格安スマホでよく聞く「デュアルSIM」「デュアルスタンバイ」はどんな機能で何ができる?

2019/03/14

スマートフォンには基本的に1枚のSIMカードが必要だが、なかには「デュアルSIM」「デュアルスタンバイ」を謳い文句にした機種も。名前からして、1台のスマホに2枚のSIMカードが挿さっているのはわかるけど、どんなことができるのだろうか?

◆1台のスマホで2枚のSIMカードを使えるのが「デュアルSIM」

SIMカードが2枚あると何が便利になるのか、を見ていく前に、そもそも「デュアルSIM」「デュアルスタンバイ」というものが何なのか説明しておこう。

・デュアルSIM:その名の通り、スマホに2枚のSIMカードを挿せること
・デュアルスタンバイ:2枚のSIMで同時に待ち受け可能なこと


となっていて、デュアルスタンバイというのはデュアルSIMの中の1形態。そのため次のように両者を組み合わせて、

・デュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS<Dual SIM Dual Stanbyの略>)
・デュアルSIM・シングルスタンバイ(DSSS<Dual SIM Single Stanbyの略>)


といったように使われる。

さらに用語が増えた……と面倒に思うかもしれないが、DSDSとは「2枚のSIMカードが挿せる端末で、かつ、2枚同時に待ち受けが可能」となっていて、日本では3G+3G、または4G+3Gでの待ち受けとなる。

一方、DSSSはSIMカードを2枚挿しているのだが、使用時はSIMカード1枚ずつのみとなり(※海外では同時待ち受けが可能なケースも)、もうひとつのSIMを使いたいと思ったら、切り替えが必要となってしまう。これまで日本では、デュアルSIMといえば、このDSSSが主流であった。

いずれにしてもデュアルSIMが活躍するのは、MVNOが提供する格安スマホ・SIMフリースマホを利用するケースが一般的だ。

◆2枚のSIMカードを音声通話とデータ通信で使い分ける

では2枚のSIMカードが利用できると、実際には何が便利なのか。

先ほども少し説明したように、DSDSとDSSSは2枚のSIMカードを挿せるという点は共通していて、スマホとガラケーを2台持ちしているような人は、デュアルSIM対応のスマホにデータ通信専用SIMカードと音声通話付きSIMカードを挿しておけば、1台で2役を担ってくれるのでありがたい。

もちろん、それ以外でも、最近でこそ「NifMoでんわ」のようにMVNOでも通話定額サービスがあるが、たとえばキャリアのかけ放題を適用したSIMと、データ通信専用の格安SIMを使い分けることで、月額の通信料金の節約にも期待できる。

また、いずれのSIMカードにも音声通話機能付きのものを選び、ビジネスとプライベート用に電話番号を使い分けるなんて使い方もありだろう。

ただしDSSSはシングルというだけあって、待ち受けは1枚ずつしかできず、どちらか1枚のSIMカードで通話をしている場合、もう1枚のSIMカードは圏外同然となり使用できない(※仮に両方のSIMカードが音声通話対応でも、片方で通話中はもう一方は着信すら不可)のが残念だ。

◆デュアルスタンバイなら2つの電話回線の同時待ち受けが可能!

この“同時に待ち受けができない”という弱点を克服したのが、DSDS。文字通り、2枚のSIMカードを手動で切り替えることなく、常に2回線(2枚のSIMカード)同時に着信の待ち受けが可能となっている。近年、「HUAWEIシリーズ」や「ZenFoneシリーズ」をはじめ、同時に4G通信の待ち受けができるDSDV(デュアルSIM・デュアルVoLTE)対応の機種も登場し、注目を集めている。
▼ ASUS ZenFone Max(M2)

 


DSDSもDSSSと同じく、キャリアの完全定額の音声用通話用SIMとデータ通信のみに特化したMVNOの格安SIMの併用のほか、電話番号を仕事用とプライベートで使い分けられるという2点のメリットは共通。しかし、DSSSとの最大の違いは、SIMカードを切り替えることなく両方の着信を待っていられる点で、実際に使用してみるとかなり使い勝手に差が出てくる。

もちろん、自分から電話をかける(発信)際も、好きな方の回線を使うことができるので、1台のスマホながら利用方法の幅はかなり広がるだろう。

また、シームレスに2枚のSIMカードを利用できるので、たとえば片方のSIMカードのデータ通信容量を使い切ってしまったとしても、そのままもう1枚のSIMカードでデータ通信を行うようにすれば、追加料金を払ってデータチャージをするよりも、安くすむケースも。

さらに少し手間はかかるが、MVNOのデータ通信プランの中には、結果としては同じ容量だったとしても、たとえば10GBのプランを契約するよりも、5GBずつ2枚のSIMカードを契約した方が安くなる場合もある。このように何枚か格安SIMを用意しておけば、大容量のデータ通信がリーズナブルに使える可能性もあるのだ。

かなりメリットの多いDSDSだが、実は1枚のSIMカードが音声通話している間は、もう一方のSIMでのデータ通信が止まってしまうというデメリットも。つまり、データ通信用SIMに依存するアプリのダウンロードやSNSの自動更新などがストップしてしまうほか、LINEのトーク利用、通話中にブラウザで調べものといった作業もできないので、注意しておきたい。

最近では「デュアルSIM・デュアルアクティブ(DSDA)」という、2枚のSIMカードそれぞれで通話とデータ通信も同時利用を可能としたシステムも登場している様子。さまざまな料金プランやオプションサービスの充実で、SIMカード1枚だけの運用でもかなり安く使えるようになってきたが、デュアルSIM対応機種を持っている人は、ちょっとした工夫でさらなる節約ができるかも。

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※記事内容は2019年3月現在の情報を基に作成。

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