
今さら聞けないSuicaなど交通系ICカードの盲点!長距離乗車やエキナカ利用時は要注意!?
2017/12/25Suicaなどの交通系ICカードには、きっぷにはない利用制限がいろいろとあります。途中下車・有効期間・入場制限時間など、交通系ICカードを利用する際に「覚えておいた方がいいこと」を解説します。
長距離乗車時の途中下車は不可&1日以内の範囲まで
電車に乗る際、皆さんが当たり前に使われているSuicaやPASMOなどの交通系ICカード。でも、その利用法にはきっぷとは異なるさまざまな制限があることはご存知でしょうか。
【その1:途中下車】
JRで片道101km以上の距離をきっぷ利用する場合、途中駅の改札口から外に出ることができます。A駅からB駅へ向かう際、途中のC駅で買物や観光をしてもいいわけです。しかしSuicaなどの交通系ICカードでは、これができません。交通系ICカードの区間が拡大される中、たとえば首都圏なら、東京-高崎でも100kmを超えます。この間、きっぷなら途中下車ができても、交通系ICカードでは降りることができないのです。
特に、2018年夏から関西~広島に交通系ICカードの利用区間が広がる西日本では、この問題がクローズアップされてきそうですね。途中駅で下車した場合、交通系ICカードでは2度の乗車扱いになり、当然ながら料金も2回入場分。きっぷは長距離ほど割安になるので、交通系ICカードだと倍近い運賃になるケースも生じます。101km以上の乗車で途中下車したいときは、きっぷを買った方がお得だと覚えておきましょう。
【その2:入場の有効期間】
きっぷには“有効期間”があり、200kmまでは2日間、400kmまでは3日間と、乗車距離につれて期間が長くなります。しかし交通系ICカードでは、距離に関係なく有効期間は1日(始発~終電)。前述のように途中下車もできませんから、日付をまたぐ利用が実質できないのです。
長く使っていなかった交通系ICカードや長時間の入場利用はダメ!?
【その3:ICカード自体の有効期限】
交通系ICカード自体にも“有効期限”があり、Suicaの場合は、10年間利用がないと無効になってしまいます。残高があれば、新しいカードに移行するか、払い戻すかを選ぶことは可能です。ちなみに、半年間ほど未使用だとエラーが出るケースもあるようです。公式には「前回のご利用から長期間経過している場合」という幅を持たせた表現ですが、有人改札で処理してもらえば再び使えるので、慌てることはありません。
【その4:入場制限時間】
交通系ICカードで改札口を通り、別の駅で改札口を降りるまで、皆さんは最長で何時間ぐらいかかっていますか? エキナカなど改札内の施設が増えてきた最近は、以前より長くなっていませんか?実は、この時間にも制限があるのです。
多少の大回りや駅構内にある施設への寄り道を考えても、3時間を越えるケースはまれでしょう。この程度であれば、問題になることは滅多にありません。ただ、これが5~6時間になると、改札口でエラーが出て、駅員から理由説明を求められる場合があります。
この時間制限は不正利用を防止するためなので、「何時間までOK」といった情報は非公開。鉄道各社や利用区間(距離)によっても異なるので、あまりにも長い利用は避けた方がよさそうです。前述のように利用範囲が拡大するJR西日本では、こうした問題を避けるためか、「一度の利用は200kmまで」という制限も設けられます(一部特例を除く)。
なにやら「これはダメ」という話ばかりになってしまいましたが、ちょっと覚えておくことでアクシデントを防ぐことができ、「当たり前に、常識的な使い方」をしていれば特に問題もありません。エラーが出ても、正当な理由があれば駅員からとがめられることもないのでご安心を!
※記事内容は2017年11月現在の情報を基に作成。