
災害時に忘れてはいけないSNSでの“正しい救助要請”とは?
2018/09/03大規模な災害時、TwitterなどSNSでの救助要請を目にすることも当たり前になってきました。
ただ、使い方には注意が必要。
「SNSを利用した救助要請では何が大切?」「どこに注意すればいい?」「電話も含めた救助要請の優先度は?」など、いざというときに困らないポイントをまとめてみましょう。
災害が起きる前に知っておきたい災害時の情報収集についてはこちらの記事もチェックしてみてください。
◆災害時の救援要請は電話連絡が最優先
2018年7月の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)では、それまでの災害以上にSNSがクローズアップされました。それが、Twitterのツイートなどでの救助要請です。
災害時のSNS利用が一般化した東日本大震災(2011年)以降、地震や豪雨など多くの災害でSNSが活用され、特に2017年7月の平成29年7月九州北部豪雨からは、救助要請が急増したといいます。
短時間で被害が出る地震と違い、長いスパンで災害が発生し続けやすい豪雨では、洪水で孤立してしまうケースが数多く発生します。電話も長時間にわたってつながりにくくなるため、ネットとSNSを介した救助要請が増えるわけです。
ただ、そうした際の大前提として忘れてはならないのが、「もっとも迅速な手段は消防(119番)や警察(110番)への連絡」だということ。地元自治体への連絡も、速やかな対応につながります。いずれにしても、「電話連絡が最優先」なのです。
パニックになればなるほど、誰もが身近で使い慣れたSNSに頼りたくなります。それも間違いではありませんが、まずは冷静に対処しましょう。
◆SNSでの救援要請方法&コミュニケーションツールの活用
災害情報発信を目的としたTwitter公式アカウント「Twitterライフライン」(@TwitterLifeline)では、救助要請に次のようなフォーマットを作っています。
・ハッシュタグ「#救助」をつける
・具体的な救援内容を書く
(いつどこで、何が起きて、何に困っているのか)
・住所がわかる場合は具体的に書く
(救助側の担当分担が早まります)
・住所がわからない場合は、位置情報をつける
・できれば写真を添えて、状況がわかりやすいようにする
ただ、道路が使えない(見えない)ような大規模洪水時は、住所だけでは役立たないことも。わかりやすい施設を目印にした位置関係、今いる場所の特徴(建物の形や屋根の色など)などを伝えることも大切です。
SNSでの救助要請は情報の錯綜や混乱を起こしやすいので、以下の点にも気をつけましょう。「#救助」ハッシュタグが氾濫すると、本当に緊急な救助要請が埋もれてしまいます。
・コピー&ペーストで再投稿(拡散)しない
・拡散する場合は必ず公式RTか引用RTで
・ツイートのタイムスタンプや発信者の状況を再確認し、古い情報はむやみにリツイートしない
・要請した側は、救助完了後に当該ツイートを削除
一方で、SNSよりLINEやメッセンジャー、SMS(ショートメッセージ)の方が、速やかな救助要請につながりやすい。これは意外な盲点かもしれません。
伝える相手は「被災エリアから離れた場所の家族・親戚・友人」など。被災地でなければ冷静に対応できますし、必ず関係機関へ連絡してくれるはずです。
“1対多”のSNSより、“1対1”コミュニケーションのほうが迅速かつ確実。この大原則も、覚えておきたいですね。