
NATタイプとは?オンラインゲームやネットワーク接続への影響と改善
2025/10/29オンラインゲームをプレイしていると、インターネットに接続できているのに接続不安定と表示されたことはありませんか?Nintendo SwitchやPS5などのゲーム機をインターネットに接続して遊ぶ場合、回線速度だけでなくNATタイプが原因で通信状況に影響が出る可能性も。
本記事では、オンラインゲームを快適にプレイしたい方に向けて、NATタイプの仕組みや設定の確認・変更方法について解説します。
NATタイプって?とは
NATタイプとは、簡単にまとめるとネットワークの住所であるIPアドレスを変換する技術です。Network Address Translation(ネットワークアドレスの変換)の頭文字をまとめたもので、IPアドレスの枯渇問題やファイアウォールとしてセキュリティを高める役割があります。
オンラインゲームに接続できないのはNATタイプのせい?
NATタイプとは、インターネット接続時にプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する仕組みのことです。グローバルIPとはインターネット上の住所を指し、自宅で使うプライベートIPに変換することで、インターネット通信が可能になります。
NATはセキュリティ対策として導入されているケースも多く、厳しい設定にするとオンラインゲームの接続に影響がでやすいです。オンラインゲームをプレイ中にマッチングしなかったり、接続が不安定になったりする場合は、NATの接続状況が影響しているかもしれません。普段、問題なくインターネットが利用できているにもかかわらず、オンラインゲームをプレイしている時だけ接続が不安定になる場合は、NATタイプを確認してみましょう。
NATには3つのタイプがある
NATタイプは、使用する機器や契約しているインターネット回線が、どの程度通信状態を制限されているかを表します。
NATは3つのタイプに分かれていて、それぞれ下記のような特徴があります。
1.オープン(open)/タイプ1/制限がなく、他のプレイヤーとスムーズに通信可能
2.モデレート(Moderate)/タイプ2:一部の制限があり、特定のプレイヤーとの通信に問題が生じる
3.ストリクト(Strict)/タイプ3:多くの制限があり、通信できるプレイヤーが限られる
NATのオープン(タイプ1)は、制限がされていない状態のため、遅延等がなくオンラインプレイがしやすい状態です。一方、ストリクト(タイプ3)は、非常に厳しいセキュリティ制限が設定されている状態であり、ラグや回線切断が起こりやすくなっています。
モデレート(タイプ2)は、オープンよりも安全性が高く、ストリクトよりも制限が優しい中間の設定になっています。
NATタイプがオンライン通信に与える影響
NATタイプがオンラインゲームに与える影響は大きく、ストリクトNAT(タイプ3)では、他のプレイヤーとのマッチングが難しくなったり、ボイスチャットができなかったりすることがあります。一方、オープンNAT(タイプ1)では、一部制限はあるものの、マッチングなどの影響は少なく快適にオンラインゲームが楽しめます。
NATタイプの把握は、オンラインゲームを楽しむうえで重要なため、事前に確認する方法をチェックしておくのがおすすめです。
デバイス別NATタイプの確認方法
Nintendo SwitchのNATタイプはどこで確認する?PCの確認手順は?とお困りの方へ、デバイス別にNATタイプの確認方法について解説します。機種やバージョンによって、多少操作が異なるケースもあるので、お手元で操作しながら参考にしてみてください。
Nintendo SwitchのNATタイプ確認方法
Nintendo SwitchのNATタイプは、インターネット回線やルーターの仕様に左右されていると言われています。安定した環境順に「A・B・CD・F」と表示され、Fの場合はオンラインプレイがほぼできないといってよいでしょう。
Nintendo SwitchでNATタイプを確認するには、以下の手順で確かめます。
1.ホーム画面で「設定」を選択
2.「インターネット」→「接続テスト」を選択
3.テスト結果の画面で、「NATタイプ」が表示されます。
最も安定したオンラインプレイが楽しめるのはA、Bは問題なくゲームが楽しめる環境です。NATタイプがB以下の場合、遅延や同期ズレなどオンラインプレイに支障が出る可能性があります。
PS5(PS4)のNATタイプ確認方法
PS5もオンライン対戦や協力プレイをする際は、NATタイプに接続状態が左右されやすいです。PS5でNATタイプを確認するには、以下の手順で確認します。
1.「設定」→「ネットワーク」を選択
2.「接続状況」→「インターネット接続を診断する」を選択
3.診断結果の画面で、「NATタイプ」が表示される
PS5では、NATタイプは1から3までの3段階で表示されます。1がオープン、2がモデレート、3がストリクトに相当します。
NATタイプが3の場合、オンラインプレイに問題が生じる可能性が高いため、1のオープンまたは2のモデレートへ改善が必要です。
PCのNATタイプ確認方法
PCでNATタイプを確認するには、以下の方法があります。
1.使用しているゲームの設定やネットワーク情報を確認
2.コマンドプロンプトで「ipconfig」を実行し、ネットワーク設定を確認
3.ルーターの管理画面にアクセスする
4.ルーターの設定からNATタイプを確認する
PCの場合も、ルーターごとにNATタイプの表示や影響が異なることがあります。また、ゲームタイトルによって、NATタイプの影響も異なるため、特定のゲームで接続に問題がある場合は、NATタイプを変更すると接続状態が改善するかもしれません。回線速度等に問題がないときは、ルーターのポート転送設定等を活用して制限を開放するとオンライン接続しやすくなる可能性があるので確認してみてください。
