
警視庁防犯アプリ「デジポリス」とは?海外からの詐欺電話ブロックや痴漢撃退機能など
2025/12/25「知らない番号、しかも『+』から始まる国際電話から着信があった……」
最近、このような不審な電話に不安を感じていませんか?
実は、日本で発生している特殊詐欺の約8割に国際電話番号が使われています。こうした状況を受け、警視庁が提供する防犯アプリ「デジポリス(Digi Police)」に、2025年12月から「国際電話番号を自動でブロックする新機能」が追加されました。
本記事では、デジポリスを使って詐欺電話をブロックする方法や、東京以外での利用可否、さらに痴漢撃退機能まで詳しく解説します。
1. デジポリスの「詐欺電話ブロック」の特徴
デジポリスの特徴は、警視庁が持つ膨大な犯罪データと連携している点です。
なぜ「国際電話」がターゲットなのか?
犯人グループは、発信元を特定されにくくするために、海外の通信業者を経由した「+1(アメリカ・カナダ)」「+44(イギリス)」などの番号を悪用します。
デジポリスは、こうした「日本国内にいるはずの知人や公的機関が使わない番号」を判別します。
2025年12月のアップデート内容
これまでは「詐欺に使われたと通報があった番号」を拒否するだけでしたが、最新版では「国際電話番号からの着信そのものを一括して遮断・消音」する機能が搭載されました。
これにより、データベースに未登録の番号からかかってくる「最新の詐欺電話」にも即座に対応可能になりました。
2. iPhone・Android別設定方法と動作の違い
使っているスマホの機種(OS)によって、ブロックの挙動が少し異なります。
|
機能 |
Android版 |
iPhone(iOS)版 |
|
ブロックの挙動 |
着信そのものを自動拒否 |
着信を消音(画面に通知を出さない) |
|
履歴の処理 |
履歴から自動消去も可能 |
履歴には残るが、呼び出し音は鳴らない |
|
主な設定内容 |
アプリ内で「一括拒否」をON |
「不明な発信者を消音」設定と連携 |
国際電話番号ブロックシステム設定方法
Androidの場合
1.QRコードの読み込み 又は Android版 Google Playストアからアプリ(デジポリス) をダウンロード

2.ホーム画面右上赤色の電話マーク「オフ」をタップ
3.規約に「同意する」をチェックして、「次へ」をタップ
4.国際電話番号ブロックシステムの下記4機能を必要に応じて有効にする
出典:警視庁ホームページ
iOSの場合
1.QRコードの読み込み 又は App Storeからアプリ(デジポリス)を ダウンロード

2.ホーム画面右上赤色の電話マーク「オフ」をタップ
3.規約に「同意する」をチェックして、「次へ」をタップ(2回)
4.「犯行電話ブロック」を有効にする

出典:警視庁ホームページ
※設定の詳細は国際電話ブロックシステム機能紹介でご確認ください
連絡先に登録されている海外の家族や友人からの電話はブロックされないので、安心して利用できます。
3. 「東京以外」でも使える?地方在住者へのメリット
「警視庁のアプリだから、東京都民しか意味がないのでは?」と思われがちですが、実は全国どこに住んでいても利用する価値は十分にあります。
・全国対応の機能: 「詐欺電話ブロック」「痴漢撃退機能」「防犯ブザー」「現在地送信(ココ通知)」は、東京以外でも動作します。
・地方在住者におすすめの使い方: 地方で一人暮らしをしている高齢のご両親のスマホに設定してあげることで、遠隔から詐欺被害を未然に防げます。
「犯罪発生情報」のプッシュ通知機能については、現在は東京都内の情報がメインとなっています。お住まいの地域の詳細情報を知りたい場合は、各地の警察アプリとの併用がおすすめです。
基本機能は全国でも利用できますが、各地の警察アプリとの併用がおすすめです。
【参考】各地の主な警察アプリ
|
都道府県 |
アプリ名 |
主な特徴 |
|
北海道 |
事件マップ、防犯ブザー、現在地送信機能 |
|
|
千葉県 |
犯罪発生状況の可視化、不審者情報の通知 |
|
|
神奈川県 |
2025年2月開始。地域密着型、自転車の青切符対策など |
|
|
静岡県 |
2023年開始。マップ、ブザー、特殊詐欺情報 |
|
|
愛知県 |
パトロール機能、ポイントシステム、事件マップ |
|
|
大阪府 |
防犯ブザーに加え、協賛店のクーポン機能も |
|
|
兵庫県 |
2025年2月リニューアル。マップ、ブザー、性犯罪対策 |
|
|
福岡県 |
犯罪発生情報のプッシュ通知、防犯クイズ、ブザー |
4. 怖くて声が出ない時の「痴漢撃退機能」
デジポリスは詐欺対策だけでなく、外出時のトラブルにも対応しています。
・痴漢撃退モード: 画面に「痴漢です 助けてください」というメッセージを大きく表示し、ボタン一つで「やめてください!」という音声がスマホから流れます。

