
Dropboxのオンラインドキュメントツール「Paper」はGoogleを超えたのか!?
2017/07/01◆直感的なチャット感覚でドキュメントを共有できる「Dropbox Paper」
約1年4カ月という長いベータ版期間を経て、待望の正式版が実装されたDropbox Paper。オンラインストレージサービスの大手:Dropboxが提供するサービスだけに、その使い勝手に注目が集まっている。オンラインドキュメントツールとしての基本要素は、すでに多くのユーザーが利用しているGoogleドキュメントと大差ない。
・ドキュメントを複数ユーザーがオンラインで共有できる
・各ユーザーがドキュメントを簡単に更新&変更でき、履歴も残せる
・画像やデータの挿入などもドラッグ&ドロップで簡単にOK
・外部の一般向けに、ドキュメントをURL化して公開も可能
あえて「Dropbox Paperでなければ」という理由もなさそうだが、その使い勝手を細かくチェックしていくと、後発組らしく「練られているな」という印象も強くなる。
この手のオンラインドキュメントツールでは、画像を数多く使ったビジュアル的なドキュメントを作る機会が多い。
そうした作業が、直感的にできるのはDropbox Paperの強み。簡単操作で全体像のイメージがつかみやすく、サービスを初めて使うよう人やPC系の操作が苦手といった人にも使いやすい。随所に感じられる親切設計は、Googleドキュメントとは異質なものだ。
スマホで撮った写真や、お気に入りの音楽・動画の共有も簡単で、Dropboxで同期~Dropbox Paperに貼り付けるだけ。
こうしたわかりやすく簡単な流れは、小規模な事業形態や、仲間内でのドキュメント共有に打ってつけだろう。遊び感覚も含めた自由度の高さは、仲間内で楽しく共同作業できる、チャット感覚にも近い。
◆Markdown記法が使えるHTMLとの高い親和性は、Dropbox Paper最大の魅力
ExcelやWord、PowerPointなどで制作したドキュメントを共有する、従来型のオンラインドキュメントツールとしては、Googleドキュメントはとても優秀だ。プレゼンにも最適だろう。一方、議事録やプロジェクトの進行状況、その企画書化など、何かの過程をスムーズに作成&共有化するには、Dropbox Paperが使いやすい。
そうした状況で活かされるオンラインストレージサービスとしての利便性、HTMLとの高い親和性は、Dropbox Paperのわかりやすいメリットだ。その多用途さは、ブログの下書きツールにDropbox Paperを利用しているブロガーが多いことからもわかる。
彼らの多くは、HTMLと親和性が高い「Markdown記法」を使っている。Markdown記法は、決められたルールに従って文章を書くと、自動的にHTML化してくれる記法のこと。このMarkdown記法が利用可能なことも、Dropbox Paperが他のオンラインドキュメントツールと一線を画するポイントだ。
たとえば、会議での提案内容を速記のように(Markdown記法で)HTML化し、Dropbox Paperで共有していけば、離れた場所のユーザー間でも簡単にオンライン会議室を構築できる。加筆修正もリアルタイムで進められるので、改めて議事録を作成する手間もかからない。
外部向けではない、社内の特定グループなどで内部共有するデータには、テキストベースのシンプルな資料が多いはず。こうした情報の管理こそ、Dropbox Paperの得意分野ともいえそうだ。普段からMarkdown記法に慣れているなら、なおさらだ。
一口にオンラインドキュメントツールといっても特徴はさまざまなので、利用形態に合ったサービスで、作業の効率化を図ってみよう。ユーザーライクな時代になったものだと、ちょっとうれしくなること請け合いだ。
※記事内容は2017年6月現在の情報を基に作成。