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IPv6とv6プラスの違いとは?高速通信ができる理由も具体的に解説

2020/07/10

ここ数年、インターネットの高速通信について調べると「IPv6」「v6プラス」という言葉をよく目にするようになりました。しかし、この2つのよく似た言葉について「実際のところ、同じものなのか違うものなのかもわからない……」という方も多いようです。

そこで、今回は「IPv6」「v6プラス」の違いや仕組みについて、具体的にわかりやすく解説していきます。また、「IPv6」「v6プラス」が「速度が改善する」「高速通信が可能」と言われる理由も説明していますので、ぜひ参考にしてください。

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IPv6とv6プラスの決定的な違いとは

IPv6とv6プラス。この2つの違いを考える上でまず押さえておきたいのが、「v6プラス」が厳密にはインターネット用語(IT用語)ではなく、サービス名だということです。

・IPv6:インターネットプロトコルの第6バージョン
・v6プラス:IPv4 over IPv6接続サービス(※)の名称

※IPv6とIPv4を共存させる技術(トンネリング)


これを踏まえて、2つの違いをまとめると以下の通りとなります。

・IPv6:IPv4にのみ対応したサイトやサービスに接続できない
・v6プラス:IPv4にのみ対応したサイトやサービスにも接続できる

IPv6とv6プラスの決定的な違いは「IPv4への通信、アクセスができるかどうか」だと覚えておきましょう。

IPv6とIPv4との違いとは

IPv6とv6プラスの大きな違いは「IPv4への通信ができるかどうか」ですが、そもそも「IPv4、IPv6意味や違いがわからない」という方も多いと思います。そこで、ここでは「IPv6」「IPv4」の言葉の意味を解説しながら、2つの違いをご説明します。

「IPv4」「IPv6」の言葉の意味

「IPv4」「IPv6」は、インターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)のバージョンを指す言葉です。インターネットプロトコルとは「インターネット」「プロトコル」からなる言葉で、「通信する時の約束ごと」という意味です。

インターネットは世界中を通信で結ぶことができるため、言語を超えた世界共通の「約束ごと」が必要となります。これが「インターネットプロトコル(IP)」というわけです。この約束ごと(IP)にはバージョンがあり「IPv4」「IPv6」は、それぞれ「第4バージョン」「第6バージョン」を意味します。

・IPv4:1980年代初頭に登場。現在標準とされるプロトコル
・IPv6:1999年頃に登場。次世代プロトコル

この2つには互換性がなく、インターネットの世界は現在、ゆるやかにIPv4からIPv6への移行が進んでいる状態にあります。

IPv4とIPv6の違い

IPv4とIPv6の大きな違いは「IPアドレスの数」と、対応する「通信方式」にあります。以下の表は、IPv4とIPv6の違いをわかりやすくまとめたものです。

 

 

IPv4

IPv6

IPアドレスの数の違い

約43億個

約340澗個

通信方式

PPPoE方式

PPPoE方式

IPoE方式

回線の混雑具合

混雑しやすい

混雑しにくい

 

この表を踏まえ、IPアドレスの数と対応する通信方式の違いを詳しくみてみましょう。

 

IPアドレスの数の違い

IPアドレスは、ネットワーク上にある機器に割り振られる番号で「ネット上の住所」とも呼ばれるものです。手紙や荷物を送る時には、相手の住所を書きますが、これと同じように、ネットワーク上の機器同士で通信を行う場合は、宛先となるIPアドレス(住所)が必要となります。

このIPアドレスの数が、IPv4とIPv6の大きな違いです。

IPv4:約48億個

IPv6:約340澗個

 

IPv4の約48億個というIPアドレスの数は、一見するとかなり膨大な数のように感じます。しかし、インターネットが世界中に普及するにつれて、IPv4の持つ約48億のIPアドレスが不足しはじめ、世界人口が70億を超えた2011年にはアジア太平洋地域のIPv4のIPアドレスは事実上枯渇する状態となりました。

つまり、世界のインターネット人口に対して、IPv4のIPアドレスの数は十分ではなかったというわけです。IPアドレスが枯渇すると、ネットワーク上に新たな機器を追加することができなくなるため、新規ユーザーがネット接続できない、新しいサーバーの設置ができないなどの問題が生じます。

 

このIP枯渇問題を解決するために登場したのが「IPv6」です。IPv6では、約340澗個(340兆の1兆倍の1兆倍)といった、無限と表現されるほどのIPアドレスを使用できるため、これによりIPv4のIPアドレスの枯渇問題は解消されることとなりました。

 

対応する通信方式の違い

インターネットの通信方式には「PPPoE」「IPoE」の2つがありますが、IPv4とIPv6ではそれぞれ対応できる通信方式が異なります。

【PPPoE】
ADSLと光回線の切り替わりの時期に登場した、従来の通信方式
混雑しやすく通信速度が低下しやすいという欠点がある

 

