
オーストラリアで16歳未満のSNSの利用が禁止に│理由や日本での状況を解説
2024/12/182024年11月、オーストラリア政府は16歳未満のSNS利用を法律で禁止する法案を可決しました。日本では未成年者のSNS利用は禁止されていないものの、スマホ依存や不適切なコンテンツの閲覧など、さまざまなリスクが問題視されています。
本記事では、未成年者のSNS利用状況について世界の動きを確認しつつ、適切なSNSの利用方法について解説していきます。安全にSNSを利用するためにも、ぜひ親子で適切な利用方法について確認してみてください。
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オーストラリアが16歳未満のSNS利用を禁止へ
2024年11月、オーストラリア政府は「SNSが未成年者に与えている悪い影響」を軽減する目的として16歳未満のSNS利用を禁止する法案を可決しました。SNS利用の年齢制限を設けている国はありますが、禁止とするのは世界初です。
ここからはオーストラリアを始めとした、世界の未成年者SNS利用の規制状況について確認していきましょう。
16歳未満のSNS利用が禁止になったオーストラリア
オーストラリア政府は、16歳未満のSNS利用禁止の法案を可決し、2025年に施行すると発表しています。規制の対象は、SNSの運営会社で、若年層のユーザーが多いInstagramやTikTok、X(旧Twitter)などが対象です。動画投稿サイトであるYouTubeやオンラインゲームなど、一部のサービスは規制対象外とされています。
SNSの運営会社は16歳未満の子どもが利用できないような措置を行うよう義務付けられ、違反した場合は4950万豪ドル(約48億円)の罰金が課せられます。なお、SNSを利用した16歳未満の子どもや保護者には罰則はありません。
保護者の同意が必須など、未成年者のSNS利用の制限をしている地域はこれまでもありましたが、SNS利用を国が規制したのは世界で初めてです。
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世界でもSNSの規制が進んでいる
年齢によるアクセス制限や保護者が投稿内容を閲覧できるようにするなど、世界でも未成年者のSNS利用を制限する動きがあります。制限内容は国や地域によって、下記のように異なります。
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アメリカ ユタ州 |
未成年者は保護者の同意なく、SNSアカウントが作成できない。作成後も22時半〜6時半の間はSNS利用が禁止されている |
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アメリカ フロリダ州 |
14歳未満は保護者なく、SNSアカウントが作成できない |
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フランス |
15歳未満は保護者なく、SNSアカウントが作できない |
SNSはリアルタイムの情報収集やコミュニケーションが楽しめるツールですが、その一方で不適切なコンテンツに触れやすいとして問題視されています。
未成年のSNS利用が禁止される理由
未成年者のSNS利用が禁止される理由として、有害コンテンツに触れやすいことが挙げられます。オーストラリアでは、未成年者がSNSで暴力的な動画やいじめ、デマなどに触れないようにするために法案を提出したと発表しています。
アメリカの厚生省によると、SNSを1日3時間以上利用する子どもは、利用しない子どもに比べてうつ病を発症しやすくなるという研究結果も。適切な利用をしている場合でも、トラブルに巻き込まれる可能性があるとして、世界中でSNSの規制強化が検討されているようです。
日本国内のSNS規制状況
現在、日本ではSNSの利用を禁止する法案はありません。18歳未満の場合は、SNS運営会社及び保護者が安全にSNS利用をできるように措置を行う旨定められています。
ここからは、日本国内のSNS規制状況と反応について確認していきましょう。
日本でもSNS対応の議論が開始
オーストラリアのSNS規制を受け、日本国内でも2024年11月に「インターネット上の青少年保護に関する検討会」が立ち上げられました。社会問題となっている闇バイトも、SNSがきっかけになっているケースも多く、SNSの適性利用について幅広く議論を重ねると発表しています。
SNS依存や児童ポルノの被害、SNS上での中傷など、国内でもSNSきっかけのトラブルが増えているため、必要な施策検討が重要とされています。
日本国内の反応は?
オーストラリアのSNS規制への反応は、親世代と子世代で賛否がわかれています。NHKの調査によると、親世代からはSNSを起因とした事件に巻き込まれないよう、規制に賛成の声が多く挙がりました。一方、子世代からは友人との話題についていけなくなることや、ツールへの苦手意識ができてしまうなど、反対意見も。
SNSはトラブルになるケースもあれば、クリエイティブの促進や情報収集の場としてポジティブな使われ方をされているケースもあります。規制に賛成している親世代も、単純に規制するのではなく、SNSと付き合う方法について啓発できればと考えている人が多いようです。
未成年のSNSトラブルから身を守るには?
