スプレーしても壊れない、パソコン掃除に役立つ無水エタノールの使い方

2017/01/12

毎日触れるものだけに、スマホやPCの汚れは気になるもの。もちろん専用クリーナーを使用しての掃除も有効だが、実は薬局で簡単に手に入る「無水エタノール」でも強力にきれいになることをご存知だろうか。

◆エタノールには種類がある。消毒用エタノールと無水エタノールの違い

一般的に「アルコール消毒」と言われるのは、エタノール(エチルアルコール)での消毒のことを指す。インフルエンザの予防接種などの前に看護師などが脱脂綿でサッと注射する部分を拭くが、それがエタノールによる殺菌だ。

そのときに使われるエタノールだが、実は水で希釈され濃度70?80%程度で使用されている。というのも、70~80%程度の濃度が除菌力が一番高いというデータがあるからだ。揮発性が高いエタノールは、濃度が100%に近くなるとばい菌を殺す前に蒸発してしまうので、かえって効果が薄くなるといわれる。

なので、コンピューターや電子部品を用いた電気製品でなければ、濃度70%の消毒用エタノールでの清掃は、清潔に保つのに有効といえる。

ちなみに、「消毒用」とわざわざ銘打ってある製品が単なるエタノール製品よりも安いのは、酒税の問題。エタノールはアルコール飲料に入っているアルコールと同じ成分のため、お酒と同等に税金がかかってしまう。ところが、消毒用として食用に適さない添加物やメタノール(メチルアルコール)などを加えると酒税がかからず税金分、安く販売できるというわけ。

ただ、どちらにしても水分を含んでいる消毒用アルコールは、電子部品を使った製品の清掃には向かない。水濡れ厳禁と書いてなくても、電気が通るのならサビ=酸化につながるので故障の原因となる。そこで役立つのが「無水エタノール」だ。

◆純度99%以上の無水エタノールなら、どんな電子部品に吹きかけても故障の心配がない

成分のほとんどがエタノールという高純度のものを無水エタノールという。通常薬局で簡単に入手が可能で、500mlで1000円程度が相場となっている。食品に適さない添加物などを入れた消毒用エタノールの1.5~2倍近い価格となるが、それでも大いに使い出があるし、ウェットシートタイプのPCクリーナーよりは割安となる場合も。

この無水エタノールは汚れを落とす能力は抜群。たとえば、しつこい油汚れで真っ黒になった換気扇の汚れも溶かしてしまうし、シールのはがし跡のベタつきもこれできれいにすることができる。

なにより無水エタノールの最大の魅力は、PCや防水でないスマホなどの清掃に適していること。水分を含まない上に一瞬で蒸発するので、ノートPCの液晶や一部のスマホなど、液晶が特殊コーティングしてあるものには使えないが、その他の部分になら驚くほど効果を発揮し、故障の心配がない。

なかでも一番劇的なのが、キーボードの清掃。水分を含有する住居洗剤などをかけると壊れる可能性が高いが、無水エタノールなら大丈夫。隙間の部分に染み込んでも問題もない。綿棒やティッシュなどに染み込ませて、軽く湿らせた後、一瞬待ったあと、ティッシュなどで拭き取ると指の皮脂などの落ちにくい汚れがあっという間に溶けて落ちる。

PC内部のパーツにそのままかけても大丈夫なくらい。ノートPCのファンなどの開口部めがけて吹き付けても問題なく、スマホも手脂の汚れが劇的に落ちてピカピカになる。

◆火気厳禁の場所で掃除するのが鉄則

ただし、エタノールは引火性がある上、揮発性が高いため、火気厳禁だ。隣にタバコを吸う同僚などがいるところでスプレーすると、引火して大惨事になってしまう危険性もある。絶対に火気に近付けないように!

またアルコールなので吸い込み過ぎれば酔っ払ってしまうこともあるだろうから、換気の良い場所で使用したい。さらにエタノールは水分を奪うという特性があり、無水エタノールに直接触ると皮膚を乾燥させてしまうので、手荒れが気になるという人はゴム手袋などを着用して使用するのがいいだろう。

以上のことに注意さえすれば、ピッカピカのスマホ・PCライフを快適に送れるはず。日頃から汚れが気になっているような人は、一度お試しを。

@niftyのおすすめインターネット接続サービス

  • @nifty光
  • ドコモ光
  • auひかり