
「5G(ファイブジー)」とは-意外と知らないIT用語の基本
2019/11/20スマホの話題が何かと途絶えない2019年ですが、なかでもとりわけ注目を集めているのが次世代の移動通信方式「5G」です。ロックイベント「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」や「ラグビーワールドカップ(W杯)2019」で5G回線が試験運用されるなど、2020年のスタートに向けてますます盛り上がりを見せています。では、これまでの4G回線などと比べて何が違うのでしょうか?
5Gとは「現状より進化した次世代の移動通信システム」のこと
「5G」は「5th Generation」の略で、「第5世代移動通信システム」と呼ばれる、携帯電話やスマホなどの通信に用いられる次世代通信規格です。これまでも3Gや4Gなど着実に進化を遂げてきているように、「G」につく数字が大きくなるほど、より高速なモバイル通信を実現してくれます。
世代が上がることでさまざまな変化が生まれますが、なかでももっとも気になる通信速度は、理論上5Gは4Gの100倍近い通信速度を見込めるものの、現在多くの国で商用サービスとして展開されるのは、4Gの20倍にあたる20Gbps超の通信速度と言われています。
現行よりも高速通信に期待できますが、NTTでは100Gbpsのデータ転送実験を成功させている例もあり、5G登場前ですが、さらにその先の高速通信技術への期待も高まりますね。
ちなみに、“3.9G”とも呼ばれることもある「LTE(Long Term Evolution)」ですが、現在では4Gとほぼ同義語として使われています。
5Gの特徴&もたらす未来像とは
ここで5Gの特徴をまとめてみます。以下の3本の大きな柱があります。
【高速・大容量】
LTEや4Gと比べて最大の進化は、やはり通信速度。たとえば4Gでは2時間の動画をダウンロードするのに30秒前後かかるところ、5Gではわずか数秒でダウンロードすることも可能に。これにより大容量のデータを必要とする3D映像やストリーミング動画サービスなど夢が広がります。
【低遅延(リアルタイム)】
5Gが実現する高速通信で4Gよりもさらに低遅延性を実現でき、その結果タイムラグの発生を抑えられ、VR技術の応用や車対車の通信による事故回避、ロボットの遠隔操作など、さまざまな分野でのスムーズな運用に期待できます。身近なところでは、リアルタイム性の高い格闘ゲームやシューティングゲームなどでも、プレイ遅延の解消に役立ってくれるでしょう。
【多数接続】
「IoT(Internet of Things/モノのインターネット)」が盛んな今、スマホやパソコンだけでなく、家電やセンサー類もインターネットへとつながる時代です。5GはIoTを想定した多数の同時接続を前提に設計・開発されているため、“スマートホーム”化で快適な暮らしを実現することも。
こうした特徴を生かすことで、多くの新サービスやビジネスの展開が期待できるほか、スムーズな通信によりタイムラグなくやり取りができることからリモートワークが加速し、働き方改革の推進や、都心と地方の格差是正にも一役買ってくれるのではないでしょうか。
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