
メール設定で分かりづらい「POP」「IMAP」の違いとは? IMAPのメリット&設定方法まで
2019/12/26 遠藤 政樹パソコンを買いかえたり、回線を新規契約したり、光コラボに転用したり、メールアドレスを設定する機会は意外にあります。ただ使い始めるまでが大変。メール設定する際「POP」「IMAP」「SMTP」など専門用語が並びうんざり……という人も多いのでは。ここでは用語の意味を押さえつつ、なにかと便利な「IMAP」の設定方法を見ていくことにします。
メール設定でよく聞く「POP」とは?
メール設定でつまずきやすいポイントの一つが専門用語。特に「POP」と「IMAP」はメールの受信方法を示すものですが、違いがわかりにくいのも事実です。まずは「POP」から見ていきましょう。
POPとは、「Post Office Protocol(ポストオフィスプロトコル)の頭文字を取ったもので、「ポップ」と読みます。フルネームを聞けば、ポストオフィスが郵便局という意味であることから、メールをやり取りするための用語というのはイメージしやすいと思います。
なお、プロトコルに関しては、「通信規約(電子機器間で通信する際の取り決め)」を意味しています。現在のプロトコルがバージョン3であることから、「POP3」と呼ばれ、プロバイダーからの設定案内などで目にしたことがある人もいるでしょう。
POPのメール受信方法は、メールサーバーに新着メールが届き、ユーザーがパソコンなどでサーバーにアクセスしてメールを端末にダウンロード。パソコンなどでメールデータを管理します。郵便受けに手紙を取りに行くイメージですね。
主なメリットは、
1:パソコンなどの端末のハードディスク容量が許しさえすれば、大量のメール保存が可能
2:端末内にメールデータがあるので、受信済みメールであれば、閲覧や削除、整理といった管理がインターネット環境なしで行える
などの点が挙げられます。
反対に、
1:パソコンにデータを保存しているため端末が故障した際はメールが見られない
2:原則として複数の端末でメールを確認できない(※利用する全パソコンでメール受信設定&「サーバーにメールを残す」設定をすれば可能)
3:複数のパソコンでメール設定をしても各端末にメールデータが保存されるため、既読や削除などは各マシンで行う必要がある
といったようなデメリットがあります。
またPOPメールを利用する場合、メールデータはパソコンなどに保存しますので、基本的にはメールソフト(メーラー)が必要となります。
「IMAP」とはどんなメール方式? 「POP」との違いは?
IMAPとは、「Internet Message Access Protocol(インターネットメッセージアクセスプロトコル)」の頭文字をとった言葉で、「アイマップ」と読みます。「インターネットアクセス」とあることからもわかるように、メールを読むにはパソコンなどでメールサーバーへアクセスし、サーバー上でメールを閲覧します。
IMAPでもメーラーを利用するのが一般的ですが、POPとの大きな違いは、メールデータはパソコンにダウンロードや保存をしないということ。
正確には細部が異なりますが、イメージとしては、図書館に行って本を借りるというのがわかりやすいかもしれません。このとき、たしかに本(※メール)を家に持ち帰りますが(※メーラーで受信)、あくまでも保管しているのは図書館(※メールサーバー)。その代わり、見たいときに図書館へ行けば(※サーバーにアクセス)、いつでも閲覧することができます。
POPと比較した場合の主なメリットは、
1:サーバー上にメールデータが保存されるため、複数の端末で利用する際、未読メールや振り分けフォルダなども自動で同期される
2:サーバー上にメールデータがあるため、パソコンが故障してもメールの確認が可能
3:パソコンのハードディスク容量を気にしなくてすむ
などの点が挙げられます。ほかにもパソコンにメールをダウンロード&保存しないため、POPよりもセキュリティ面に期待できると言われることも多いです。
一方、
・メールデータがサーバー上に貯まっていくため、容量の上限に達した場合、不要なメールを削除する必要がある
というデメリットがあります。
「POP」と「IMAP」はどちらが便利?
それではどちらを使うのがいいのか……という疑問が出てきますが、その答えは一概には決められません。どうメールを利用方法したいかで変わってきます。
POP設定は、
・メールの送受信は基本的に1台のパソコン
・ハードディスクの容量が十分
というケースが向いています。
IMAPは、
・Gmailなど1つのメアドをパソコンやスマホなど複数の機器で送受信したい
・ハードディスク容量が少ない
・何人かのグループでメールを共有したい
などの使い方に最適と言えます。
なお、一手間加えればPOP設定でも複数端末で受信できますが、POPは端末ごとにデータを管理するため、送信メールを調べたくなったとき実際に送信操作をした端末にしかデータはありません。その点、IMAPなら送信メールの同期も基本的に可能です。
「IMAP」の設定方法は?
POPとIMAP、利用状況に応じて使い分けるのが一番ですが、パソコンに届くメールをスマホでも確認したいという人は、断然IMAPがおすすめです。
とはいえ、そもそも使っているメールがIMAPに対応している必要があります。その点、「@niftyメール」ならIMAPに対応しているだけでなく、IMAP機能を利用することで、
・メールの保存期間が無期限
・メールサーバーの容量が10GBにアップ
という恩恵を月額100円(税込110円)で受けられます。
申し込みは簡単。「@niftyメール」の 「IMAP機能」ページを開き、「利用登録ページへ」ボタン→「利用登録する」の順にクリックすればOKです。

「@nifty」の会員サポートページの「メールサービス」の項目で「確認」ボタンを押した次ページでも申し込みできます。

ではIMAPの設定方法はどうすれば?「@niftyメール」を例に流れを見ていきましょう。
【パソコンのメールソフトにIMAP機能を設定する場合】
(1)メールソフトの「設定」メニュー→「アカウント」→登録or追加の順に選択
(2)アカウントの種類を選ぶ画面が表示されたら、自動で選べるものではなく手動で追加する項目を選ぶ(※例:Windows10標準メーラーなら「その他のアカウント」)
(3)メールアドレスやアカウント名などを設定
(4)アカウントの設定画面の受信メールサーバー、送信メールサーバーの欄に「IMAP機能」ページの「設定情報」ボタンをクリックして表示されたページに記載してある内容を入力

(5)「送信サーバーは認証が必要」「メールの送信には同じユーザー名とパスワードを使う」「受信メールにはSSLを使う」「送信メールにはSSLを使う」の項目にチェックを入れる
利用するメールソフトにより名称や手順に多少の違いはありますが、基本的には上記の流れで設定ができます。
【スマホのメールでIMAP機能を設定する場合】
(1)メールアプリで「アカウントの追加」に該当するメニューを選択
(2)使いたいメールアドレス&パスワードを入力後、アカウントタイプの選択で「IMAP」を選ぶ
(3)以降はパソコンの手順の(4)以降と同じ
こちらも使っているメールアプリにより表現などは多少異なりますが、基本的な設定手順はおおむねこの通りです。
IMAPは何かと便利です。これを機会にパソコンでもスマホでもスマートにメール管理してみませんか。
▼ @niftyメール IMAP機能についてはこちら
※記事内容は2019年11月現在の情報を基に作成。
※操作手順内の表現はOSや機種、アプリのバージョンにより異なる場合あり。