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サポート詐欺とは|手口や仕組み、偽警告画面の消し方を解説

2023/05/19

「サポート詐欺」の被害や相談件数が増加しています。

今月に入り、高齢の男性がサポート詐欺に遭い、電子マネーカード60万円分をだまし取られた、という被害事例もありました。

サポート詐欺は、マルウェアの感染やハッキングなどの不安を煽り、虚偽のサポート窓口へ連絡させ金銭を盗む犯罪行為です。

サポート詐欺はWebサイトに虚偽の警告メッセージを仕掛けて行われているので、注意が必要です。本記事では、サポート詐欺の仕組みや対策を解説します。

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サポート詐欺とは

サポート詐欺とは、名前の通りインターネット関連のサポートサービスを装った詐欺犯罪です。サポート詐欺では、まずWebサイトの閲覧中に「マルウェアに感染した」といった警告メッセージを表示させます。警告メッセージの中にサポート窓口への連絡を促す内容を記載することで、有償サービスの契約へ誘導されます。

サポート詐欺は2012年から存在しており、2022年2月に国民生活センターが再拡大の注意喚起をするほど事例が増えました。

まずWebサイトの閲覧中にマルウェアに感染しても、警告メッセージが表示されることはないため、警告メッセージが表示されてもまずは疑うことが大切です。

サポート詐欺の仕組みや手口

サポート詐欺の仕組みや手口は、以下の5ステップで構成されています。

1.Webサイトの広告に警告メッセージを仕掛ける
2. ユーザーのブラウザに警告メッセージが表示される
3. 「サポート窓口」を装う電話番号への連絡を促す
4. リモートデスクトップソフトをインストールさせる
5. 有償のサポートサービスの契約を促す


順番に見ていきましょう。

Webサイトの広告に警告メッセージを仕掛ける

サポート詐欺で使われる警告メッセージの多くは、Webサイトの広告に仕込まれています。広告を掲載しているWebサイトでは、悪意のある広告をブロックするように日々対応しているものの、どうしてもブロックをすり抜けて表示されてしまうことがあります。普段見ているWebサイトでも突然警告メッセージが表示されることもあるので注意しましょう。

ユーザーのブラウザに警告メッセージが表示される

サポート詐欺を狙った悪意のあるWebサイトにアクセスすると、下記の文面が記載された警告メッセージが表示されます。

・お使いのデバイスはマルウェアに感染しています
・ウイルスに感染しました
・個人情報が漏洩しています


いきなり上記の警告メッセージが表示されると、多くの人は不安を感じると思います。しかし、実際はウイルス感染や個人情報の漏洩はしておらず、このような言葉で不安を煽るのが狙いなのです。

「サポート窓口」を装う電話番号への連絡を促す

警告メッセージは「ウイルスに感染した」という偽の問題を解決するために、サポート窓口への電話連絡を促します。実際に記載されたサポート窓口へ電話すると繋がりますが、この窓口もグルで本当のサポート窓口ではありません。

リモートデスクトップソフトをインストールさせる

警告メッセージに記載されたサポート窓口へ連絡すると、「パソコンの状態を確認したい」という趣旨でリモートデスクトップアプリのインストールを促してきます。リモートデスクトップアプリとは、パソコンを遠隔で操作できるツールです。

サポート窓口に言われるがままリモートデスクトップアプリをインストールすると、第三者からのパソコン操作が可能になり非常に危険です。

有償のサポートサービスの契約を促す

サポート窓口がリモートデスクトップアプリでパソコンの状態を確認する行為はフェイクで、実際は状態の確認は行っていません。パソコンの状態を確認したと思わせて、「問題を解決するには有償サポートサービスの契約が必要」と言ってきます。

言われるがまま有償サポートサービスの契約に進むと、「クレジットカード番号を教えてほしい」と言われ、クレジットカード番号を教えてしまうと、悪用されて金銭被害に遭います。クレジットカードを持っていなくても、「Amazonギフト券でも支払いができる」と言ってくるので注意しましょう。

サポート詐欺の事例

「自分は大丈夫」と根拠の無い自信を持っている人も、同じ問題に出くわす可能性は低くありません。具体的な事例を目にすると、サポート詐欺がどれほど近い存在なのかがわかります。

消費生活センターへの相談件数は上昇傾向

今やサポート詐欺は珍しくないトラブルで、消費生活センターには年間5,000件以上の相談が寄せられています。 各都道府県の警察もホームページでサポート詐欺の注意喚起を行うほど事例は多く、いつ出くわしてもおかしくない犯罪と言えるでしょう。

ほとんどの事例は先ほど「サポート詐欺の仕組みや手口」の項目で紹介した手口が使われており、仕組みを覚えるだけでも警戒できます。

有名人が被害にあった事例も

サポート詐欺の被害件数は年々増えているだけあり、有名人が被害にあった事例も出ています。「尾木ママ」のニックネームで有名な尾木直樹さんもサポート詐欺の被害にあった1人です。 尾木さんはパソコンでロシアワールドカップを観戦しようとした際、海外サイトを検索するときに警告メッセージに出くわしたそうです。

