
生体認証とは?どんな種類がある?メリット・デメリットを解説
2023/10/27情報漏えいやなりすましを防止するために、生体認証を導入する企業が増えているのをご存知ですか?生体認証は従来のID・パスワード方式と比較して、セキュリティの高い認証方法です。
近頃は建物への入退館や、社内システムへのログイン、銀行などさまざまな場所で生体認証が利用されています。
今回は生体認証の代表的な種類とともに、必要性やメリット、デメリットについて解説します。自分の個人情報を守るためにも、生体認証について理解を深めていきましょう。
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生体認証の役割
生体認証の役割は、個人情報や企業の機密情報を不正アクセスから守りつつ、利便性を向上させるのが目的です。
最初に、生体認証の仕組みや必要とされる背景について詳しく解説します。
生体認証とは
生体認証とは、指紋や顔、目の網膜や虹彩など、人の身体的特徴を使って本人を特定する認証方法です。「バイオメトリクス認証」とも呼ばれ、銀行などの金融機関、スマホのロック解除など、身近な場所でも多く採用されています。
本人特有の生体情報を元に認証を行うため、パスワード認証のように情報が漏れたり、盗用されたりする心配がありません。なりすまし防止に高い効果があり、パスワードやPINコード認証と組み合わせれば、より高いセキュリティが期待できます。
生体認証の必要性
生体認証は、情報セキュリティ意識の向上に加え、大切な情報を守るために必要とされています。企業の機密情報だけでなく、個人情報の取り扱いにも厳重さが求められる近年、さまざまな場所で活用されています。
特にスマホはクレジットカード機能や二段階認証の確認デバイスとしての機能もあり、生体認証によるセキュリティは必須です。指紋や顔認証で、スマホのロック解除や決済が可能なため、ユーザーの利便性を高める方法としても重要な認証方法といえるでしょう。
生体認証の種類
生体認証には非常に多くの種類があり、おすすめの利用シーンも異なります。普段何気なく利用している施設や道具にも生体認証が採用されているかもしれません。
ここからは生体認証の代表的な種類と利用シーンについて、解説します。
生体認証の代表的な種類
生体認証の代表的な種類は以下の10種です。
認証方法 |
仕組み |
特徴 |
指紋認証 |
採取した指紋を認識し、認証を行う |
導入コストが低く、多くのシーンで利用されている一般的な生体認証方法。 |
顔認証 |
カメラが目や鼻の形、輪郭などを認識して、認証を行う |
カメラを覗くだけで簡単に認証できるため、指紋認証同様に多くのシーンで利用されている。 |
虹彩認証 |
目の虹彩を認識して、認証を行う |
精度の高い認証方法で、左右、または両眼の虹彩を使って認証する。 |
静脈認証 |
血管の形や分岐を読み取り、認証を行う |
銀行などで多く利用されている認証方法。指紋とは異なり、生体情報が変わらないため、精度の高い認証方法されています。 |
声紋認証 |
周波数により声を識別し、認証を行う |
発声するだけの簡単な認証方法。風邪や周辺環境によって認証精度が左右されやすい。 |
耳介認証 |
耳の形を識別し、認証を行う |
捜査などで利用されている認証方法。顔のように加齢の影響を受けにくいため、比較的精度の高い認証方法。 |
DNA認証 |
髪や爪、表皮などからDNA判定し、認証を行う。 |
ほぼ100%の認証精度であるものの、認証までに時間がかかるためあまり普及していない。 |
掌紋認証 |
手のひら全体の紋理(隆線)を読み取り、認証を行う |
手をかざして、手のひら全体の紋理を識別する認証歩法。手のひらの水分などで認証精度が異なる。 |
行動認証 |
筆跡やキーストロークなど、人の動きを判別し、認証を行う |
人の習性や行動パターンを登録するため、他人になりすまされにくい。 |
認証方法によって、導入しやすさや認証精度が異なります。一番普及している指紋認証は、指の乾燥や怪我、汚れなどで、精度が落ちるものの、手軽な生体認証方法として、普及してきました。
生体認証の代表的な利用シーン
生体認証が利用されている代表的なシーンとして、次の3つが挙げられます。
・金融機関の指静脈認証
・建物の入退館管理
・スマホの顔、指紋認証
銀行ATMなど、金融機関では、本人確認として指静脈認証を採用しています。万が一、キャッシュカードを盗難されても、生体認証カードであれば本人以外は使えません。
