
AirDrop(エアドロップ)とは|使い方や設定、できない時の対処法をわかりやすく解説
2020/04/29iPhoneやMacBookなどのApple製品に搭載されているAirDrop(エアドロップ)は、Apple製品同士で簡単に素早くデータの共有ができるとても便利な機能です。
本記事ではこのAirDrop(エアドロップ)とは何か。使い方やできない時の対処法から便利な活用例までをご紹介していきます。
AirDrop(エアドロップ)とは
AirDropとは、近くにいるApple製デバイス同士でデータをワイヤレス送信できるApple独自の共有機能です。
通信はWi-FiやBluetoothといったワイヤレスで行われており、送信する側も受信する側もWi-FiとBluetoothをONにしておく必要があります。
AirDrop(エアドロップ)で送受信できるデータ
・写真(複数点同時送信可能)
・音声
・映像
・テキストや表計算ソフトで作成したファイル
・圧縮ファイル
・連絡先
・位置情報
・WebサイトのURL
・App Storeのアプリ情報
AirDrop(エアドロップ)の対応機種
■iPhone
iPhone5以降の端末
■iPad
・iPad Pro
・iPad(第4世代以降)
・iPad mini以降
■iPod
iPod touch(第5世代以降)
■Mac
OS X Yosemite以降を搭載したMac
AirDrop(エアドロップ)の使い方
ここからはAirDropの使い方をチェックしていきましょう。
iOSでのAirDrop(エアドロップ)の使い方
【データを送信する】
(1)画面下から上方向にスワイプしてコントロールセンターを開くか、「設定」アプリを立ち上げて、Wi-FiとBluetoothをオンにする
(2)アプリで共有したいファイルを開き、共有ボタン(長方形に上矢印が合わさったマーク)をタップ
(3)近くにいるユーザーのデバイス名をタップして相手が受信を許可すれば共有完了
※「マップ」アプリで位置情報を共有する場合は、地図上で現在地を表示し、「現在地を共有」をタップ→送りたい相手のデバイス名をタップ
【データを受信する】
AirDropで受信設定がされていない場合は、以下の手順で設定しておきましょう。
(1)画面下から上方向にスワイプしてコントロールセンターを開く
(2)左上のネットワーク設定カードを強めに押すか長押し
(3)左下の「AirDrop」のアイコンをタップ。データ共有したい相手が連絡先に登録されている場合は「連絡先のみ」をタップ、そうでない場合は「すべての人」を選択
これで設定は完了です。データが届くと、「AirDrop:○○さんが(ファイル名)を共有しようとしています。」という画面が表示されるので、よく確認して「辞退」または「受け入れる」をタップしましょう。
Mac OSでのAirDrop(エアドロップ)の使い方
【データを送信する】
(1)Finder→移動→AirDropを開く
(2)AirDropマークの上方に、ワイヤレス通信可能なデバイスが表示されるので、送りたい相手のアイコンにファイルまたはフォルダをドラッグ&ドロップ。
※複数選択も可能
【データを受信する】
AirDropで受信設定がされていない場合は、以下の手順で設定しておきましょう。
(1)Finder→移動→AirDropを開く
(2)「このMacを検出可能な相手」を「連絡先のみ」または「すべての人」に変更
これで設定は完了です。
データが届くと、「“○○○”が(ファイル名)を送信しようとしています。」という画面が表示されるので、「受け付けて開く」または「受け付けない」、「受け付ける」のどれかを選択しましょう。
AirDrop経由で送られたデータの保存先は、初期設定では「ダウンロード」フォルダとなっています。また、デバイスがスリープ状態になると、送信側のAirDropリストから消えてしまうので、受信時は必ずスリープを解除しておきましょう。
AirDrop(エアドロップ)できない時の対処法
非常に簡単で便利なAirDropですが、たまにAirDropでデータが送信できない場合や受信できない場合、表示されない場合などがあります。
その時には以下のポイントをチェックしてみてください。
9メートル以内で通信する
AirDropは近くのデバイスを検出してデータの送受信を行います。Appleの公式サイトによると9メートル以内の通信が可能となっているため、距離が離れすぎている場合には9メートル以内に近づいてAirDropを試してみてください。
Wi-Fi・Bluetoothの設定を確認する
AirDropはWi-FiとBluetoothの両方をオンにしておく必要があります。Wi-Fiだけをオンにしていたり、Bluetoothだけをオンにしていたりすると、AirDropの送受信はできません。
また、送信する側だけでなく、受信する側もWi-FiとBluetoothの両方をオンにしておく必要があるので注意してください。
