
インフラストラクチャーモードとは?アドホックモードとの違いや使い方を解説
2021/07/27意外と知られていないインフラストラクチャーモード。
インフラストラクチャーモードとは、無線LANで利用できる動作モードの1つで、インフラストラクチャーモードを活用すると、パソコン同士のファイル共有や周辺機器との連携をスムーズにできるようになります。
本記事ではインフラストラクチャーモードについて、分かりやすく解説します。
インフラストラクチャーモードとは
インフラストラクチャーモードとは、無線LANで行える動作モードの1つです。
無線LAN環境を利用するためには、アクセスポイントとなるルーターを設置します。アクセスポイントを設置すると、無線LANでインターネット通信が可能になります。
無線LANで行えるのはインターネット通信だけではありません。無線LAN環境では、同じLANを利用する端末同士での通信が可能です。同じLANを利用する端末同士で通信を行う機能をインフラストラクチャーモードと呼びます。
インフラストラクチャーモードを使って通信ができる端末はパソコン同士に限らず、さまざまな周辺機器でも利用できます。
アドホックモードとの違い
アドホックモードも無線LANの動作モードの1つですが、インラストラクチャーモードとは対となる機能です。
アドホックモードでは、アクセスポイントを使わずに端末同士の通信を行います。ニンテンドーDS・PSPといったゲーム機でのローカル通信では、アドホックモードが用いられています。
インフラストラクチャーモードとアドホックモードは似た機能に見えますが、インフラストラクチャーモードは以下の3点でアドホックモードより機能が優れています。
・セキュリティの安全性
・データの転送速度
・セットアップの簡単さ
アドホックモードではWEP方式で通信が暗号化されていますが、セキュリティ規格が古いため、より複雑な形式で通信が暗号化されているインフラストラクチャーモードと比較すると解読されるリスクは高くなっています。
またインフラストラクチャーモードではアドホックモードより高速でファイル共有することが可能です。
セットアップの簡単さもインフラストラクチャーモードが優れているため、これからアドホックモードを使うメリットは多くありません。
インフラストラクチャーモードとアドホックモードの違いは他にもあり、後ほど『インフラストラクチャーモードのメリット』の項目で解説します。
インフラストラクチャーモードのメリット
インフラストラクチャーモードには以下2つのメリットがあります。
1.他の端末との通信中にネットができる
2.複数の機器と通信できる
他の端末との通信中にネットができる
アドホックモードで端末同士の通信を行う場合、ファイルの共有をしている間はインターネットを利用できません。
インフラストラクチャーモードでは端末同士の通信を行っている最中でも、インターネットが利用できます。
複数の機器と通信できる
アドホックモードでは1対1の通信しか行えませんが、インフラストラクチャーモードでは1対複数での通信が可能です。1台のパソコンで同時に複数台の機器と通信できるわけです。
インフラストラクチャーモードのデメリット
インフラストラクチャーモードに大きなデメリットはありませんが、強いて挙げると以下3点には注意が必要です。
・対応ルーターが必須
・周辺機器が無線LAN対応でなければいけない
インフラストラクチャーモードを利用するには、アクセスポイントとなる無線LANルーターを設置しなければいけません。無線LANルーターがなければ、1対複数の通信ができないので注意しましょう。
また無線LANルーターならどれでも良いわけではなく、インフラストラクチャーモード対応機種が必要です。
パソコンをプリンターやテレビと連携させる場合、パソコン以外の機器が無線LANに対応している必要があります。
インフラストラクチャーモードの利用シーン
インフラストラクチャーモードは主に以下の場面で活用できます。
・書類ファイルをプリンターで印刷する
・パソコンやスマホの動画や画像をテレビに映す
インフラストラクチャーモードを使うと、ワイヤレスでパソコン内にある書類をプリンターで印刷できます。印刷自体はアドホックモードでもできますが、インフラストラクチャーモードではプリンターを複数のパソコンやスマホと連携できるところが強みです。
インフラストラクチャーモードを使うと、端末ごとにプリンターとの連携をし直す必要がなく印刷の手間が少なくなります。
またテレビが無線LANやインフラストラクチャーモードに対応していれば、パソコンやスマホの動画や画像を大画面に映し出せます。
インフラストラクチャーモードでパソコン接続する方法
インフラストラクチャーモードでパソコン接続する方法は簡単で、以下の3ステップで完了します。
1.アクセスポイントなる無線LANを設置
2.利用する端末を無線LANに接続
3.アクセスポイントのインフラストラクチャーモードを有効にする(必要な場合のみ)
無線LANルーターでは初期設定でインフラストラクチャーモードが有効になっているため、基本的に上記の手順を踏めば設定は終わります。そのため、基本的に1~2の手順を行うだけで済む場合がほとんどです。
ルーターがインフラストラクチャーモードとアドホックモードの両方に対応している場合、無線LANに接続しているデバイスを使って切り替えができます。
以上の設定が完了すれば、パソコンと連携させたい端末や周辺機器を同じ無線LANに接続しましょう。
インフラストラクチャーモード機能は必要?
インフラストラクチャーモード機能が必要かどうかは、以下の利用シーンを求めているかで決まります。
・パソコンやスマホからの印刷を簡単にしたい
・パソコンやスマホの画面をテレビに映したい
Android端末を簡単にテレビ接続させることができるChromecastや、iPhoneをテレビに接続させるAppleTVも、このインフラストラクチャーモードを利用していると想像すると利用ケースが分かりやすいかもしれません。
パソコンやスマホを他の端末や周辺機器と連携させたいと思っていない場合は、インフラストラクチャーモードを活用するケースは少なそうですが、対応しているルーターを選んでおくことで、いざ利用したいと思った時に簡単に接続することができるため、対応済みの方が利便性は高そうです。
また、インフラストラクチャーモードを利用するためには、Wi-Fiの基となるインターネット回線が欠かせません。
『@nifty光』であれば、回線混雑に影響されにくく安定した通信が可能なIPv6接続に対応しており、インフラストラクチャーモード対応の無線LANルーターを最大25カ月無料でレンタルできるメリットもあるので、ぜひこの機会に@nifty光を検討してみてはいかがでしょうか?
※2021年7月時点の情報です。