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季節別に想定される日本の自然災害|事前の備えの重要性とは

2021/05/26

最近の異常気象や頻発する地震など、自然災害はいつ起こるか分かりませんが、季節によって起こりやすい災害はある程度想定されています。被害を最小限に抑えるためにも、予測される災害を把握して事前にできる備えをしておきましょう。

季節別自然災害

地球の温暖化により、洪水が起きるほどのゲリラ豪雨や、熱中症を引き起こす夏の猛暑など、近年異常気象が目立ちます。

また、地震調査委員会から発表された、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した予測地図によると、「震度6弱以上の揺れに襲われる確率が0%の地域は1つもない」とされています。

つまり、現在日本を取りまく災害の危険性は高まる傾向にあると言っていいでしょう。

そこで、予測不能な自然災害に対し、常に気を張っている訳にもいきませんが、四季がはっきりしている日本では、気象条件から季節別に発生しやすい自然災害がある程度想定されているため、あらかじめ把握し、事前に対策しておくことで被害を最小限におさめる準備が求められます。

それでは、季節別に発生しやすい自然災害について、詳しく見ていきましょう。

春に起こりやすい自然災害

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春に起こりやすい自然災害は、主に以下の5つが想定されます。

1.春一番(2月~3月頃)
2.春の嵐/メイストーム(3月~5月頃)
3.融雪洪水(3月~5月頃)
4.雪崩(1月~3月頃)
5.黄砂(3月~4月頃)

春一番

春一番とは、2月~3月頃、北海道・東北地方の北日本と沖縄を除く地域でその年に初めて吹く、暖かく強い南風(8m/s以上)のことを指します。

日本海を進む低気圧に向かって吹き込み、季節外れの暖かな陽気となりますが、低気圧が発達しながら日本海を北上すると海難事故が発生しやすくなるため、漁業関係者の間では、春一番は昔から警戒されていました。

また、雪崩や融雪洪水などの気象災害を引き起こしたり、空や鉄道の運行にも影響を及ぼしたり、強い寒の戻りによる急激な温度変化をもたらすなど、警戒が必要な風でもあります。

春の嵐・メイストーム

メイストームとは「春の嵐」とも呼ばれ、3月~5月にかけて、北からの冷たい空気と南からの暖かい空気がぶつかり、日本列島付近に温帯低気圧が急速に発達する台風並みの暴風や猛吹雪を指します。

温帯低気圧は台風と違い1~2日で急激に発達する上に、低気圧の中心から離れたところでも風が強く吹くため、被害の範囲が広くなりやすいという特徴があります。

融雪洪水

融雪洪水とは、3月~5月頃の雪解け時期、積もった雪が気温上昇により大量に融けて河川に流れ込み、河川を増水させて発生する洪水のことを指します。

雪解け時期は、毎年ほぼ同じであるうえに、発生しやすい河川や過去の被害状況も分かっているため、他の自然災害と比べて備えやすい災害と言えます。

雪崩

雪崩とは、急斜面上などに降り積もった雪や氷が重力の影響を受けて崩れ落ちる現象を指します。国土の半分以上が豪雪地帯に指定されている日本とって、毎年のように発生する雪崩は、非常に危険な災害です。

古い積雪面の上に降り積もった新雪だけが滑り落ちる「表層雪崩」は、すべり面が積雪内部にあり、気温が低く、降雪が続く1、2 月頃の厳寒期に多く発生します

斜面に降り積もった古い積雪と新雪が地表面を滑り落ちる「全層雪崩」は、すべり面が地表面にあり、春先の融雪期など気温が上昇した時に多く発生します

表層雪崩は時速100~200km、全層雪崩は時速40~80kmといずれも崩れ落ちるスピードが非常に速く、破壊力も大きいため被害範囲も広くなります。

黄砂

黄砂は中国大陸内陸部の砂漠や乾燥地帯など、乾燥・半乾燥地域で、強風により吹き上げられた多量の砂じん(砂やちり)が、偏西風によって運ばれ、日本まで運ばれてくる現象を指します。日本では3月~4月にかけて観測される日が多く、

風によって大気中に舞い上げられた黄砂により、車や洗濯物が汚れたり、視界が悪くなるだけでなく、目、鼻、喉、肌などに不調を感じる人も多く、私たちの生活に影響を及ぼす問題となっています。


夏に起こりやすい自然災害

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夏に起こりやすい自然災害は、主に以下の3つが想定されます。

1.ゲリラ豪雨(5月~9月頃)
2.猛暑(7月~8月頃)
3.土砂災害(3月~10月頃)

ゲリラ豪雨

ゲリラ豪雨とは、ゲリラ雨、ゲリラ雷雨とも呼ばれ、大気の不安定な状態により5月~9月頃突発的に起こる局地的な大雨のことを指します。

地上付近と上空の温度差がより大きく、大気の状態が不安定な場合に発生する積乱雲が大雨をもたらしますが、この積乱雲は数分で急速に発達し、短時間で降りやみます。

ゲリラ豪雨という言葉は、マスコミなどで使用される言葉であり、正式な気象用語がありません。気象庁では「局地的大雨」という言葉を使用し、降水域が局所的であり、二次災害を想定しにくいゲリラ豪雨に対し注意を呼びかけています。

