
Wi-Fiルーターでネット速度が変わる|スマホも固定回線のWi-Fi接続で速くなる
2020/08/07 IT小ネタ帳編集部Wi-Fiルーターにも規格があり、実際に規格ごとに利用できる最大通信速度が違うのはご存知でしょうか。少しでも快適に使いたいとインターネット回線の速度を気にする人は多いですが、意外にルーターのスペックは見落してしまいがちです。
そこで今回は、快適なネット環境に欠かせないWi-Fiルーターが本当に規格によって速度が変わるのかを検証してみました。
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Wi-Fiルーターについて

検証する前にWi-Fiルーターについて確認しておきましょう。
Wi-Fiルーターを設置するにあたって重要なことが2つあります。
・利用目的に合わせたルーター選び
それぞれ確認していきましょう。
Wi-Fiルーターにも規格がある
冒頭でもお伝えしているようにWi-Fiルーターには規格があります。
・11g
・11a
・11n
・11ac
・11ax
規格によって出せる最大通信速度は異なり、光回線を利用しているのであれば11acのスペックは用意しておきたいところです。
Wi-Fiルーターの規格については光回線を高速化するには以下の記事で詳しく解説しているので合わせてチェックしてみてください。
通信速度に影響するWi-Fiルーター規格の確認方法|チェックすべき項目とは?
Wi-Fiルーターの選び方
続いてはWi-Fiルーターの選び方を見てみましょう。
選び方にも基準があり、主に以下の6つの観点でWi-Fiルーターを選ぶようにしましょう。
・間取り
・通信規格
・利用目的・環境
・IPv6
・その他の便利機能
それぞれのご家庭ごとで利用目的や利用環境が異なるため、一概にどのWi-Fiルーターが良いとは言えません。
Wi-Fiルーターの詳しい選び方についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ルーターとは|役割と初心者向けの選び方を解説
利用目的から選ぶおすすめのWi-Fiルーター
では、ここから実際の利用シーンに合わせたおすすめの機種の具体例を挙げていきます。
(A)【ミドルモデル】スマホ、PC、スマートスピーカーなどに最適なIPv6対応の高速ルーター:エレコム「WRC-1167GST2」

ミドル機種にあたる「WRC-1167GST2」は、回線が混雑しにくい「IPv6 IPoE」に対応しており、5GHz帯・2.4GHz帯で独立した内蔵アンテナ搭載。快適な通信を実現してくれます。
5GHz帯では867Mbps(規格値)、2.4GHz帯で300Mbps(規格値)の通信が可能です。
利用環境:戸建て3階建/マンション4LDK/利用人数4人まで/接続台数16台
規 格:11b、11g、11a、11n、11ac準拠
注目機能:IPv6対応/デュアルコアCPU
(B)【ハイエンドモデル】複数のIoT家電やデバイスと同時に通信できる高速ギガルーター:エレコム「WRC-X3000GS」

「WRC-X3000GS」は、次世代規格「IEEE802.11ax(Draft)」に準拠しており、11ax接続時の速度は5GHz帯で最大2,402Mbps(規格値)、2.4GHz帯で最大574Mbps(規格値)というハイスペックさ!
一般的には接続台数が増えると速度に影響が出ると言われていますが、このモデルは、6人全員が複数の機器を同時に接続して使っても、快適な通信ができてしまうというのだから驚きです。
さらに複数のIoT家電やデバイスと同時通信が可能なほか、Wi-Fi経由でも4Kテレビの映像が快適に視聴できる点も大きな特長です。
ほかにもノイズに強いハイパワーアンテナを5GHz帯と2.4GHz帯それぞれ独立して内蔵し、見た目をすっきりさせながらも通信環境の安定&快適を実現。
より快適な帯域を自動で切り替える「バンドステアリング機能」や、離れた場所でも接続できる「ビームフォーミング」といった各種機能も充実しています。
利用環境:戸建て3階建/マンション4LDK/利用人数6人まで/接続台数36台
規 格:11b、11g、11a、11n、11ac、11ax準拠
注目機能:IPv6対応/デュアルコアCPU
⇒エレコム「WRC-X3000GS」商品詳細ページはこちら:ノジマオンライン
Wi-Fiルーターのスペックによるネット速度の違いを検証

