
Wi-Fi6と5Gの違いとは?特長やメリットについて詳しく解説
2022/05/192019年9月から実用化された次世代通信規格Wi-Fi6は、高速で従来よりも多くの端末を接続できる新しいWi-Fiです。近年実用化が開始された5Gも、新しい通信規格として注目されています。
本記事では、Wi-Fi6と5Gの違いや利用するメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。また、5Gが普及してもWi-Fi6の利用をおすすめする理由についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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Wi-Fi6とは?
Wi-Fi6(ワイファイシックス)とは2019年1月に発表された新しい通信規格です。従来の通信規格でもスマホやゲーム機、家電など複数の端末と接続していますが、Wi-Fi6では従来規格と比較して、より多くの端末と接続できるようになります。
ここでWi-Fi6の特長、利用するメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
Wi-Fi6は第6世代のWi-Fi規格
Wi-Fiにはさまざまな規格があり、現在普及している規格がWi-Fi6です。Wi-Fi6は名称であり、本来の規格名は「IEEE 802.11ax」と言います。Wi-Fiは世代によって利用できる周波数帯や最大通信速度が異なり、新しいWi-Fi6は第6世代に当たります。
Wi-Fi6は従来の規格よりも高速通信が可能で、負担なく複数端末と接続することが可能です。また、利用周波数も2.4GHzと5GHzを状況に応じて使い分けることができるため、より安定したワイヤレス通信ができます。
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Wi-Fi6を利用するメリット・デメリット
Wi-Fi6を利用するメリットは従来よりも高速なワイヤレス通信ができることですが、Wi-Fi6に対応している端末が少ないというデメリットがあります。
メリット
Wi-Fi6を利用するメリットは次の3つです。
・従来のWi-Fi5よりも高速通信が可能
・複数端末の同時接続に強い
・接続端末のバッテリー消費を抑えるTWTが搭載されている
Wi-Fi6は従来のWi-Fiよりも高速通信が可能で、以前の規格であるWi-Fi5の最高通信速度の約1.4倍です。Wi-Fi5では約6.9Gbpsが最高通信速度でしたが、Wi-Fi6では約9.6Gbpsとデータの送受信にかかる時間が大幅に短縮されます。さらに複数端末を接続した場合の通信速度の遅延も、直交周波数分割多元接続OFDMA(※)が採用されたことで改善されています。
※OFDMA:約2MHzを最小単位として異なる周波数で同時通信できる仕組み。さらに多くのデバイスが同時に接続することができ、よりスムーズで遅延のないワイヤレス通信が可能。
Wi-Fi6には他にもスマホなど子機端末のバッテリーの消費を軽減する「TWT(Target Wake Time)」が採用されました。TWTは親機から子機へのデータ通信タイミングをコントロールすることで、通信待機中以外の子機のバッテリー消費を抑えます。
デメリット
便利なWi-Fi6にもデメリットは存在します。
・電波干渉や障害物による減衰はある
・現状対応端末が少ない
Wi-Fi6は2.4GHzと5GHz両方の周波数を状況に応じて使い分けることが可能ですが、電波干渉や障害物による減衰がなくなるわけではありません。
Wi-Fiの周波数2.4GHzと5GHzとの違いについては、以下の記事で解説しています。
Wi-Fiの周波数2.4GHzと5GHzとの違い
5Gとは?
