ついに実用化されるWi-Fi7(IEEE 802.11be)とは?速度やできることを解説
2023/12/27
超高速通信や低遅延、同時接続数の増加など、これまでのWi-Fiより大きく進化しています。
今回はWi-Fi7の特長や最大通信速度、旧規格との違いについてわかりやすく解説していきます。
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Wi-Fi7は超高速通信が可能な規格
海外ですでに話題を集めているWi-Fi7は、Wi-Fiの新規格です。
ここではWi-Fi7の特長について、わかりやすく解説していきます。
Wi-Fi7の特長
Wi-Fi7の正式名称は「IEEE 802.11be Extremely High Throughput (EHT)」で、現在日本で主流となっているWi-Fi6の後継Wi-Fi規格です。
2.4GHz・5GHz・6GHzとWi-Fi6Eでも採用されているトライバンドが利用可能になっています。3つの周波数帯が利用できるため、利用者が多い場所でも通信速度の低下を感じにくくなっているのもWi-Fi7の特長でしょう。
Wi-Fi7はWi-Fi6よりも大容量通信が可能で、最大5倍のネットワーク容量が利用できるのも特長のひとつです。これまでは1つのデバイスに対し1つのWi-Fi帯域しか利用できず、速度が制限されることがありました。
Wi-Fi7はマルチリンクオペレーション技術の採用で、複数のWi-Fi帯域とデバイスを接続が可能となり、ロスの少ない通信を実現できます。
また、Wi-Fi7では1ユーザーに複数のRU(Resource Unit)を割り当てたことで、効率よく安定した通信ができるMulti-RU技術も採用されています。ストリーム数も8本から16本に増やせるため、従来よりも多くのデバイスを安定してインターネットに接続できるでしょう。
Wi-Fi7の速度はWi-Fi6の4.8倍
Wi-Fi7の最大の特長は超高速通信で、最大46Gbpsまで高速化できます。現在主流のWi-Fi6との速度差は4.8倍にもなり、さまざまなコンテンツ拡大が実現できるでしょう。
すでに16K動画のストリーミングや産業用IoTの発展、高精細なAR/VRへの活用が期待されています。
Wi-Fi7でできること
ここからはWi-Fi7でできること、導入することのメリットについてご紹介します。
Wi-Fi6との違い
現在リリースされている をまとめてみました。
|
Wi-Fi7 |
Wi-Fi6E |
Wi-Fi6 |
リリース |
2024年(予定) |
2022年 |
2019年 |
IEEE規格 |
802.11be |
802.11ax |
|
最大通信速度 |
46Gbps |
9.6Gbps |
|
周波数帯 |
2.4GHz/ 5GHz/ 6GHz |
2.4GHz/ 5GHz/ 6GHz |
2.4GHz/ 5GHz |
チャンネル幅 |
最大320MHz |
20, 40, 80, 80+80, 160 MHz |
|
変調方式 |
4096-QAM OFDMA |
1024-QAM OFDMA |
|
MIMO |
16×16 UL/ DL MU-MIMO |
8×8 UL/ DL MU-MIMO |
Wi-Fi6、Wi-Fi6Eとの大きな違いは、最大通信速度の速さです。
Wi-Fi7は最大46Gbpsの超高速通信が可能なため、Wi-Fi6、Wi-Fi6Eよりも4.8倍速くなります。チャンネル幅も最大320MHzまで拡張されるので、同じトライバンドであるWi-Fi6Eよりも多く同時送信が可能になるでしょう。
また、4096-QAMの変調技術を採用することで、Wi-Fi6、Wi-Fi6Eよりも伝送速度が20%もアップ。
高画質でラグのないオンラインゲームや4K/8K動画、ライブビューイングが楽しめるようになるかもしれません。産業用IoTや医療ロボットによる遠隔診断、手術などにも役立つと期待されています。
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Wi-Fi7を導入するメリット
旧Wi-Fi規格よりも超高速通信が可能になるWi-Fi7ですが、ここで導入するメリットをまとめてみます。
・圧倒的に速い通信速度
・下位互換性があるため、古いデバイスとの連携が可能
・マルチリンクオペレーションに対応
・通信の遅延時間が100倍近く改善
Wi-Fi7の最大のメリットはなんといっても、圧倒的に速い通信速度です。
従来のWi-Fi規格よりも圧倒的に速く、チャンネル幅拡張により回線混雑の影響も感じにくいでしょう。
また、下位互換性があるため、Wi-Fi6で使用していたスマホやパソコン、テレビなどのデバイスをそのまま使用可能です。すべてのデバイスが使用できるかは不明ですが、一気に家電を買い換える必要はいまのところありません。
さらにマルチリンクオペレーション技術の採用により、複数の周波数・チャンネルを使用した通信が可能です。送受信できるデータ量が向上するため、通信速度低下や遅延など通信混雑による影響を受けにくくなります。
レイテンシー(遅延時間)もWi-Fi6と比較して100倍近くも改善されるため、AR/VRも遅延の感じにくいパフォーマンスが実現できるでしょう。
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