また、建物の入退館管理として、ICカードでなく顔認証や指紋、声紋認証を採用している企業が増えてきています。社員としてもICカード忘れや紛失の心配がないため、利便性は高いといえるでしょう。
生体認証が使われている一番身近な例としては、スマホの顔・指紋認証が挙げられます。機種によっては虹彩認証を採用しているスマホもあり、今後もさまざまな生体認証が搭載されるかもしれません。
生体認証のメリット
生体認証には最大のメリットとして、簡単には複製できないのが挙げられます。個人の身体的特徴を登録するため、利用者だけでなく、企業としても管理コストが軽減されるのは大きなメリットでしょう。
紛失や盗難被害が起きにくい
指紋や虹彩、声など、本人の身体的特徴を使う生体認証は、IDやパスワードと異なり、紛失の心配がありません。また、ICカードやパスワードのように盗難も起きにくく、セキュリティ事故にもなりにくいでしょう。ICカードや認証キーに比べ、企業も管理コストが低くなるメリットがあります。
ただし、密かに指紋を採取されたり、顔写真を悪用されたりと、必ず盗用されないとは限らないため注意が必要です。
本人確認がしやすく、利便性が高い
体の一部で照合する生体認証は、利用者の利便性を大幅に向上してくれます。認証デバイスへ指や顔をかざすだけで認証が完了するため、ほかの方法と比較してスムーズに認証が可能です。
例えば、フロア内の入退室や金庫の開閉なども、生体認証であれば瞬時に認証が完了します。パスワード入力などの手間もなく、非常に使いやすい認証方法と言えるでしょう。
セキュリティレベルが高い
生体認証は本人の身体的特徴を使って認証する方法のため、なりすまし行為が困難です。ICカードやパスワードの場合、盗難や情報漏えいによってなりすましされてしまうリスクがありますが、生体認証は簡単にはコピーができません。
特に生体認証と他の認証方法を組み合わせて運用すれば、セキュリティレベルを高められるでしょう。
生体認証のデメリット
生体認証は急激に普及した技術のため、まだまだ精度や運用環境が追いついていない課題もあります。
また、病気や怪我によって、身体的特徴に変化があった場合、変更登録が済むまで認証ができないのも不便なポイントでしょう。
精度がいまいちな場合がある
さまざまな場所で活用されている生体認証も、認証する機器やシステムによって認証精度が異なります。本人であるにも関わらず、顔のむくみや眼鏡で別人と認識されたり、指の乾燥具合で指紋認証が通らなかったり、コンディションによって認証されないケースも少なくありません。
また、特徴が似ている人物を本人と認証してしまう事故も稀に起きているため、まだまだ発展途上の技術と言えるでしょう。
生体情報が変化する可能性がある
加齢や乾燥、怪我など、本人の身体的特徴に変化があると認証できなくなる可能性があります。例えば、怪我によって元々の生体情報に変化があった場合、早めに認証情報の更新をしなければ認証ができません。
特に指紋認証は皮膚表面の水分量や摩耗などが原因で、うまく認証できないケースが多いです。生体認証が通らなかった場合を想定して、複数の認証方法を用意しておくといいでしょう。
すぐに変更できない
IDやパスワードを忘れたときは簡単に変更ができますが、生体認証はその場ですぐには変更できません。指紋や顔、声紋認証は、生体情報を登録する機材でしか行えないため、情報漏えいしてしまうと、被害が広がるおそれがあります。
生体情報も個人情報の一種ですので、管理する企業は情報の暗号化などセキュリティの強化が求められます。また、個人であってもどの認証方法を使っているか、別の認証方法との連携が外部に漏れてしまうと生体情報が盗まれてしまうリスクがあるため、注意しましょう。
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まとめ
生体認証は、国内でも多くの企業が取り入れている便利な認証方法です。高いセキュリティが期待できますが、決して完璧ではありません。
指紋認証や顔認証などの生体認証を採用しているスマホには、個人情報だけでなく、漏洩しては困る情報が集約されています。基本的に持ち歩いて使用するデバイスのため、普段からセキュリティ面を強化しておく必要があります。
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