「ピースサイン」のSNS投稿に要注意!3メートル離れても指紋は読み取れます

2017/12/05

一時期話題となった、「ネット上の画像から指紋が読み取られる可能性がある」というのを知ってますか?どのようにして読み取られ、どんな危険が潜んでいるのか。実際に起きた事件などを参考に読み解いていきます。

◆もはやSNSへの自撮り写真アップは危険大!? “ 生態情報の盗難”の危険性

騒動の発端となったのが、指紋の盗撮防止技術を開発した国立情報学研究所の発表で、それによれば「顔と手を一緒に撮影した写真から個人と指紋を特定されるおそれがある」という。しかも同大の研究では、3mの距離で撮影した画像なら指紋が読み取れるとしており、うかつに自撮り写真さえアップすることも難しくなってしまいました。

仮に自撮りをしなくても、誰かと一緒に写真を撮ったりすることもあるだろうし、自分が意図しないところで写り込んだ画像がアップされ、指紋が読み取られてしまう……なんてリスクも。

ピースサインというのはあくまでも例ですが、多くの人が無意識にやってしまいがちな写真を撮る際のポーズのひとつ。特に上半身、それも首から上のアップで撮ることが多いスマホ撮影では、ピースサインを作る際、顔の近くに人差し指と中指を持ってくるケースが多く、かなり鮮明に写り込みます。

さらに人によっては、両手で“ダブルピース”をする人もいるので、それだけで両手の4本分の指紋が読み取られるおそれも出てきてしまいます。スマホや携帯、デジカメなどの画素数にもよりますが、最近の高性能なものであれば、危険度はかなり高いのではと推測されます。

◆指紋や虹彩など生態情報はずっと変わらないことがリスクの要因

では、指紋を読み取られることの何が危険なのでしょう?

最近ではスマホにも搭載されることが増えてきた「指紋認証」。まずは、これを易々と突破されてしまう危険性があります。指紋認証は金融機関のATMで使われたり、行政機関や企業ではセキュリティエリアの入退室に活用するなど導入が進んでおり、一度指紋が読み取られてしまえば、当人に接近せずともセキュリティが無効化されてしまうことに……。

過去にはドイツ人のハッカーが、記者会見の写真から当時のドイツ国防相の指紋を盗み取ることに成功したという事例もあり、悪用こそされなかったようだが、かなりのインパクトがありました。

さらに、盗み取る手段こそ違いますが、指紋を使った“なりすまし”による密入国も確認されており、もはや映画やドラマの中で見たようなことが現実に起きています。

もっとも危惧すべきは、よほどこのことない限り指紋は基本的に一生変わらないということ。これはかなりやっかいで、指紋以外にも顔や目の虹彩など、近年の生体認証に利用されているあらゆる生態情報を盗み取られる危険性を同大学は指摘しています。

もはや個人情報だけでなく、生態情報もどのようにして守るかが重要な時代が近付いてきています。

◆セキュリティに頼り切らずに意識改革も必要

もっとも効果的な対策は自分の写真は一切、SNSなどにアップしないことですが、それではあまりに味気ないし、そもそも知らぬ間に映り込んでいたケースでは回避できません。

常にサングラスをかけ、手袋をはめることなど現実的には不可能ですし、気になる人は手のひらを写さないようにするくらいしか普段から行える対処法はありません。

最近では、顔のコピーを防ぐ「プライバシーバイザー」という製品が販売されていたり、盗用を防ぐドット模様のフィルムも開発されているそうですが、まだ実用化には至っていない様子。あとはそもそもピースサインをしないなど、写真を撮られる側が意識改革をするしかありません。

新たなセキュリティ手段が開発されるたびに、それを突破しようとする人たちが現れるのはもはや避けては通れないこと。やはり、ユーザーである自分たちが、注意して活用することが大切。リスクを回避しつつ、自撮りライフを楽しみたいものですね。

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