スマホ用Bluetoothワイヤレス・ヘッドフォンの選び方と注意点

2017/08/01

Bluetoothワイヤレス・ヘッドフォンを、価格やデザインだけで選ぶのは間違い! AndroidかiPhoneなのか、音質を左右する「apt-X」「LDAC」「SBC」「AAC」など対応コーデックによって、選び方が変わることを知っておこう。

◆Bluetoothワイヤレス・ヘッドフォンの音質は「対応コーデック」に左右される

ケーブルが絡まって面倒、スマホのヘッドフォン端子にストラップを装着した……などの理由から、ニーズが高まるいっぽうのBluetoothワイヤレス・ヘッドフォン。購入を考えている皆さんは、何を基準に選ばれるだろう。

価格? デザイン?

もちろんそれも重要なファクターだが、やはり気になるのは音質。また、意外に知られていないのだが、利用するスマホがAndroidかiPhoneかで、ヘッドフォンの選び方&音質も変わってくる。

無線のオーディオ機器というと、“音”をそのまま電波に乗せて、飛ばしているように思われるかもしれない。が、それではファイル容量に伝送量が追いつかないため、Bluetoothなどの無線機器では、音源をいったん圧縮している。その圧縮方式が「コーデック」と呼ばれるものだ。

コーデックは音質にも直結するため、どのコーデックに対応したヘッドフォンを選ぶかで、「いい音」なのか「イマイチな音」なのかが変わってくる。

ヘッドフォンのスペックには、対応コーデックが記されているはず。安価なモデルには記載がなかったりもするが、そうした製品は概ね、標準コーデックの「SBC」が採用されていると思っていいだろう。

◆AndroidとiPhoneではBluetooth対応コーデックが異なり、高価な製品も宝の持ち腐れに?

現在、市場に流通するBluetoothワイヤレス・ヘッドフォン&Bluetooth対応スマホには、「SBC」「AAC」「apt-X」「LDAC」という4種類のコーデックが採用されている。

・SBC:標準コーデックなので、どのBluetooth製品でも利用可能。圧縮送信時にタイムラグが発生しやすく、高音域が消えてしまう。サウンドが低品質に感じる。

・AAC:圧縮率はSBC同等だが、タイムラグがないため、高音域の劣化が少ない。iPhoneなどiOSで標準採用される。

・apt-X:イギリスのCSR社が開発した高音質規格。圧縮率が格段に低く、タイムラグも発生しない。Android端末の多くが採用しているので、「迷ったらapt-X」だと思えばOK?

・LDAC:SONYが開発した、最高帯域がAACやapt-Xの3倍にもなる高音質規格。Bluetooth伝送容量の限界にも近いため、現状のBluetooth規格では最高スペック。XperiaなどSONY製品と、一部の他社製品が対応。

製品価格はSBCがもっとも安価で、AAC、apt-X、LDACの順に高くなる。この価格差が、(理論上は)音質の優劣を意味していると考えてもいいだろう。

言い換えれば、AACにしか対応していないiPhoneに高価なapt-XやLDAC対応ヘッドフォンをつないでも、宝の持ち腐れになってしまうわけだ。

お使いのスマホがiPhoneなら、事実上、SBCかAACの二択に。Androidの場合は、端末の対応コーデックを確認しよう。apt-xまでしか対応していない端末にLDAC製品をつないでも意味がないのは、iPhoneの場合と同様だ。

ヘッドフォンの音質は、ハウジングやドライバーユニットといったアナログ的なオーディオ要素にも左右される。apt-X対応ながらLDACに匹敵するほど高音質な製品もあるので、一概にコーデックだけで決めつけない方がいいことも、覚えておこう。

また、形状や装着感、ノイズキャンセリング機能などもモデル選びのファクターになる。廉価版はパッケージ化されていて難しいが、高価なヘッドフォンを購入する際は、できれば実際に装着し、聞き比べてから選びたい。

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