未成年の子どもがSNSトラブルに巻き込まれないようにするには、家庭や学校などでインターネットや個人情報の取り扱いについて学ぶ必要があります。正しいITリテラシーを身につけるためにも、日頃から親子で話し合っておくとよいでしょう。
最後にSNSトラブルを回避するポイントを5つ紹介します。
1.親子でITリテラシーについて学ぶ
家庭によってタイミングは異なりますが、未成年の子どもにスマホデビューさせる際は、親子でITリテラシーについて一緒に学ぶのがおすすめです。インターネットにはさまざまなリスクが潜んでいるため、SNSを使っていなくても知らぬ間にトラブルに発展する可能性があります。スマホの普及により、インターネットの利用方法も以前より複雑化し、自分が被害者になることもあれば、加害者となってしまうリスクもあります。
ITリテラシーについては、一度学んだ後も最新の情報にアップデートしていくことが重要です。安全にインターネットを利用するためにも、定期的に親子で学ぶ場を設けましょう。
2.ルールを決める
未成年の子どもがSNSを利用したいと相談されたときは、下記のような利用ルールを決めておくと安心です。
・SNSの利用設定は親子で一緒にする
・使用する時間場所を決める
・SNS上で知り合った人とむやみに会う約束をしない
・個人情報をSNSに載せない
・少しでも困ったことがあればすぐに保護者へ相談する
SNSを利用するルールを決めるときは、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に話し合うのがおすすめです。一緒にルールを決めることで、なぜ注意しなければならないのか、ルールを設ける理由はなぜなのか理解してもらいやすくなります。
3.むやみに個人情報を書かない
SNSを利用する際は、むやみに個人情報を載せないことを徹底させましょう。SNSを利用するルールのなかでも特に気をつけなければならないポイントとして、なにが個人情報につながるか学んでおくのがおすすめです。たとえば、次の5つは個人を特定する材料になりやすい情報です。
・名前
・学校名や普段よく行くお店
・写真
・メールアドレスやLINEのID
・電話番号
下の名前だけであっても、ほかの情報を結びつければ簡単に特定されてしまうため、情報の取り扱いには注意しなければなりません。個人情報が漏れてしまうと、自分だけでなく家族や友達もトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあります。
一度個人情報を書いてしまったら、どんなトラブルに発展するかわらかないため、削除すればよいわけではないと理解してもらいましょう。
4.フィルタリングをかける
フィルタリングは、不適切なサイトやアプリ、サービスへのアクセスを制限する機能です。年齢に応じて段階設定が可能で、スマホの標準機能として搭載されています。年齢制限のあるアプリのダウンロードや、課金を制限できるため、スマホを渡す前に保護者が設定しておくとよいでしょう。
より詳細なフィルタリングをするなら、セキュリティソフトなどの利用も検討してみるとよいでしょう。
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ペアレンタルコントロールを利用する
ペアレンタルコントロールとは、スマホの使用状況がパソコンやスマホアプリで確認できる機能です。スマホの標準機能、セキュリティソフトに搭載されている機能で、アプリの使用時間や課金の制限、よく使用しているアプリが確認できます。ペアレンタルコントロールは、有害なサイトへのアクセスをブロックしたり、使用できるアプリを制限したり、適切なSNS利用に役立ちます。
制御できる機能はソフトによって異なるため、利用前に使用制限したいコンテンツが制御できるか確認しておくとよいでしょう。たとえば、SNSを利用する際は、使用時間を制限するなど、親子で決めたルールに合わせて設定しておくと便利です。
まとめ
世界中で検討が重ねられている未成年者のSNS規制。オーストラリアが16歳未満のSNS利用を禁止したことで、ほかの地域でも規制のあり方についてさらに深く議論が重ねられる可能性があります。
日本国内でも今後どのようにSNSと付き合っていくかが注視されていますが、まずは家庭でトラブルを防止することが重要です。家庭で未成年のSNSトラブルに備えるには、普段から相談しやすい環境と未然に不適切なコンテンツにアクセスしないよう対策しておくとよいでしょう。
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