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源泉徴収票が必要なタイミングとは?基本的な見方と共にわかりやすく解説

2024/12/02

年末が近づくと発行される源泉徴収票ですが、いつ必要なのか知らない方も多いのではないでしょうか。源泉徴収票は1年間の収入を証明する帳票で、さまざまな場面で必要になります。

今回は源泉徴収票の基本的な見方とともに、必要になるタイミングについて具体的に解説します。また、紛失してしまった場合の対処法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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源泉徴収票は1年間の収入を記した帳票

源泉徴収票はその年の収入を一枚にまとめた帳票です。収入証明を求められたときにも役立つ帳票で、勤務先から発行されます。

ここでは源泉徴収票とは何なのか、いつ頃発行されるのか解説します。

 

源泉徴収票とは?

源泉徴収票は、会社から支払われた1年間の給与や手当、納めた税金の金額が記載された帳票です。

会社は支払う給与から所定の所得税を算出し、従業員の代わりに国へ納税しています。この代理で納税される仕組みを「源泉徴収」といい、源泉徴収票にはすでに企業が代理納税した源泉徴収税額が記載されています。

一般的なサラリーマンの方であれば「毎月源泉徴収した金額」と「実際に納税すべき所得税額」の差額を会社が年末に調整 。年末調整している方でほかに収入がない場合は、基本的に確定申告の必要がありません。

 

また、源泉徴収票には種類があり、それぞれ記載されている内容が異なります。

 

・給与所得の源泉徴収票

・退職所得の源泉徴収票

・公的年金等の源泉徴収票

 

今回の記事では一般的に取り扱いの多い「給与所得の源泉徴収票」について解説しています。

 

源泉徴収票が届く時期

給与所得の源泉徴収票が届く時期は、大体12月下旬〜翌年の1月上旬です。

年末調整が行われ、その年の収入が確定すると発行されるため、場合によっては12月分の給与明細とともに配布されているかもしれません。

また、退職した場合に発行される源泉徴収票は、退職後1カ月前後で発行されます。転職する場合、前職の源泉徴収票が必要になりますが、1月入社など今年に入ってから給与をもらっていない場合は提出不要です。

 

源泉徴収票の基本的な見方

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画像出典元:「令和 年分 給与所得の源泉徴収票」|国税庁

 

ここからは源泉徴収票の基本的な見方について解説していきます。

源泉徴収票にはたくさんの項目が記載されていますが、ここでは特に確認しておきたい下記の4つの金額について確認しておきましょう。

 

①支払金額

②給与所得控除後の金額

③所得控除の額の合計額

④源泉徴収税額

 

 

支払金額

支払金額とは勤務先から支給された総支給額のことで「年収」にあたる金額です。

支払金額には基本給のほかに、各種手当、賞与、残業代など1年間に支払われた給与の合計金額が記載されています。支払金額はふるさと納税のときや収入証明を求められたときに確認する金額です。

ただし、支払金額には次の金額は含まれていません。

・通勤費

・経費

・旅費交通費 など

これらは非課税扱いとなり、支払金額には含まれていないため、給与明細の合計と差異があっても戸惑わないよう注意しましょう。

 

給与所得控除後の金額

給与所得控除とは、支払われた給与の額によって一定額が経費として差し引かれる控除項目の一つです。

支払金額(年収)によって差し引かれる所得控除額は異なり、控除される金額は下記の通り定められています。

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引用:No.1410 給与所得控除【令和2年分以降の給与所得控除額】|国税庁

 

例えば、年収650万円の場合、差し引かれる給与所得控除額は「174万円」です。残った476万円は「所得」と呼ばれ、所得税の課税対象となります。

また、よく所得と勘違いされる「手取り」は、収入から税金や社会保険料などが差し引かれ実際に受け取る金額を指します。

 

所得控除の額の合計額

所得控除の額の合計額には、給与所得以外で適用される「所得控除の合計額」が記載されています。

ここで記載される所得控除は、毎月控除されている社会保険料のほかに、年末調整のときに控除される扶養控除、生命保険料控除など、下記の12種類の控除項目があります。

 

・社会保険料控除

・小規模企業共済等掛金控除

・生命保険料控除

・地震保険料控除

・障害者控除

・寡婦控除

・ひとり親控除

・勤労学生控除

・配偶者控除

・配偶者特別控除

・扶養控除

・基礎控除


適用される所得控除は、家族構成や加入している保険などによって異なるため、同じ年収でも合計額に差が出るので注意しましょう。

 

所得控除にはさまざまな種類がある

所得控除にはさまざまな種類があり、年末調整で適用される12種類以外にも下記3種類があります。

 

・雑損控除

・医療費控除

・寄付金控除

 