警告文は「このパソコンはハッキングされました」という内容で、「このまま放置するとウイルスが拡散する」という音声付きでした。そして警告文に表示された電話番号へ連絡し言われるがまま対応した結果、2万8千円分のプリペイドカードを騙し取られました。

サポート詐欺の対策

サポート詐欺はいつ自分の身に起きるかわかりません。また家族や友人がサポート詐欺の被害にあう可能性もあります。そのため、サポート詐欺への対策は覚えて損はありません。サポート詐欺への対策は以下5つあります。

・警告メッセージは無視する
・表示される電話番号に連絡しない
・表示された電話番号をネット検索する
・警告メッセージの言う通りにしない
・知人や公式なサポート窓口に頼る


どれも簡単にできる対策なので、今から覚えておきましょう。

警告メッセージは無視する

大切なのはWebサイトの閲覧中に表示される警告メッセージを無視することです。セキュリティソフトの導入有無に関係なく、ブラウザの利用中にウイルス感染やハッキングを受けた際に警告メッセージが表示されることはありません。そのため、ブラウザの利用中に表示される警告メッセージは虚偽だと疑って冷静に対処しましょう。

表示される電話番号に連絡しない

警告メッセージが表示された場合、焦って記載されている電話番号へ連絡するのは止めましょう。そもそも警告メッセージに記載されている内容は虚偽で、サポート窓口も公式なものではありません。

電話番号へ連絡してしまった場合、サポート窓口と名乗る人間の日本語がたどたどしいなどの特徴があります。電話をかけてしまった時も、相手の日本語が不自然じゃないか注意しましょう。少しでも違和感に気付くことができれば電話を切ることができます。

表示された電話番号をネット検索する

警告メッセージに表示された電話番号をインターネットで検索するのも覚えておきたい対策です。記載された電話番号が怪しいものであれば、ネットで検索すると情報サイトでその窓口が犯罪で使われているものとわかります。

警告メッセージの言う通りにしない

サポート詐欺の中には、サポート窓口への連絡を省いて直接セキュリティソフトのインストールを指示するものもあります。このパターンのサポート詐欺では、虚偽のセキュリティソフトをインストールさせられ、ウイルス感染や個人情報の流出を招きます。そのため、警告メッセージに記載されている内容はまず疑うということが大切です。

知人や公式なサポート窓口に頼る

警告メッセージが表示されて不安になったら、インターネットに強い知人や公式のサポート窓口に頼るのもひとつです。周りにインターネット知識が豊富な知人がいるのであれば、相談することで冷静に対処できる可能性が高くなります。最寄りの消費生活センター、消費者ホットライン(188番)等に相談してみるのも良いでしょう。

偽警告画面の消し方

サポート詐欺に使われる警告メッセージは、以下の方法で消すことができます。

・ブラウザを閉じる
・強制終了する


順番に見ていきましょう。

ブラウザを閉じる

まずはブラウザを閉じましょう。ブラウザを閉じて警告メッセージの広告が表示されたWebページごと偽警告を消すことができます。前のページに戻る方法もありますが、Webページによっては何度も同一ページへアクセスするように細工されており、戻るボタンをクリックしても戻れない場合があります。

強制終了する

悪意のあるWebページの中には、ブラウザへ負荷をかけ閉じることを不可能にするものもあります。そのため、ブラウザを強制終了して閉じる方法を覚えておきましょう。以下の操作でブラウザの強制終了ができます。

1. 「Ctrl」と「Alt」と「Delete」を同時に押す
2. タスクマネージャーが表示されたら、ブラウザの名前を右クリック
3. 「タスクの終了」を左クリック

マルウェア対策はセキュリティソフトがおすすめ

パソコンにセキュリティソフトを導入していない状態でサポート詐欺による警告メッセージが表示されてしまった場合、本当にメッセージ通り感染しているのか確認のしようがありません。

逆にセキュリティソフトを導入していれば、実際に感染しているかどうかスキャンを行って状態を確認することができます。サポート詐欺の被害にあわないためにもセキュリティソフトの導入を検討してみてください。

ニフティが提供している「常時安全セキュリティ24」では、端末内に保存された個人情報の保護やウイルス対策、決済システムの保護、偽サイトなどの有害サイトのブロック、子供のネット利用制限など幅広いリスクに備えることができます。

テレワークやオンライン授業など複数のデバイスで家族がインターネットを使う場合にも、最大7台までインストール可能なため、家族のデバイスも保護することが可能です。
サービスの詳細や利用金額については「常時安全セキュリティ24」サイトにてご確認ください。
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※2023年5月時点の情報です。

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