猛暑

猛暑とは7月~8月頃、平常の気温と比べて著しく暑く、最高気温が35℃以上の日を猛暑日と言います。

近年、日本では夏になると猛烈な暑さに襲われる日が発生するようになり、猛暑日という言葉は、2007年の予報用語の改正において、熱中症と共に予報用語として追加されました。

猛暑日の増加により年々熱中症で救急搬送される件数が増え、命の危険にさらされるケースも増えているだけでなく、農業、畜産、漁業など生活にも影響を与えるため、猛暑の原因として考えられている「地球温暖化」と「ヒートアイランド現象」の世界的に問題解決が急がれます。

土砂災害

土砂災害とは、3月~5月の融雪、6月~7月の梅雨時期、8月~10月の台風時期の大雨や地震、火山の噴火などによって山やがけが崩れたり、くずれた土砂が雨水や川の水と混じって流れ出たり、建物を押しつぶしたりする災害を指します。

主な土砂災害には、山腹や川底の石や土砂が集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される「土石流」と、山の斜面や自然の急傾斜の崖、人工的な造成による斜面が雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然崩れ落ちる「がけ崩れ」、斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する「地すべり」があります。


秋に起こりやすい自然災害

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秋に起こりやすい自然災害は、主に以下の3つが想定されます。

1.台風(7月~10月頃)
2.長雨(秋雨前線)(9月~10月頃)
3.竜巻等の突風(9月頃)

台風

台風とは、7月~10月頃にかけて熱帯の海上で発生した熱帯低気圧のうち、北西太平洋または南シナ海上に存在して、中心付近の最大風速が17m/秒以上になったものを台風と呼びます。

台風を中心に暴風域や強風域を伴っており、暴風・強風や局地的豪雨による深刻な風水害が発生します。また、台風周辺ではしばしば竜巻等の突風災害が発生します。

台風は上空の風に流されて動き、北へ向かう性質を持っています。秋の偏西風の影響で9月~10月頃に日本へ接近・上陸する台風は、7月~8月頃の台風と比べて速い速度で北東へ進み、突風が発生しやすくなっています。

長雨(秋雨前線)

長雨のことを秋雨前線とも言い、秋雨前線は、9月頃~10月頃にかけて日本列島付近に現れる停滞前線を指します。

「秋の長雨」と言われるように、太平洋側の高気圧の勢いが弱まる一方で、大陸側の高気圧が勢いを増すことにより、2つの高気圧の境目に前線が発生して停滞し、秋の長雨を降らせます。

秋雨前線や台風の影響によって大雨が続いたり、気温が高い日には、ゲリラ豪雨(局地的な大雨)が降ることもあり、大きな災害が発生するリスクが高くなるため、注意が必要です。

竜巻等の突風

竜巻とは、自然現象の一つ「突風」に分類され、積乱雲に伴う上昇気流によって9月頃発生する激しい空気の渦巻きのことを指します。

災害をもたらす自然現象の中では規模が小さいですが、毎年、全国各地で発生していて、規模や発生した地域によっては、鉄筋コンクリートの建物を倒壊させるなど大きな被害が発生します。


冬に起こりやすい自然災害

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冬秋に起こりやすい自然災害は、主に以下の2つが想定されます。

1.豪雪(2月~3月頃)
2.乾燥(11月~3月頃)

豪雪

豪雪とは、2月~3月頃、比較的短時間に多量に降る雪を指し、一晩に1m以上の降雪が豪雪の目安とされています。

西高東低の気圧配置が強まり上空の強い寒気等によって積乱雲が発達すると、日本海側では雪雲が発生し2,000m級の山々に沿って上昇する際に大雪を降らせます。

積雪や凍結によって引き起こされる雪害の代表的ものとしては、雪崩、除雪中の転落事故などのほか、路面凍結などによる交通災害や歩行中の転倒事故といった災害が考えられます。

乾燥

温度が高いほど空気中の水分量は多くなり、温度が低いほど、空気中の水分量少なくなるため、気温の低い冬の間は、非常に空気は乾燥します。

空気が乾燥する冬場に発生する災害に「火災の発生」があります。異常乾燥や落雷によって山火事が発生すると、生態系や人命、産業に大きな被害を与えてしまいます。

事前にできる備えとは

このように、四季がはっきりしている日本では、季節による気象条件によって発生しやすい災害が想定されていますが、近年の異常気象では、季節を問わず想定外の災害が発生するケースも増えてきています。

いずれの場合も、事前の備えがあるのとないのでは、受ける被害の大きさや災害が起こった場合の動き方が大きく変わってきます。

災害時の情報収集の方法やハザードマップの確認、台風の影響を受けやすいテレビアンテナの対応など、想定される災害に対する事前の備えについては以下の記事で詳しく解説していますので、一度目を通しておくことをおすすめします。

災害時に情報収集をする方法|事前の備えとできることも解説

 

大雨や暴風などの災害時にはプロバイダー料金をサポートしてくれる事業者もあります。ご利用のプロバイダーサポートページを普段からブックマークなどしておき、いつでも確認しておけるようにしておきましょう。

@niftyでは今後も安心・安全を心掛けサービス提供をして参ります。

※2021年5月時点の情報です。

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