NATタイプを変更する3つの方法
オンラインゲームを快適にプレイするためにも、ここでNATタイプを変更する3つの方法をご紹介します。現時点で、接続状況があまりよくなかった、NATタイプを変更してより快適なオンライン環境を整えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
UPnP(Universal Plug and Play)方式で変更する
UPnP(ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ)は、ネットワーク機器同士が自動で通信設定を行う仕組みです。ルーターのUPnP機能を有効にすることで、NATタイプがオープンになる可能性があります。使用しているルーターによって、細かい設定手順が異なりますので下記を参考に設定方法を確認してみてください。
1.ルーターの管理画面にアクセスする
2.ルーターの管理画面が開いたら、メニューからUPnP設定を選択し、ONにする
3.ルーターを再起動する
UPnP設定を有効にするには、まずルーター側の設定が必要です。ルーターの背面や底面などに記載されているIPアドレス(例:192.168.1.1)などにアクセスし、管理画面にアクセスしましょう。管理画面にログイン後、ネットワーク環境や詳細設定メニューからUPnP設定を変更します。ただし、UPnP設定をONにすると、セキュリティリスクが高まるため、別途セキュリティ対策に注意しなければならない点には注意が必要です。
また、すでにUPnP設定がONになっているにもかかわらず、NATタイプの制限が厳しい場合は、OFFに変更してみるとよいでしょう。UPnP設定は、現在と逆の設定を試すと接続状況が安定するケースもあるので、ぜひ試してみてください。
ポートフォワーディング(ポート転送を変更)
ポート転送(ポート開放)は、特定の通信ポートを指定して開放し、外部からの接続を許可する方法です。ゲーム機やPCに割り当てられたIPアドレスに対して、必要なポート番号をルーター側から手動で指定してあげることで、通信の制限を解除できます。
ポートフォワーディング機能を設定する場合は、下記の手順を試してみましょう。
1.ゲーム機やPCのIPアドレスを固定する(必要なポート番号を確認)
2.ルーターの管理画面にアクセスする
3.ルーターの詳細設定から「ポート転送を有効にする」を選択
4.ポート番号と手順1で固定したIPアドレスを入力する
ポート番号を手動で指定する場合は、まずゲーム機やPCのローカルIPアドレスを固定にしなければなりません。IPアドレスを固定化するには、ゲーム機やルーターへ、固定アドレスを登録しておく必要があります。
IPアドレスが固定できたら、ルーターの管理画面からポートフォワーディングまたはポートマッピングの項目を開き、使用するポート番号を指定します。ポート番号はゲームタイトルごとに異なるため、ポートフォワーディングを利用する場合は、事前に公式サイトやサポートページで番号を確認しておきましょう。
たとえば、Nintendo Switchであれば、UDPポート1024〜65535番へのポート転送が推奨されています。
二重ルーターを回避する(NAT超え)
オンラインゲームユーザーの間では、「二重ルーター環境を回避する」または「DMZ設定を利用する」など、NATによる通信制限を回避するあらゆる手段を指して「NAT超え」と呼ばれることがあります。
たとえば、自宅にモデム兼ルーターと、別途Wi-Fiルーターの2台がある場合、NATが二重になってしまい、ストリクト(タイプ3)状態から抜け出せないことがあります。ルーターを2台使っている場合は、下記の方法を試してみるとよいでしょう。
・ルーターのAP(アクセスポイント)モードを適用する
・ブリッジモードを適用する
・NATをOFFにする
また、オンライン接続状態を快適にする方法として、セキュリティの外側に仮想的にゲーム機を置くDMZ(DeMilitarized Zone)の設定をする場合があります。DMZは、特定のデバイスにすべてのポートを開放する設定で、NATの影響を受けにくくする代わりに外部からのアクセスを容易にする設定です。セキュリティリスクが高まる設定のため、DMZを使用する場合は、ゲームプレイ中のみ設定し、使用後は必ず解除するようにしましょう。
まとめ
オンラインゲームで遊んでいるときだけインターネット接続が不安定になる場合は、NATタイプが影響している可能性があります。設定を変更していないにもかかわらず、突然インターネット環境が不安定になった場合は、ルーター等の再起動や初期化を試してみると、改善されるかもしれません。
NATタイプを変更、ルーターの初期化等を試しても、オンラインプレイがもっさりとした動きなら、インターネット回線速度が原因の可能性が高いです。インターネットの回線速度は、プロバイダやルーターの性能によって異なるため、@nifty光10ギガなど超高速インターネット回線へ切り替えるのもおすすめ。
@nifty光10ギガは、その名の通り、最大10Gbpsの超高速回線が利用できるため、エフェクトの強いオンラインゲームもサクサク動きます。また、レンタルできる無線ルーターもWi-Fi7に対応した最新モデルなので、無線接続でも高速通信が楽しめます。
オンラインゲームを快適にプレイしたい方は、NATタイプの改善と共に、超高速回線の@nifty光10ギガへ乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。
※2025年10月時点の情報です