AirDrop(エアドロップ)の設定を確認する
AirDropで受信する相手のデバイスがAirDropを「受信しない」の設定にしてしまっていると送信先一覧に相手が表示されることはありません。受信側のAirDrop設定が「すべての人」「連絡先のみ」になっているかどうか確認しましょう。
連絡先登録を確認する
受信側のAirDrop設定が「連絡先のみ」になっていた場合にも、連絡先に送信側の情報が登録されていなければ送受信一覧に相手が表示されません。受信側の連絡先に送信側の端末情報が登録されているかどうかも確認しておきましょう。
iCloudのサインインを確認する
AirDropは送信側、受信側ともにiCloudにサインインしている必要があります。どちらかのデバイスがiCloudにサインインしていなかった場合にはAirDropで送信することができません。「設定」の一番上に自分の名前とApple IDが表示されていればサインインしています。チェックしてみましょう。
受信デバイスの空き容量を確認する
データを受信する側のデバイスの空き容量が不足しているとデータを受信することができません。特に動画などの容量の大きいものは、容量不足になってしまう可能性が高いのでチェックしてみてください。
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デバイスを再起動する
上記の内容をチェックしてみたもののAirDropができないといった場合には、デバイスの再起動も試してみてください。スマホやパソコンは一時的な不具合が起きやすいため、再起動をすることで解消する場合もあります。Wi-FiやBluetoothのオンオフなども試してみると、不具合が解消する場合があるので試してみてください。
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AirDrop(エアドロップ)を活用した悪質事例と気を付けておくべき設定
AirDropは、相手のメールアドレスやSNSのIDなどを知らなくても、データをサクサク共有できる便利機能ですが、AirDropを悪用した迷惑行為が問題になっています。
AirDrop(エアドロップ)痴漢
2018年6月、AirDropを悪用し、電車内で女性のスマホにわいせつな画像を何度も送りつけた会社員男性が、迷惑防止条例違反で書類送検されました。これが「AirDrop痴漢」の典型例です。
AirDropには、BluetoothやWi-Fiの通信範囲内にいる人なら誰とでもデータを送受信できるというメリットがある一方で、見ず知らずの人から受け取りたくないデータを送りつけられるというリスクも存在します。
AirDropは受信設定をしていても自動的に受信されるわけではなく、リクエストを受け入れるか辞退するかの選択ができます。しかし、この時点で受信側には送られた内容がプレビュー付きで大きく表示されるため、それがわいせつ画像だった場合に一部が見えてしまうのです。
AirDrop(エアドロップ)テロ
わいせつ画像に限らず、見ず知らずの人にいきなりデータを送りつける“AirDropテロ”なども問題になっています。
AirDropを使えば、WEBサイト情報を送ることもできるので、プレビュー画面にアダルトサイトの画像が表示される可能性もあります。万が一、リクエストが届いても「辞退」を選べば済む話ではあるものの、入力中にプレビュー画面が開いた場合、うっかり「受け入れる」をタップしてしまう可能性もあります。
これが悪意あるサイトへの誘導でウイルスを仕込まれていた場合にはデバイスがウイルス攻撃を受けてしまいます。
悪質なAirDrop被害を防ぐ方法
AirDropを悪用した被害は、簡単な設定で未然に防ぐことができます。
(1)「設定」→「一般」→「AirDrop」の順に選択
(2)送受信できる相手を選ぶ際、連絡先に登録している人から受信する場合は「連絡先のみ」を選択する。
このとき、電車内などで誰からも受信する予定がなければ、「受信しない」を選んでおくのが無難です。AirDropの設定は、コントロールセンターからでも行えます。
(1)iPhone 8以前の機種では画面下から上へ、iPhone X以降では画面右上隅から下へスワイプして、コントロールセンターを開く
(2)左上にあるネットワーク設定のカードを長押し後、「AirDrop」のアイコンをタップ。ここで送受信したい相手を設定する。
AirDropによる被害に遭いやすいのは、送受信できる相手が「すべての人」に設定されているケースです。
連絡先に登録していない相手とデータを共有するときは、「すべての人」に設定する必要がありますが、送受信完了後には必ず「連絡先のみ」または「受信しない」に設定変更するようにしてください。
※記事内容は2020年4月現在の情報を基に作成。
※操作手順内の表現はOSや機種、アプリのバージョンにより異なる場合あり。