
人間関係も簡単に崩す「フォトハラ」 SNSに写真を投稿する時のリスクとは?
2017/12/15写真を撮って誰でも気軽にSNSへ投稿して情報発信。写真を通してのコミュニケーションは楽しいものですが、何気なく載せた写真に自分以外の人が映っているとき、その人の許可はきちんと取っていますか? 勝手な写真掲載はハラスメントにあたるとされ、今「フォトハラ」として問題になっているようです。
◆「フォトハラ」という言葉を知っていますか?
皆さんは「フォトハラ」という言葉を知っていますか?
最近では、いろいろなハラスメントが取り上げられることも多いですが、その中でもフォトハラは、「他人の写真を勝手に撮影したり、自分以外の人が映っている写真、たとえばイベントや飲み会などの集合写真を、相手の許可なくSNSに掲載し精神的な苦痛を与えること」を指します。
もちろん、Facebookやインスタなどに写真を投稿するのは、アカウントを持っている人の自由で、「ハラスメント」という言葉でくくる線引きは難しいかもしれませんが、勝手に写真を撮られて投稿されるのは嫌という人も多いはず。インターネットへの投稿時の配慮は忘れないようにしたいですね。
◆勝手に撮って公開した写真がもとでトラブルも
では、フォトハラをはじめ、SNSに人物が写っている写真を投稿したことで、起こりうる問題にはどのようものがあるのでしょうか。
まず第一に、勝手に写真を撮ったりSNSに投稿したりすることは、「肖像権」や「プライバシー」を侵害している可能性もゼロではありません。
肖像権は、本人の同意なく撮影されたり公開されたりしない権利で、裁判などで争われることもあります。ケースバイケースではありますが、何かしらの被害が生じた場合、裁判などで不法行為と認定されて損害賠償が……なんて事態につながらないとも言い切れません。
ほかにも、写真に写っている人を犯罪に巻き込んでしまう可能性も。最近のスマホには位置情報(GPS)システムが必ずと言っていいほど搭載されていて、アプリ利用時などに活躍してくれますが、うっかり撮影した写真に位置情報がついていると、危険を招くことも!
GPS情報と写真に写っている背景などからエリアを特定されてしまうこともあり、男性はもちろん特に女性は、Facebookなどに名前付きで写真が公開されていた場合、知らない人から声をかけられた……という経験談を耳にすることもあります。
写真をアップした人に悪意がなくても、このようなことが起きてしまう可能性があるということは認識しておきましょう。
◆フォトハラが原因で人間関係が…その対策は?
また、法律や犯罪といった大ごとにならずとも、友人や知人、ママ友といった相手との人間関係にヒビが入るきっかけになってしまうこともあります。現実的にはこの可能性が一番怖いかもしれません。
「みんなでの集まりは楽しかったし、盛り上がって撮った写真だから、SNSに投稿しても大丈夫だろう」確かにそうかもしれません。ですが、やっぱり映っているメンバーには、「SNSに載せてもいい?」の一言くらいはかけておいた方がいいでしょう。
そもそも写真をアップされるのが嫌な人もいれば、そのときに映っている表情が気に入らないという人もいます。そんな中、勝手に何度も写真を公開していたら、いつしか相手が気分を害して仲違いしてしまうなんてことも。
また、「子供絡みの写真の公開」については細心の注意を払いたいところ。アプリを使えばスタンプやモザイクなどで簡単な加工もできますから、万が一のことを想定して一工夫を加えることも考えておきましょう。
楽しいイベントがあったら写真を撮って、みんなで共有して盛り上がりたい。その気持ちは痛いほどわかりますが、要らぬ横やりを入れられないよう、撮影や投稿の際には一声かけるなど、マナーを守ってトラブルは回避しましょう。