
「Caps Lock」「Insert」「NumLock」…パソコン用キーボードにある“無意味キー”の意味とは?
2019/05/10パソコン用のキーボードには、「Caps Lock」「Insert」「NumLock」「Scroll Lock」「Pause/Break」など、マウスやタッチパッド、タッチパネルで操作することが多い今、ほぼ“使われることのないキー”が存在します。これらのキーは、何に使うもので、なぜ設置されているのでしょうか。
◆世界各国で“無意味さ”が愛される「Caps Lock」キー
皆さんが、毎日のように使われているパソコンのキーボード。でも、よくよく見れば、あることに気づきませんか?
そう。多くの人にとって、「一度も押した覚えがない謎のキー」が存在するのです。その代表格とも言えるひとつが、「Caps Lock」キーです。
アルファベットで大文字と小文字を切り替える場合、一般的には、「Shift」(シフト)キーを押しながら各文字のキーボタンを押すでしょう。
その際、シフト+「Caps Lock」を押すと、大文字ばかり(小文字ばかり)打てるように!大文字・小文字の切り替えキー=「Caps Lock」という認識で、間違いありません。
その歴史は、今から40年以上前のタイプライター時代にまで遡ります。当時から大文字・小文字の切り替えはシフトキーを押しながら・・・・・・でしたが、タイプライターのキーはタッチが重く、“何かのキーを押しながら”が大変でした。
そこで、“押しながら”でなくてもいい「Caps Lock」キーが誕生したわけです。
ですが、パソコン用キーボードではタッチが年々軽くなり、現在では意味なしに。むしろ間違って押してしまい、気づけば阿鼻叫喚・・・・・・という邪魔なキーだとも!?
そんな“役立たず”さをネタに、欧米では「世界Caps Lockの日」(International Caps Lock Day)という記念日まで設定されています。6月28日と10月22日、年に2回もある記念日当日は、世界各国のWebサイトや動画に「Caps Lock」ネタがあふれるとか。大半が1日限定公開なので、気になる方はお忘れなく!
◆もっとも存在価値がないキーは…?
ほかにも、意味なし(?)かもしれない謎のキーはあります。いくつか見ていきましょう。
・Insert
入力時の“挿入”と“上書き”モードを切り替えるキーですが、使うことは稀で、Caps Lock」と同じく、ミスを生みがちなキー。中途半端に押し間違えやすい位置なので、呪われ度は「Caps Lock」より上!?
・NumLock
このキーを押すと、テンキーでの数字入力が無効化されます。いったい何の意味が?
実はこれ、数字入力の無効化が目的ではなく、テンキーを各種キーの代わりに使えるように・・・・・・と生まれたもの。
たとえば80年代前半、パソコン黎明期のIBMキーボードには、カーソルキーがありませんでした。そこで、テンキーをカーソルキーとして代用できる、多機能キーが求められたわけです。なにやら本末転倒のような気もしますが。
ただ最近は、省スペース化でテンキーを持たないキーボードが増えたため、「キーの一部をテンキー化する」切り替えの役割も生まれつつあります。
・「Pause/Break」
その名の通り“一時停止”キーなのですが、プログラムやBIOSの読み込み中断ぐらいしかニーズがなく、もっとも存在価値がないキーともいえそうです。
・Scroll Lock
「Excel」などごく一部のソフトでは機能が割り当てられているものの、まず使うケースがないキー。「Pause/Break」とともに、画面のスクロールが不自由なMS-DOS時代には、利用価値もあったのですが。
隣に「PrintScreen」キーがなければ、並んでいるブロックごと、とっくに消滅していたかもしれない両キー。無意味な位置にあるため、「邪魔だから失くせ!」という声すら挙がらない、可哀想なキーなのかもしれません。