5Gも2020年に提供が開始された新しい通信規格です。モバイルの通信規格である5G最大の特長は、最大通信速度が約10Gbpsと4Gの10倍もの速度になる点です。
ここからは5Gの特長、メリット・デメリットについて紹介していきます。
5Gは第5世代の移動通信規格
モバイル通信規格の第5世代である5Gは、2020年にサービス開始されたばかりの新しい通信規格です。高速かつ大容量の通信を実現するために、3.7GHz帯、4.5GHz帯、及び28GHz帯の周波数帯を利用しています。これまでもスマホやパソコンなどに接続して利用されていましたが、5Gは自動車やセンサーなどさまざまな端末と接続が可能となっています。
また、5Gは1MS(1ミリ秒)以下の超低遅延も特長としているため、警報システムや医療システムへの利用も予想されています。
5Gを利用するメリット・デメリット
次世代モバイル通信規格である5Gですが、Wi-Fi6同様にメリットとデメリットがあります。
メリット
5Gの大きなメリットは次の3つです。
・大容量通信が可能
・低遅延
・従来よりも多くの複数端末を同時接続できる
5Gの最大のメリットは大容量高速通信が可能な点です。
最大通信速度が約10Gbpsと高速のため、2時間程度の動画を数秒でダウンロードすることもできます。また、1MS(1ミリ秒)以下の超低遅延で、高画質なライブ配信もリアルタイム視聴することができます。
また、5Gにはサービスごとに利用帯域を分ける「ネットワークスライシング」技術が採用されています。これにより、4Gよりも多くのデバイスを同時接続することが可能になるため、回線混雑による影響も軽減されます。
デメリット
5Gのデメリットとして考えられるポイントは以下の2点です。
・天気によって電波が減衰する可能性がある
・開始間もないサービスのため、利用できるエリアが限定的
5Gで利用されている28Ghzの周波数帯は減衰しやすい特徴を持っているため、天候に左右される可能性があります。5Gの電波は4Gと比較して電波が遠くまで届かず、携帯基地局の整備が進まなければ5G通信を利用することはできません。
また、まだサービス提供が開始されたばかりのため、5Gが利用できるエリアも限定的です。さらに現在販売されているスマホのすべてが5Gに対応しているわけではないので、普及するまでに時間がかかると言われています。
Wi-Fi6と5Gの違いとは
Wi-Fi6と5Gはどちらも高速通信が利用できる次世代通信規格であり、お互いの弱点を補完しあうような関係性です。5Gが普及すれば、屋内通信に特化しているWi-Fiの利用頻度が下がるのかというと、そうではありません。
Wi-Fi6と5Gの比較
Wi-Fi6と5Gはどちらも高速通信が可能な通信規格ですが、利用されている周波数帯や最大速度は異なります。
|
Wi-Fi6 |
5G |
周波数帯 |
2.4GHz、5GHz帯 |
3.7GHz、4.5GHz、28GHz帯 |
最大速度 |
最大9.6Gbpsの通信が可能。 現在の対応端末では5Gbps程度。 |
将来的には10~20Gbpsの通信が可能 現状は1~2Gbps程度。 |
活用場所 |
高密度な屋内環境 |
移動時の通信や屋外環境 |
利用可能エリア |
Wi-Fiルーターが設置されているエリア |
首都圏を中心に全国的に利用可能 ※一部エリアは未開通 |
2つの違いは、活用場所が屋内か屋外かという点です。
5Gは4Gに比べて電波が届きにくい性質があり、高層ビルや分厚い壁の建物では利用できない可能性があります。そのため屋内環境では、屋内接続に特化したWi-Fi6の利用が欠かせません。
5Gが普及してもWi-Fiは必要
前述したように、モバイル通信規格である5Gは建物などの障害物の影響を受けやすく電波が減衰する可能性が高いうえに、まだ開始間もないサービスのため、利用できるエリアが限定的な点がデメリットとなっています。
また、5Gはモバイル通信会社が提供しているサービスであるため、4G同様にパケット制度が適用される可能性もあります。
通信速度制限などにかからないためにも、自宅ではWi-Fiを利用することが多くなるのではないでしょうか。
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お互いを補完できるWi-Fi6と5G
Wi-Fi6と5Gは、お互いの弱点を補完しあえる関係性です。例えばショッピングモールや企業、家庭といった限られた屋内環境ではWi-Fi6の活用が向いています。5Gは通信事業者が設置した基地局によって広範囲のエリアをカバーできるため、屋外や移動中の高速通信に向いています。
Wi-Fi6と5Gそれぞれの特性を生かして、状況によって使い分けることで快適なインターネットが利用できるでしょう。
まとめ
Wi-Fi6と5Gはどちらも高速通信が可能な通信規格で、快適にインターネットを利用するためには双方の特性を生かした活用がおすすめです。
Wi-Fi6を利用するには光回線を利用する必要がありますが、光回線の最大通信速度は一般的には下り最大1Gbpsであることがほとんどなので、Wi-Fi5やWi-Fi6に対応しているルーターが理想です。
ニフティが提供する@nifty光は、時間帯やエリアの混雑に左右されず安定通信ができるIPv6接続に対応しています。また、Wi-Fi5に対応したWi-Fiルーターを最大25カ月間無料でレンタルできるため、手軽にWi-Fi環境を整えることも可能です。
まだ自宅にWi-Fi環境が整っていない方は、ぜひこの機会に@nifty光を導入されてみてはいかがでしょうか。
※2022年5月時点の情報です。