通信速度に影響するWi-Fiルーター規格の確認方法|チェックすべき項目とは?

2021/07/21

今やWi-Fi接続でインターネットを利用する方法が主流となり、家にWi-Fiルーター(無線LANルーター)を設置している人は多いかと思います。

そんな中、インターネット利用しているときに『通信速度が遅い』『つながりにくい』といった状態を経験した人もいるのではないでしょうか?

通信速度や接続の安定感は、Wi-Fiルーターの規格でも変わるため、通信速度の低下やつながりにくい状態は、Wi-Fiルーターが原因の可能性もあります。

本記事ではインターネットの通信速度を左右するWi-Fiルーターの規格について、詳しく解説していきます。

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Wi-Fiルーターの規格とは

Wi-Fiルーターの規格は、ルーターの性能をあらわす重要な基準です。

スマホやタブレット、パソコンといったインターネットへ接続する端末はスペックや買い替えを意識しますが、どうしてもルーターは軽視されがちです。『ルーターを変えなくても問題なくインターネットが使えるから』というのが、軽視されやすい大きな理由ではないでしょうか。

しかし、古いルーターを使ったままだと損をしている可能性があります。

利用するWi-Fiルーターがどの規格に対応しているかで、以下の2点に大きく影響してきます。

1.最大通信速度
2.対応周波数帯

インターネットを使ううえで、Wi-Fiルーターの規格が重要な役割を担っているわけです。

Wi-Fiルーターの規格がどれに該当するかは、以下の箇所で確認できます。

・製品パッケージ
・本体の側面や裏面

記載されている『IEEE802.11』の文字列を確認し、『11』以降に書かれたアルファベットによって、どの規格なのか判別が可能です。

Wi-Fiルーターの規格一覧

2021年6月時点、Wi-Fiルーターの規格は以下6つ存在します。

規格

策定時期

 IEEE802.11ax

 2021年2月

 IEEE802.11ac

 2013年12月

 IEEE802.11n

 2009年9月

 IEEE802.11g

 2003年6月

 IEEE802.11a

 1999年10月

 IEEE802.11b

 1999年10月

 

Wi-Fiルーターの規格はIEEE(米国電気電子学会)が策定したものが広く普及されていて、これが主流となっています。

策定時期が新しいものほどWi-Fiルーターの性能は高く、古いものほどスペックは低いということになります。

最近の規格は、一目で規格を判別できるよう『Wi-Fi+数字』という表記も用いられていて、11n以降は以下の表記で記載されることが多くなりました。

・IEEE802.11ax→Wi-Fi6
・IEEE802.11ac→Wi-Fi5
・IEEE802.11n→Wi-Fi4

なお、11nより以前の規格にはWi-Fiの名称がありません。

 

Wi-Fiルーターの規格ごとの最大通信速度

Wi-Fiルーターの規格は通信速度に影響する重要なポイントです。

@nifty光などをはじめとする光回線の通信速度は最大1Gbpsであるのが主流で、光回線のスペックを引き出すには、最新の規格に対応したWi-Fiルーターを使うことをおすすめします。

各規格の最大通信速度は以下の通りです。

規格

最大通信速度

IEEE802.11ax(Wi-Fi6)

 9.6Gbps

IEEE802.11ac(Wi-Fi5)

 6.9Gbps

IEEE802.11n(Wi-Fi4)

 600Mbps

IEEE802.11g

 54Mbps

IEEE802.11a

 54Mbps

IEEE802.11b

 11Mbps

 

例えば11a規格のWi-Fiルーターの場合、最大通信速度が「54Mbps」のため、最大1Gbpsの光回線の通信速度が出ませんが、11ac以上の規格の場合、最大通信速度が6.9Gbpsのため、光回線のスペックを最大限発揮できるということになります。

2021年からは本格的にIEEE802.11ax(Wi-Fi6)が登場し、さらに11acより優れた高速通信を可能にしています。

光回線の通信性能を引き出すためには、Wi-Fiルーター規格は11ac以上であるのが理想的です。

 

Wi-Fiルーター規格ごとの対応周波数帯

Wi-Fiルーターの規格で変化するのは通信速度だけではありません。Wi-Fiルーターの規格によって「電波の周波数帯」も変わります。

Wi-Fiには以下2種類の周波数帯があります。

周波数帯

メリット

デメリット

2.4GHz

・壁などの障害物があっても接続状態が安定する

・5GHzと比べると最大通信速度が遅い
・家電が発する電磁波との干渉が起きやすい

5GHz

・最大通信速度が2.4GHzより速い
・家電が発する電磁波との干渉が起こらない

・壁などの障害物に弱い

 

規格ごとで対応している周波数帯は以下の通りです。

規格

対応周波数帯

IEEE802.11ax(Wi-Fi6)

 2.4GHz/5GHz

IEEE802.11ac(Wi-Fi5)

 5GHz

IEEE802.11n(Wi-Fi4)

 2.4GHz/5GHz

IEEE802.11g

 2.4GHz

IEEE802.11a

 5GHz

IEEE802.11b

 2.4GHz

 