医療費控除やふるさと納税などで活用されている寄付金控除は、確定申告すると受けられる所得税控除です。

寄付金控除は特定の条件を満たせば、確定申告をしなくてもよいワンストップ特例が適用できるため、こちらの記事で確認してみてください。

ふるさと納税の控除限度額はいくら?寄付可能額の確認方法と目安

源泉徴収税額

源泉徴収税額は、1年間に納付した「所得税額」が記載されています。

源泉徴収額は、次の計算式で求められます。

所得税額 = 課税所得(②給与所得控除後の金額+③所得控除の合計額)× 税率-控除額

所得税額の算出に用いられる税率と控除額は、下記の表で確認できます。

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引用:No.2260 所得税の税率「計算方法・計算式 平成27年分以後」|国税庁

 

また、年内に退職した場合、年末調整が行われていないため、給与所得控除後の金額と所得控除の額の合計額が記載されていません。退職した年に就職しない場合は、確定申告が必要なので注意しましょう。

 

源泉徴収票が必要になるタイミング

源泉徴収票はその年の収入を証明する帳票であり、転職や住宅購入など、人生の転機に必要になるケースが多いです。

ここからは源泉徴収票が必要になる主なタイミングを3つご紹介します。

 

1.転職したとき

転職した年は、転職先で年末調整を行うために前職の源泉徴収票が必要です。

1年の収入、納めた税金を正確に記す必要があるため、入社時に源泉徴収票を求められるケースもあります。

源泉徴収票は、最終的な収入や源泉徴収額が決定されてから発行されるため、退職してから1カ月前後の発行ラグがあります。転職先の年末調整までに発行してもらうのがベストですが、間に合わない場合は前職の給与明細などを用意して相談してみましょう。

また、転職までの期間が長い場合は、手元に届いたら大切に保管し、紛失しないよう注意してください。

 

2.収入証明が必要なとき

住宅ローンやクレジットカードの申し込み、保育園の申請など、収入証明が必要なときに源泉徴収票は役立ちます。

行政で発行される所得証明書や課税証明書でも収入証明はできますが、役所まで発行しに行かなくてはなりません。源泉徴収票であれば勤務先が無料で発行してくれるため、手間も費用もかからずに収入証明が可能です。

収入証明が必要なシーンは意外と多いため、毎年源泉徴収票が発行されたら大切に保管しておきましょう。

 

3.確定申告のとき

もっとも源泉徴収票が必要になりやすいタイミングが確定申告のときです。

サラリーマンの方は基本的に年末調整が行われるため、確定申告になじみのない方が多いかもしれません。実はサラリーマンの方でも2,000万円以上の収入、一定以上の副業収入、所得控除を活用する場合に確定申告が必要です。

医療費控除など、年末調整では利用できない所得控除を活用すると、納めた税金が還付される可能性があります。

また、住宅ローン控除を活用する場合、初年度は確定申告が必要です。会社の倒産などで退職した際も確定申告が必要になるケースもあるため、事前に申告方法について確認しておきましょう。

2024年(令和5年分)確定申告期間はいつからいつまで?マイナンバーカードとスマホでe-Taxネット申請のやり方

 

源泉徴収票がないときの対処法

源泉徴収票が手元にないときは、会社に再発行手続きが可能です。源泉徴収票は雇用形態を問わず、従業員全員に発行義務があります。

ここでは源泉徴収票がないときの対処法を2つご紹介します。

 

再発行を依頼する

紛失や誤って捨ててしまった場合など、手元に源泉徴収票がない場合は、発行してもらった勤務先に再発行の手続きをしましょう。

源泉徴収票は原則7年間の保管義務があるため、所定の手続きをすれば再発行が可能です。年末調整直後や確定申告など、繁忙期と重なりやすい時期を除けば、基本的に3週間前後で再発行してもらえます。

また、前職の勤務先が倒産している場合は、破産管財人へ相談すれば源泉徴収票の再発行が可能です。企業が倒産した場合は、必ず破産管財人が設置されます。万一、破産管財人と連絡が取れない、所在が不明な場合は、税務署へ一度相談してみましょう。

 

会社に発行してもらえない場合は税務署へ相談する

何らかの事情で、勤務先から源泉徴収票の発行がされなかった場合、税務署への相談が必要です。

源泉徴収票は所得税法で定められている法定調書のひとつであり、企業は必ず発行しなければなりません。雇用形態に関わらず発行が義務付けられているため、発行してもらえない場合は「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署へ提出しましょう。

源泉徴収票不交付の届出書を提出する際は、念のため給与明細などの資料を持っておくと便利です。源泉徴収票が発行されずに企業が倒産してしまった場合や、発行を依頼しても対応してもらえない場合は税務署へ相談してみてください。

 

まとめ

源泉徴収票は収入を証明するために必要な帳票であり、確定申告は欠かせません。医療費控除など、年末調整で適用されない所得控除を受けたい方は、大切に保管しておきましょう。

また、確定申告をする際はスマホからの申告が便利です。申告時期はどの税務署も混み合うため、予約も取りづらく、時間がかかります。

 

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