Wi-Fiルーターについて確認したところで実際にWi-Fiルーターのスペックによって違いが出るか検証していきます。
・速度測定ツールを使った速度測定
・1Gファイルを使った実働時間測定
・Windows 10搭載ノートパソコン
・光回線
・東京都23区内
・平日昼間
実のところ、この検証を始める前は「ルーターを変えたぐらいで何か変わるのだろう」という半信半疑な部分も少なからずありました。
ところがミドルスペックの「WRC-1167GST2」にルーターを変更した時点で、普段よりもWebページ表示のスピードや、メール受信完了までのスピードも、気持ち早く感じました。
ニュアンス的には“引っかかりがない”という感じでしょうか。これはハイエンドでのネット速度の改善に期待が持てます!
PCを利用した測定結果
【ミドルモデル「WRC-1167GST2」の平均計測速度】
・下り(ダウンロード)速度:85.26Mbps(10.66MB/sec)
・上り(アップロード)速度:95.01Mbps (11.87MB/sec)
【ハイエンドモデル「WRC-X3000GS」の平均計測速度】
・下り(ダウンロード)速度:122.65Mbps (15.33MB/sec)
・上り(アップロード)速度:140.06Mbps (17.48MB/sec)
数字を見れば上位機種である「WRC-X3000GS」が圧倒的に勝っているのがわかります。
計測中「WRC-1167GST2」は一度も106Mbpsを超えることはありませんでしたが、「WRC-X3000GS」は106Mbpsを常に超えており、状況によっては200Mbpsオーバーも計測しました。
上記の数値は1台のみを接続した際の計測値ですが、ノートパソコンとデスクトップパソコンを同時に計測しても、若干下方向へのばらつきが見られたものの、ほぼ変わりはありません。
上位モデルの方が速度への影響はより軽微でしたが、どちらも接続台数を増やしていっても大幅に速度が低下することなく快適に使えました。
この点では両者ともに優秀の判定。より接続台数が多い「WRC-X3000GS」の方が、使用人数や使用機器の台数を気にしなくてすむので、メリットが大きいと言えるでしょう。
1Gファイルを使った実働時間の測定結果
続いて1GB程度のファイルを無料ストレージサービスでアップロードとダウンロードを複数回、日中の混みそうな時間帯に計測してみました。
【ミドルモデル「WRC-1167GST2」の平均計測速度】
・ダウンロード:平均1分50秒
・アップロード:平均2分5秒
【ハイエンドモデル「WRC-X3000GS」の平均計測速度】
・ダウンロード:平均1分35秒
・アップロード:平均1分48秒
時間帯などの影響が大きいとはいえ、思った以上に差が出たのには驚きです。
これだけ差がつくとなると、たとえばオンラインゲームや動画など大量のデータ通信が必要な作業では、数値以上の差を感じるはずです。
【初心者向け】オンラインゲーム環境の作り方
もちろん、秒数的には大差なくとも体感では明らかに上位モデルの「WRC-X3000GS」の方が、Webサイト表示は速く、しかも接続台数が増えても、速度への影響はほぼ見られません。
大容量のデータをやり取りするという状況下でも、ハイエンドモデルの「WRC-X3000GS」の方が大きくリードしています。
スマホもWi-Fiルーターを使った接続が速い

ここまでの検証でWi-Fiルーターの規格によって回線速度に違いが出ることがわかりました。
続いてスマホでもスマホそのものの接続とWi-Fiルーターを使った接続での速度の違いも見てみましょう。
スマホ回線とWi-Fiルーターの速度を計測
測定にはドコモの「ドコモスピードテスト」を利用します。ドコモの機種を利用している人はディフォルトでアプリが搭載されています。
またはGoogle Playからインストールができます。
≫GooglePlayにアクセスする
早速インストールしたアプリを開いて測定をしてみます。
スマホの回線を利用して測定したパターンと光回線をつないだWi-Fiルーターに接続して測定したパターンの結果がこちらです。
スマホ回線を利用したダウンロード速度が75Mbpsに対して、光回線をWi-Fi接続した状態のダウンロード速度が277.4Mbpsと3倍以上もの速度差が見られました。
アップロードに関してはスマホ回線が2.3Mbps、Wi-Fi接続が273.4Mbpsと100倍以上の差です。
実際にはアップロードよりダウンロードを利用する機会の方が多いとは言え、接続方法の違いによる速度差は明らかです。
スマホでもWi-Fiルーターで接続した方が速い
上記の結果から、スマホで接続をする場合にも固定回線をWi-Fiルーターにつないで接続をした方が回線速度は速いことがわかります。
チケットの抽選など速度が重要な際には固定回線からWi-Fi接続することがおすすめです。
さらに混雑が見込まれる時間帯にインターネットを利用する場合には、IPv6を利用することで混雑による遅延の解消が見込まれます。
IPv6とは|接続確認から申込まで初心者にもわかりやすく解説
まとめ

今回はWi-Fiルーターの規格による速度の違いついて見てきましたが、いかがだったでしょうか。
利用目的に合ったスペックで十分というのがルーター選びの基本ですが、今回検証してみると、明らかに速度に差が生じます。
古いモデルを使用している人にとって、その差は一目瞭然です。
Wi-Fiルーターは一度使い始めたら、故障しない限り買い換える機会もあまりありません。とはいえ、IoT家電が広がりを見せる今、接続機器数は今後ますます増加していきます。
そうなると、より上位モデルのルーターを今から選んでおくのがベターと言えるのではないでしょうか。まずは現状を把握し、ルーターからより快適なネット環境を目指してみましょう。
またスマホでインターネット接続をする際にも固定回線でWi-Fi接続をすると速度が上がります。
普段から自宅ではスマホでの接続が多いという方も固定回線を利用することで快適なインターネットを利用することができます。改めてインターネット回線を見直してみてはいかがでしょうか。
固定回線を選ぶ際にはIPv6が利用できるサービスを選びましょう。中でもおすすめが「@nifty光」です。
IPv6の利用が可能でポイントサイト経由で申し込みをするとお得に固定回線の申し込みをすることができます。ポイントサイトを経由した申し込み方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
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※2020年8月時点の情報です。
※本文中に記載されている通信速度は理論値です。必ずしもこの速度が保証されているものではなく、お客様の通信環境や接続の時間帯などによっては、思うように速度が出ない場合や接続が不安定な場合があります。
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