◆列車の位置情報など、鉄道会社の公式アプリをリードするJR東日本アプリ

鉄道会社の公式アプリといえば、JR東日本の提供する「JR東日本アプリ」が、なにかと話題を集めてきた。同社の統計では乗客の50人に1人が利用しており、今や鉄道会社(公式)アプリの定番とも言えるだろう。

列車の運行情報はもちろん、全駅(JR東日本管内)の構内図・駅設備情報・時刻表、主要駅のホーム案内図、コインロッカー空き情報、エキナカ・マチナカ情報など、列車や駅データを網羅した情報量の多さは、公式アプリならでは。

2017年3月末からは、新幹線の列車情報、全国乗換案内が追加され、列車の位置情報も対応路線が増えるなど、さらなる機能充実が図られた。“公式”と名のつくサービスはなにかと硬直しがちだが、アプリとして進化し続けている点は評価したいところ。

新機能により、東北・北海道・上越・北陸のJR東日本が運行する新幹線は、車両形式、電源コンセントや車内販売の有無、座席種別などがひと目で確認できるようになった。JR東日本からすれば“他社の路線”となる、東海道・山陽新幹線に未対応なのが残念で仕方ない?

在来線のダイヤが乱れた際には、列車の位置情報も重宝する。

到着した列車が混んでいるとき、無理にでも乗るべきか、次の列車を待つべきか、次の列車はさらに遅れているのか。知りたい情報は山ほどあるはず。

次の列車の位置情報がわかれば、乱れたダイヤの全体像も見えてくる。それだけでも、精神的にはずいぶん楽になるだろう。

◆発展途上な私鉄各社の公式アプリにも、新たなニーズを開拓する動きが

こうした列車の位置情報は、東京メトロ、東急電鉄、京王電鉄の各私鉄アプリでも提供されている。乗換案内やルート検索には各種非公式アプリの方が便利なことも多いが、位置情報に関しては、公式アプリでしかわからない機能なので有り難い。

一方、公式としては出遅れた感もある京急電鉄の「京急線アプリ」(2017年3月リリース)では、違ったアプローチから利用者ニーズを掘り起こそうとしている。

「ゆったり電車で行こう」と銘打たれた乗換案内がそれで、「少しぐらい遅くなっても空いている電車がいい」乗客のため、混雑度が低い「普通」と「エアポート急行」の組み合わせで乗換情報を案内する。乗換案内=速達性重視という常識を覆す、新たな試みと言えそうだ。

JR西日本のアプリですら「***線 遅れの情報はありません」といった単一的な運行情報しか案内されない関西圏では、近鉄(近畿日本鉄道)が2016年12月に関西初の総合的な鉄道案内アプリとしてリリースした、「近鉄アプリ」の孤軍奮闘といった印象。

運行情報のプッシュ通知など目新しさはないものの、路線網が長大で難解&複雑な近鉄だけに、各路線の運行情報を一元化できるメリットは大きい。2017年夏ごろに予定されている列車位置情報の提供で、利便性はさらに増すだろう。

JR東日本に追いつけ、追い越せではないが、皆さんもご利用されている私鉄各社の公式アプリを積極的に活用し、ときには要望も出していこう。利用者の声が公式アプリを育てる。そんな時代に、早くなってほしいものだ。

※記事内容は2017年4月現在の情報を基に作成。

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