
実は格安スマホ・SIM気になってない?安心できる「スピードテスト」の正しい見方
2017/11/10◆格安スマホなどを選ぶ際に気になるスピードテスト
モバイル通信のスピードはどんどん高速化し、以前では考えられないほどのスピードでスマホが使える環境が整ってきている。そんな環境だからこそ、通信速度が遅いとイライラしてしまうという方が大半のはず。キャリアの見直しや機種変更時、特に格安スマホや格安SIMを選ぶ際に通信速度を基準にして選ぶ人も少なくないが、公式ページの数値だけではなくネット上で公開されているスピード測定のページを参考にするという方もいるだろう。
では、そもそもスピードテストは、どのようなものを計測しているのか。
・ダウンロード速度
・アップロード速度
・PING(ピンまたはピング)の値
いくつかスピードテストアプリはあるが、だいたいこれらの数値を指標にしているものが多い。
「ダウンロード」と「アップロード」というのは想像できるだろうが、「PING」はピンとこないかもしれない。簡単に言うと「応答速度」のことで、データを送ってから反応が戻ってくるまでにかかる時間のことを表している。
つまり、PINGの数値が大きいとデータの送受信に時間がかかり、ダウンロードやアップロードが遅くなる……というわけで、PINGの値は小さい方がいいとされている。
スピードテストアプリでは、スマホとネット上に用意されているテスト用のサーバーの間で通信を行って計測し、結果を算出している。
◆通信速度に影響を与える要素を覚えておこう
スピードテストの測定時、「電波状況」や「基地局や、キャリアとMVNOの接続設備の混雑」などが、通信速度の測定結果に影響を与える可能性がある。「電波状況」については、スマホと基地局の距離が遠くなると、その分電波が弱まる傾向にあるほか、基地局が近くにあっても別電波の影響を受けることも。
「基地局や接続設備の混雑」に関しては、各施設の通信能力や使っている電波に対する需要の程度など、いくつかの要素が影響してくるが、需要を上回る供給があれば速度が低下する可能性は低くなる。
これらを踏まえた結果がスピード測定で表示される通信速度なのだが、ひとつでも悪い条件が突出してあると、それだけで通信速度が遅く判定されてしまうことも。重要なのは、スマホで使用できるスピードテストアプリで測定した結果であることなので、この点は留意しておこう。
◆スピードテストの測定結果の見方
では、ネットでよく見かけるMVNOのスピード測定は、どのように見ればいいのだろうか。よく見るのが繁華街と住宅街でのスピード比較や、JR線の主要駅での測定結果などだが、こうしたものを見る際は以下の点に注意しておこう。
・MVNOとキャリアの接続点の混雑は、同一エリア内での影響はない
同じ地域であれば、繁華街と住宅街による差は理論的になく、計測差は電波状況や基地局の混み具合によるものと考えられる。
・駅のホームなど人が集中する場所は速度が低下しやすい
駅周辺などには基地局が数多く設置されている場合が多く、同じ場所でスピードテストをしても、別の基地局と通信している可能性も。また、電車が到着するたびにスマホ通信している人が増えるため、ひんぱんに測定結果が変わりやすい。
特にMVNOは、キャリアとの接続設備の混雑による影響が大きく、その差を明らかにするには、電波や基地局の影響をゼロにして計測する必要があるが、日常生活の中では無理な話。
そこで、ある程度の指標として「時刻」を目安にするのもあり。
たとえば、測定結果で「13時台」という表記があったとしても、それが13時ちょうどなのか13時10分なのかでは、計測結果に違いが出てしまうこともあるので、できるだけ「同一場所・同一時間」でスピードテストを行っているものを参考にする方が、より現実に近い数値である可能性は高いだろう。
◆機種選びの1要素として総合的に判断
どのような状況化でのスピードを知りたいかにもよるが、より正確な速度判定を求めるなら、1:人の移動が少ない場所で、1日の変化の傾向を計測
2:ある程度の期間、同じ場所で定期的にスピードテストを行う
こういった測定結果を掲載しているページであれば、信頼性は高まるかもしれない。もちろん、計測しているスマホが最新の通信環境にマッチしていることも最低条件だ。
科学的なようでいて複雑な要素の影響を受け、なかなか十分な結果が出にくいスピードテストだが、数ある選び方のひとつとして参考にするのがいいのかも。