日本の図書館もいよいよ電子書籍の時代へ!?

2018/08/20
兵庫県神戸市で2018年6月から大規模なサービスが開始され、日本でも普及に拍車がかかりそうな電子図書館。海外ではすでにポピュラーなサービスとなっているようですが、どのようなメリットや利便性があるのでしょう。

◆公共図書館で普及が進む電子図書館サービス

日本ではなかなか普及が進まない電子書籍ですが、ひょっとすると、違った方向性から普及が加速するかもしれません。そう、「電子図書館」です。

電子図書館といっても、何も特殊なものではありません。図書館で借りられる本が、電子書籍なだけ。すべてネット上で管理されるため、Web環境さえあれば図書館へ出向く必要もなく、とても便利なシステムです。

特別な手続きや申込みが必要なのでは?ネット上の図書館なんて個人情報の漏洩などが不安……

そんなふうに感じられる方も、公共図書館が行うサービスなら安心なのではないでしょうか。

2018年6月にサービスを開始した兵庫県・神戸市立図書館をはじめ、最近は公共の電子図書館サービスが急拡大。実は神戸市の電子図書館は政令指定都市では静岡県浜松市に次ぐ2例目で、7月からは大阪市でもサービスがスタートしました。

また、政令指定都市ではない地方自治体では、すでに多くの市町村が電子図書館サービスを採用しています。皆さんも地元や近隣の図書館を調べてみれば、意外に利用しやすい環境で驚かれるかもしれませんよ。

◆電子図書館なら返却し忘れの不安も解消!

神戸市を例に取ると、提供される電子図書は日本語の小説や実用書が1,000冊、英語の本が500冊、青空文庫1万冊からスタート。2年間の試験導入期間中に、さらに増やす予定だとか。

英語の電子書籍には「英語の読み上げ機能」を持つものも多く、英語教育が始まる小学生や中学生の英語リスニング教材としても役立つでしょう。また、キッチンで便利な日本語の料理本が数多く用意されるなど、電子書籍ならではの幅広い利用層を意識しているようです。

聞きなれない「青空文庫」とは、著作権が切れた文学作品や、作者が「自由に読んでもらって構わない」と指定しているもの。過去の名作も数多くラインナップされているはずです。

利用方法は、神戸市立図書館の図書館カードを持っていれば簡単です。

(1)図書館の窓口に利用申込書を提出し、電子図書館用のIDとパスワードを発行してもらう
(2)スマホやタブレット、パソコンを使って、貸出から返却までオンラインで操作。借りた電子書籍は、お手持ちの端末ですぐに読むことが可能

なにより便利なのは、貸出期限の終了とともに、借りた本が自動返却されること。うっかり返し忘れて図書館から連絡が…などという苦い経験も、電子図書館なら起こりません。

ちなみに、神戸市や大阪市、先行する浜松市は、いずれも楽天が展開する電子図書館サービス「Rakuten OverDrive」を利用しています。

「OverDrive」は公共図書館の90%以上が電子書籍を導入している、アメリカの電子図書館サービス。そこで培われたノウハウと、100言語以上・300万点超(日本では160万点以上)のコンテンツが日本でも利用可能になるわけで、今後の展開にも注目したいですね。

※記事内容は2018年7月現在の情報を基に作成。

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