【IPoE】
PPPoEとは異なる通信網を経由して接続できる、次世代通信方式
PPPoEの欠点である混雑を回避した高速通信が可能

 

IPv4とIPv6は、次の表の通りそれぞれ対応する通信方法が異なり、結論から言えば「IPv6はIPv4よりも速い高速通信が可能」ということになります。

 

 

IPv4

IPv6

通信方式

PPPoE方式のみ

PPPoE方式

IPoE方式

 

これを見ると「IPv6 IPoE接続ができれば問題もない」ように感じますが、実はIPv6にも致命的な欠点が存在します。次の項目で、IPv6の具体的な注意点を確認していきます。

IPv6の注意点

IPv6はIPv4より新しい次世代プロトコルです。そのため、IPv4のさまざまな欠点を克服していますが、残念ながら次のような、IPv6特有の問題も存在します。

 

・IPv6=IPv6 IPoE接続とは限らない
・IPv6に対応したルーターが必要
・IPv6ではIPv4対応のサイトやサービスに接続できない

 

IPv6=IPv6 IPoE接続とは限らない

IPv6は、従来の通信規格であるPPPoEよりも高速の通信ができるIPoE方式による接続が可能です。このことから「現在IPv4だから、速度向上のためにIPv6への変更を考えている」という声も多く聞かれます。

しかし、ここで気をつけたいのが「IPv4からIPv6に変更しただけでは通信速度の大幅改善にはつながらない」という点です。「対応する通信方式の違い」で解説した通り、IPv6は「PPPoE」「IPoE」の2つに対応しています。

そのため、速度向上を考える場合は、IPv6にくわえて、通信方式として「IPoE」が使えるかどうも確認する必要があります。

・IPv6(PPPoE):PPPoE通信方式のため回線が混雑しやすく低速となる可能性が高い
・IPv6(IPoE):IPoE通信方式のため回線が混雑しにくく高速通信が可能

 

プロバイダーの中には、IPv6を謳っていても、通信方式はPPPoEというところが存在します。快適な高速通信を実現したいと考える場合は、@nifty光のような、IPv6かつIPoE接続が可能なプロバイダーを選ぶことが重要となります。

IPv6に対応したルーターが必要

IPv6(IPoE)による高速通信を行うためには、IPv6(IPoE)対応のルーターが必要となります。IPv4(PPPoE)のみに対応したルーターは流用できないので注意しましょう。

IPv6ではIPv4対応のサイトやサービスに接続できない

前述の通り、IPv4とIPv6には互換性がないため、IPv6 IPoE接続では、IPv4にのみ対応したサイトやサービスを利用することができません。現在、インターネットの世界は「標準プロトコルであるIPv4」から「次世代プロトコルのIPv6」にゆるやかに移行している状態のため、まだまだIPv4対応のサイトやサービスが数多く存在します。

そのため、高速通信が可能な「IPv6 IPoE接続」では接続できないサイトやサービスは、想像以上に多いというのが実状です。この「IPv6 IPoE接続」の致命的な欠点を克服するために開発されたのが「IPv4 over IPv6」技術であり、「IPv4 over IPv6接続サービス」や「v6プラス」です。

「IPv4 over IPv6接続サービス」や「v6プラス」を経由すればIPv6の通信でIPv4のインターネット通信ができる

IPv6と似た言葉のため間違えられやすい「v6プラス」ですが、正しくはIPv6 IPoE接続のデメリットを解消するために開発された「IPv4 over IPv6」という接続方式のサービス名です。IPv4 over IPv6は簡単にいうと「IPv4とIPv6を共存させる技術」で、対応した機器を使用することで、IPv4ネットワークを経由したIPv6通信を可能とします。

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つまり、このIPv4 over IPv6を活用することで、IPoE接続による高速通信を維持しながら、IPv6のみならずIPv4対応のサイトやサービスが利用できるというわけです。

IPv4 over IPv6接続サービスは、プロバイダーによって「v6プラス」「IPv4 over IPv6機能」など名称が異なりますが、ニフティではIPv4 over IPv6接続サービスとして「@nifty v6サービス」を提供しています。

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IPv4 over IPv6に対応しているプロバイダー

IPv4 over IPv6に対応しているプロバイダーは、この数年で増加傾向にありますが、まだ未対応のプロバイダーも少なからず存在するため注意が必要です。また、IPv4 over IPv6接続するためには対応ルーターが必要となる点にも注意が必要です。

IPv4 over IPv6接続を検討する場合は、お手持ちのルーターがIPv4 over IPv6に対応しているかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。

@nifty光では、IPv6が使える対応ルーターを最大25ヶ月間無料でレンタル可能です。お得なキャンペーンも実施中ですので、これを機会にぜひチェックしてみてください。

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