2.4GHzは古い規格が対応している周波数帯で、電子レンジやテレビといった家電が発する電磁波と干渉する点がデメリットです。Wi-Fiが家電の電磁波と干渉すると、通信状態が悪化して通信速度が遅ってしまいます。

また2.4GHzはBluetoothで用いられていて、無線マウスやキーボードを使う環境で通信状態が遅くなるリスクも避けられません。

新しい規格のWi-Fiルーターが対応している5GHzは家電の電磁波と干渉しにくく、通信速度の低下や接続状態の悪化といったデメリットを回避できます。

接続状態の安定化させるためにも、Wi-Fiルーターは5GHz対応の新しい規格のものをおすすめします。

Wi-Fiの周波数2.4GHzと5GHzとの違い

 

セキュリティ規格も要チェック

インターネットを安全に使うためには、Wi-Fiルーターのセキュリティ規格も重要です。

セキュリティ規格には以下4つの種類があります。
・WPA3
・WPA2
・WPA
・WEP

もっとも新しいセキュリティ規格はWPA3で、WPAおよびWPA2で発見された脆弱性を改善しています。

セキュリティ規格がWPAやWEPでもインターネットは利用できますが、暗号化を簡単に解読され通信情報を盗まれる恐れがあるため、セキュリティ面は万全ではありません。

ただ、最新規格となるWPA3においてもDragonbloodと呼ばれる脆弱性が発見されているため、脆弱性を解消するためのアップデートに対応しておく必要があります。

利用シーンに適した規格の選び方

Wi-Fiルーターを選ぶ際は、以下4つのポイントをチェックしておくことをおすすめします。

1.利用する回線の性能
2.家の広さ
3.家電の近くでネットを使う頻度
4.同時接続台数

上記のポイントを押さえておけば、自分にあったWi-Fiルーターが見つかります。

 

利用する回線の性能

もっとも重要なポイントは、「回線の性能を引き出せるか」という点です。

光回線などの固定回線を利用するのであれば、規格が11ac以上のWi-Fiルーターが必要と言えるでしょう。

例外を挙げると最大通信速度が100Mbpsとなる一部のマンションタイプを利用している状況では、最新の規格である必要はないということになります。しかし、通信速度以外のポイントで最新規格が必要となる場合があるので注意が必要です。

 

家の広さ

自宅の広さも、Wi-Fiルーターを選ぶうえでチェックしておきたいポイントです。

規格が古いWi-Fiルーターは電波を飛ばせる範囲が狭く、2階建てや3階建てに適していません。規格が新しいWi-Fiルーターは広範囲に電波を飛ばせる製品が多く、3階建ての戸建てや4LDKのマンションでも活躍します。

2階建ての戸建てや3LDKのマンション以上のスペースがあるのであれば、規格が11ac以上のWi-Fiルーターを選ぶといいでしょう。

 

家電の近くでネットを使う頻度

生活家電やワイヤレスマウスやキーボードなどの無線機器の近くでネットを使うかは、Wi-Fiルーターを選ぶときに確認しておきたいところです。

古い規格のWi-Fiルーターは家電やBluetoothと干渉しやすい2.4GHzのWi-Fiしか利用できません。そのため、近くにある家電や無線機器の電磁波と干渉して通信状態が不安定になるリスクがあります。

新しい規格のWi-Fiルーターは、家電や無線機器の電磁波と干渉しない5GHzのWi-Fiを利用できるため、家電や無線機器の近くでネットを使う頻度が高いのであれば規格が新しいWi-Fiルーターがおすすめです。

Wi-Fiの電波干渉とは?影響がある家電と対策を解説

 

同時接続台数

Wi-Fiに接続できるスマホやパソコンの台数は、ルーターの機種ごとに違います。規格が古いWi-Fiルーターは同時接続できるデバイスの台数が少なく、利便性が高いとは言えません。

規格が新しいWi-Fiルーターは同時接続できるデバイスの台数が多く、家族で同時にネットを使うときでも活躍します。

同時接続台数は製品パッケージやメーカーの公式サイトに記載されているので、Wi-Fiルーターを選ぶときはチェックしてみましょう。

MU-MIMOとは?読み方やメリット、デメリットを解説

 

光回線もサービスによって品質が違う

これまでWi-Fiルーターの規格について解説しましたが、光回線にもサービスごとに性能差があるので注意が必要です。

基本的な光回線サービスの最大通信速度は1Gbpsですが、実効速度はプロバイダーによって変わってきます。中には夜になると実効速度が遅くなるサービスもあるので、Wi-Fiルーターの規格と一緒に品質の高いプロバイダーを選ぶことをおすすめします。

おすすめのプロバイダーは『@nifty光』です。@nifty光では回線混雑の影響が少ないIPv6接続が利用でき、安定感のある通信ができます。

また最大25カ月無料で規格が11acのWi-Fiルーターがレンタルできるので、利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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※2021年7月時点の情報です。
※本文中に記載されている回線速度は理論値です。必ずしもこの速度が保証されているものではなく、お客様の通信環境や接続の時間帯などによっては、思うように速度が出ない場合や接続が不安定な場合があります。

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