スマホだけで電車に乗れる新サービス「スマホ定期券」が優れモノとの噂

2018/04/09

2018年春からスタートする、JR北海道「スマホ定期券」が注目を集めています。「Suica」や「ICOCA」など交通系ICカードが普及していない地域でも、スマホを定期券化できる同サービス。その仕組みを紹介するとともに、どのような可能性を秘めているのかも考えてみます。

◆JR北海道の新システム「スマホ定期券」とは

「Kitaca」「TOICA」「SUGOCA」など、今や首都圏や関西圏・東海圏のみならず、全国規模で普及が進む交通系ICカード。利用できるエリアでは、生活になくてはならないアイテムのひとつになっているのではないでしょうか。

一方、いまだに交通系ICカードが使えないエリアも数多くあります。こうした地域の路線には無人駅も多く、全駅に自動改札の設置が必要な交通系ICカードは、普及が難しいと考えられてきました。

なかでも普及が難しい赤字路線を抱えるJR北海道が、画期的なシステムを開発&導入するとのことで、各方面から注目を集めていることはご存知でしょうか。

「スマホ定期券」と称される同サービスは、スマホの画面に定期券を表示し、乗車・下車時は係員に見せるだけ。タッチしなくてもいいため、専用の機器を導入する必要もないわけです。

ありそうでなかったシステムですが、交通系ICカードが使えるエリアの利用者からしても、ちょっとうらやましい仕組みかもしれません。タッチする手間が不要なので、ICカード用パスケースも不要ですし、タッチでスマホが傷つくこともありません。

◆電車だけでなくスマホだけでバスに乗れるシステムも

実はこのシステム、JRバスでは以前から導入されていました。ウェルネットが提供する「バスもり!」という専用アプリをスマホにインストールすることで、スマホ画面に定期券を表示できる仕組みです。

決済はコンビニ支払いやクレジットカードで行い、購入はすべてオンラインでOK。駅の窓口や専用の券売機に並ぶ手間も不要なため、交通系ICカード定期券よりも、はるかに簡単でユーザーライクなシステムと言える面もあるのです。

ただ、導入区間がシステムにインプットされていなければならないため、現状での利用は「JRバス」と「JR北海道の一部区間」に限定されています。

とはいえ、データさえ入っていれば、物理的には全国すべての路線で導入が可能です。北海道はもちろん、東北や四国・九州など交通系ICカードの普及が遅れている地域でも、始めようと思えばすぐにでも始められるわけです。

これらの地域にお住まいの方は、「スマホ定期券」というキーワードを覚えておきましょう。地元のJRに要望が集まれば、思いの外、早い時期に全国普及するかもしれません。

◆スマホだけで電車に乗れる時代への第一歩

現在の交通系ICカードは、大枠では同じ「FeliCa(フェリカ)」という磁気システムを利用しながらも、JR各社、私鉄の地域ごとによってシステムの細部が異なります。

交通系ICカードの相互利用こそできるようになりましたが、あくまでICカード単体でのこと。たとえばモバイルSuicaがJR東日本でしか利用できないように、「スマホ+交通系ICカードシステム+全国利用」という取り組みは進んでいないのが現状です。

これだけスマホで何でもできる世の中なのに、なぜ電車やバスはスマホだけで乗れないのか。

そうした素朴な疑問をお持ちの方も多いでしょうが、各社・各地域が独自にシステムを導入してきた結果なので、現状では不可能と言わざるを得ません。

つまり、「スマホだけでOK」という取り組みの第一歩としても、「スマホ定期券」は画期的な試みなのです。その発展次第では、スマホだけで電車・バスに乗れる時代も遠くない……かもしれませんね。

※記事内容は2018年3月現在の情報を基に作成。

@niftyのおすすめインターネット接続サービス

  • @nifty光
  • ドコモ光
  • auひかり