MP3やAAC、WMAなどの圧縮音源は、どう使い分けるのがベスト?

2017/07/21

スマホやiPodなどで音楽を聴く際、わかっているようでわからないのがMP3、AAC、WMAといったデジタル圧縮音源。改めて、「どのフォーマットで」「どの程度のビットレートが」いいのかを考えてみよう。

◆世界標準のMP3、Apple標準のAAC、Windows標準のWMA

一口に「デジタル音源」といっても、さまざまなフォーマットがあることは皆さんも御存知だろう。

なかでも身近なのが、CDにも使われているWAV形式。無圧縮フォーマットなので音質劣化がなく、汎用性も高いが、容量は5分で50MB強と小さくない。

そのため、スマホやiPod、ウォークマンなど携帯音楽プレイヤーで利用する際は、WAVからMP3、AAC(M4A/M4P)、WMAといった圧縮音源にコンバート(=エンコード)するのが一般的だ。

ちなみに、iTunesなどのダウンロード配信には、最初から圧縮音源が使われている。iTunesならAAC、amazonならMP3、国内大手配信サイトではWMAが主流だ。

・ MP3……1995年に制定された最古の圧縮フォーマット。対応製品も多く、「どんなケースでも使える」デファクトスタンダード。「MP4」は動画規格なので、混同しないように。

・AAC(M4A/M4P)……MP3に次いで制定された規格で、iPodやiPhoneなどApple製品の標準フォーマット。M4Pは著作権保護されたファイル。テレビの地上デジタルやBSデジタル放送も、音声にはAACを用いる。

・WMA……Microsoftが提唱するフォーマット。Windowsと親和性が高く、ボイスレコーダーにも採用製品が多い。

こうした特徴を踏まえつつ、利用機器によっても圧縮フォーマットを考えよう。

◆音質&容量から使い勝手がいいビットレートは128kbps~160kbps

悩ましいのが、「kbps」という単位で表される圧縮率(=ビットレート)。難しい理屈はさておき、要は「ビットレート=音質を数値で表す基準」だと考えればOK。

「人間の聴感上差し支えない音を間引いてデータ量を減らす」圧縮音源では、低ビットレートほど容量が減る代わりに、高音部がカットされる。エンコード時にビットレートを下げすぎると、何となくモサッとした音質になるのはそのためだ。

・~96kbps……音が伸びないので、トーク中心のラジオ番組などに
・128kbps……誰が聴いてもさほど違和感がない。PC用スピーカーやカーオーディオでのポップス&ロック向き
・160kbps……一般的なオーディオでも満足できる音質。音が多いジャズ等にも向く
・192kbps……ヘッドフォンで聴いても破綻が少ない。音域が広いクラシックでもOK
・256kbps/320kbps……CD(1411kbps相当)に近い高音質


個人差はあるものの、概ね上記を基準に考えよう。普通の人が音質差を聴き分けられるのは、せいぜい160kbpsまで。192kbpsを超えると、よほど“耳のいい”人でなければ違いを感じられないだろう。

また、100曲、200曲と曲数が増えると容量差も大きいので、使い勝手のいいビットレートを選ぼう。ポップスに多い4~5分の曲をMP3化すると、おおよそ以下の容量に。

・128kbps:約4MB
・160kbps:5~6MB程度
・192kbps:7MB前後
・320kbps:約10MB


AACやWMAはMP3より圧縮率が高く、同じビットレートでも容量が小さくなる。低ビットレートにも強いため、128kbps以下ならAACやWMAの方が「いい音」に聴こえるかもしれない。

逆に160kbpsを超えると、理論上はMP3の方が高音質に。実際に聴き分けられるかどうかは別にして、高ビットレートほど、音質的にはMP3が有利なことも覚えておこう。

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