出典:警視庁ホームページ
・防犯ブザー: 最大音量でアラームを鳴らすと同時に、あらかじめ登録した家族などのメールアドレスへ、現在の位置情報を自動送信します。

出典:警視庁ホームページ
デジポリスの「隠れた便利機能」4選
詐欺電話ブロック以外にも、デジポリスには日常の安心を支える機能が備わっています。
1. 犯罪発生情報の見える化「エリア通知」
警視庁が把握している最新の犯罪発生情報を、地図上でリアルタイムに確認できます。
・アポ電・不審者情報: 詐欺の予兆電話(アポ電)や、不審者の出没エリアが色分け表示
・マイエリア設定: 自宅や職場など最大3カ所を登録でき、周辺で事件が起きた際にプッシュ通知が届きます。

出典:警視庁ホームページ
2. 家族をつなぐ「ココ通知」
ワンタップで事前に登録した家族(最大3名)へ、現在地の地図URL付きメールを送信します。「塾に着いた」「今から帰る」といった日常の安否確認に最適です。
・ワンタップで現在地送信: 「ココ通知」ボタンを押すだけで、事前に登録した家族(最大3名)へ、現在地の地図URL付きメールを送信します。
・使い方の例: 「学校に着いた時」「塾を出る時」にボタンを押す習慣をつけることで、登下校の安全をリアルタイムで確認できます。

出典:警視庁ホームページ
3. 「ながらパトロール」機能
散歩やジョギングをしながら防犯活動を行う人をサポートします。活動距離に応じてポイントが貯まり、アプリ内の「階級」が上がるゲーム性も備わっています。
・活動ログの記録: パトロールを開始すると、自分が歩いたルートや時間をアプリが記録。
・ポイント・階級システム: 活動に応じてポイントが貯まり、アプリ内の「階級」が上がっていく楽しみもあります。地域貢献を可視化することで、継続的な防犯活動を促します。

出典:警視庁ホームページ
4. 周囲の人が助けるための「救助者用画面」
電車内で被害に遭っている人を見かけた際、声を出して助ける勇気が出ないこともあります。その際、「ちかんされていませんか?」という画面をそっと見せることで、被害者を救うきっかけを作れます。
被害者用: 「痴漢です 助けてください」という画面を表示し、タップで「やめてください!」と音声を流す。
救助者用: 「ちかんされていませんか?」という画面を表示。電車内で声を出して声をかける勇気が出ない時でも、そっと画面を見せることで被害者を救うきっかけを作れます。
まとめ:自分の身と家族を守りましょう
警視庁の「デジポリス」は、広告なし・無料・公的機関の安心感がそろった防犯アプリです。
自分: 痴漢対策や不審者情報のチェックに
親: 国際電話ブロックで詐欺被害の防止に
子供: 防犯ブザーと位置情報通知で登下校の守りに
「自分は大丈夫」と思っていても、巧妙な詐欺やトラブルは突然やってきます。被害に遭う前に設定して、もしもの対策をしておきましょう。
※機能の詳細は警視庁公式サイトをご確認ください。
※アプリの利用は無料ですが、通信料はお客様負担となります
※2025年12月時点の情報です