
AndroidアプリをPCで動かす方法|Google Chromeでスマホ操作
2017/06/19スマホ液晶の大型化の流れの中、女性を中心に手のひらに収まるサイズの小型スマホの需要も衰えていない。だが、小型になればなるほどタップミスや誤入力の可能性が高まるのもまた事実。アプリだけでもノートPCで操作できれば……。そんな人に、人気のブラウザ「Google Chrome」を使ってAndroidアプリを操作する方法を紹介する。
◆Google開発のChromeとAndroidは相性抜群!
たとえば、指先ひとつでお手軽に撮影した写真を加工できるアプリ。画面が小さ過ぎて思った場所をタップできないなんて事態が頻発している方はいないだろうか。
iPhoneユーザーはそれほどスマホの画面サイズで思い悩んだことはないかもしれないが、Androidを搭載した機種の中には、その小ささをセールスポイントにしているものもあり、可愛さで選んではみたものの困ってしまっている方も多いだろう。
新たにスマホを買い替えることなくアプリを使いやすい環境に変えたい。そんな方に試してほしいのが、「PCをAndroidスマホにしてしまう」という方法だ。
Androidのアプリの多くはGoogle アカウントを登録しておけばすぐにでも共有できるし、最近はメインディスプレイがタッチパネルになっているPCも多く、違和感なく操作できるのではないだろうか。
◆手早いのはAndroidのエミュレータを使う方法だが…
エミュレータとはPC上でさまざまな機械やプログラムの真似を行うソフトウェアのこと。
当然Androidの環境を再現するエミュレータも多く、有料版、無料版ともにかなり高い再現度を誇っている。なかにはGoogleアカウントの連動機能も再現しているものがあり、実際にPCでスマホ環境を動かすだけなら最も手っ取り早い方法だろう。
だが、ほとんどのエミュレータは個人が作ったものであり、セキュリティに関しては自己責任、としか言えないのが実状だ。
なんとか、オフィシャルな方法で動かす方法はないだろうか。
Androidは、いまやWindowsを抜いて世界で最もシェアの大きいOS。検索エンジン大手のGoogleが開発している。そのため同社が開発しているWebブラウザ「Google Chrome」とも親和性が高く、Gmailを介せば簡単に情報の同期ができるのは皆さんもご存知の通り。
Google Chromeの拡張機能を使えばあるいは……。と探してみたら、まさに狙い通りの拡張機能が2015年から公開されていた。
◆ 「ARC Welder」を使えば、Google ChromeをインストールしたPCがすべてスマホに
拡張機能とはGoogle Chromeに任意の機能をインストールして自分好みにカスタマイズする機能。「Google スライド」や「Googleスプレッドシート」を使っている人も多いのではないだろうか。
Google Chromeを起動したらウィンドウ右端にある三本線のボタンを押下し、「その他の機能」、「拡張機能」と遷移していこう。現在設定されている拡張機能の一覧が表示されるので、一番下にある「他の拡張機能」を押下。「Chrome ウェブストア」に遷移するので、検索窓に「ARC Welder」と打ち込み拡張機能をインストールしよう。
するとGoogle Chromeのランチャーバーの「アプリ」内に「ARC Welder」のアイコンが追加されている。起動すると、動作に問題がある警告が出るが、注意に従ってインストールを行おう。これであなたのPCはAndroidと同じ環境になったわけだ。
◆アプリの起動に必要なAPKファイルを作成しよう
ARC Welderでアプリを動かすには、「APK」という形式で圧縮されたファイルが必要となる。
実はスマートフォン向けのアプリは「.APK」という拡張子がついたファイル形式で圧縮されて配布されている。このファイル形式はスマートフォンにダウンロードされた瞬間に解凍されてしまうため普段気づくことはないが、ARC Welderからアプリを起動するには、APK形式のファイルが必要となる。
APKファイルに圧縮するアプリなどもたくさん公開されているが、スマホの中のファイルをいじる必要があり、慣れていない人には少しハードルが高い。
オススメはSDカードにスマホの情報をバックアップする方法。バックアップデータはアプリを再度APK形式で圧縮しているので、そのSDカードを読み込ませるだけでAPKファイルが手に入る。
PCから「Google Playストア」へ直接飛んで、ダウンロードする方法もある。ほしいアプリの配布URLをコピーしたら、「APK downloader」などの、APKファイルのままストアからダウンロードできるサイトを利用しよう。サイト内のURLを打ち込むスペースにペーストするだけで、APKファイルのダウンロードが可能だ。
APKファイルが手に入ったら、Google Chromeを立ち上げARC Welderを起動。「Choose」ボタンを選択後、手に入れたAPKファイルを選択すれば、Google Chrome上でAndroidと同じように起動する。マウス操作にも対応しているので、指では難しかった細かい操作もお手のものだ。
2015年に公開されたばかりの頃は、動作するアプリも少なく設定も大変だったARC Welderだが、この1年ほどで驚くほど開発が進み、かなりの数のアプリが対応した。
ゲームアプリや有料アプリの中には動作しないものもあるが、出所のわからないエミュレータを使うより安全で、Google Chromeさえあれば、PCをスマホ化できるARC Welder。スマホの画面サイズにご不満の方は、この機会に導入してみてはいかがだろうか。
※記事内容は2017年5月現在の情報を基に作成。