
RSSIとは?確認する方法と最適な数値目安・改善方法について解説
2024/11/13ルーターとの距離で状態が変動するWi-Fiの電波強度は、デバイスの画面上で扇型のアイコンで表示され、実は数値にすると振れ幅はかなり広いです。
Wi-Fiの電波強度を数値化したのがRSSIですが、どのデバイスでも確認は簡単なので興味がある人は調べてみるといいでしょう。
本記事ではRSSIについて解説し、確認方法を踏まえてWi-Fiの電波強度を改善する方法を紹介します。
家の中でWi-Fiが弱いと感じる場所がある人は、参考にしてください。
RSSIについての基礎知識
RSSI(Received Signal Strength Indicator)とは、利用しているデバイスが接続しているWi-Fiの電波強度を数値化したものです。
通常、Wi-Fiの電波強度は扇マークのアイコンで表示されます。

Wi-Fiの電波強度はルーターとデバイスの距離で変わるため、家の中でインターネットの読み込み速度が遅い場所がある場合、Wi-Fiの電波強度を確認する必要があります。
アイコンの曲線すべてが点灯していれば電波強度は最大、1つでも点灯していなければ最大ではありません。
しかし、Wi-Fiの電波強度を示すアイコンの表現はややアバウトなので、細かな状態まで把握するのは難しいでしょう。
アイコンの曲線がすべて、もしくは半分以上が点灯していても最大限の速度が出ない場合があるのはそのためです。
そこで、より詳しくWi-Fiの電波強度を知るために役立つのが、RSSIです。
RSSIはWi-Fiの電波強度を数値化して表すものなので、通常のアイコンよりも接続状態が詳細に把握することができます。
必要なRSSIの目安
RSSIの数値はdBmという単位で表示され、数値が高いほど電波の強度は強くなります。
RSSIの数値を計測するときはマイナスである場合がほとんどで、0に近いほどWi-Fiの接続状態は良いとされています。
必要なRSSIの数値は、使用するWi-Fiの周波数帯によって若干異なります。
|
周波数帯 |
品質の良い通信速度が見込める |
実用的な通信速度が見込める |
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2.4GHz |
-65dBm以上 |
-75dBmから-66dBm |
|
5GHz |
-60dBm以上 |
-70dBmから-61dBm |
基本的には最低でも-75dBmから-60dBmの間であるのが望ましいといえるでしょう。
-80dBm以上になると、電波強度はとても弱いといえます。
RSSIの確認方法
RSSIの数値を確認する方法はデバイスによって異なります。
どのデバイスもWi-Fiの電波強度はアイコンで表示されるのが基本なので、RSSIの数値で視認する際は計測アプリを使用します。
どのデバイスでも計測アプリは基本的に無料で利用できます。
Windows PCとAndroidの場合
WindowsのPCやAndroidのスマホ、タブレットでは「Wi-Fi Analyzer」を使います。
Wi-Fi Analyzerは周囲のWi-FiのRSSIを計測するアプリで、Windows版はMicrosoft Storeで、Android版はGoogle Play Storeでダウンロードできます。(※複数のディベロッパーからアプリが展開されています)
Wi-Fi Analyzerの使い方は簡単で、起動すると周囲に飛んでいるWi-Fiの一覧画面が表示されて電波ごとのRSSIの数値が表示されます。
Wi-Fi Analyzerとは?Wi-Fi分析アプリの使い方と通信速度を改善する方法
Mac PCの場合
MacのPCではWi-Fiの接続中に「Option」キーを押しながらWi-Fiのアイコンをクリックすると、使用しているネットワークの詳細が表示されます。
詳細の一覧にある「RSSI」の項目を見ると、使用しているWi-Fiの電波強度が数値で認識できます。
周囲に飛んでいる他のWi-FiのRSSIは表示されませんが、アプリを入れる必要がないので他のデバイスよりは楽といえるでしょう。
iOSの場合
iPhoneやiPadのiOS端末では、「Air Macユーティリティ」を使うとRSSIの数値を計測できます。
Air MacユーティリティはAir Macの管理アプリですが、周囲のWi-FiをスキャンしてRSSIの数値を出せる機能があります。
ただし、App Storeでアプリをダウンロードしてから以下の手順を行わないと計測できないので注意してください。
1.メイン画面から「設定」を開く
2.「AirMac」を選択
3.「Wi-Fiスキャナ」をONにする


正しく設定をしておけば、アプリを立ち上げて以下の手順を行うと一覧画面で周辺のWi-FiのRSSI値が表示されます。
1.画面右上の「Wi-Fiスキャン」をタップ
2.画面右上の「スキャン」をタップ



RSSIの数値を改善する方法
RSSIの数値が低くWi-Fiの電波が弱い場合、基本的にルーターとデバイスの距離が離れているのが原因と考えられます。
そのため、以下の方法で対処します。
・ルーターの置き場所を変える
・より性能が高いルーターを利用する
・Wi-Fiの中継機を利用する
ルーターの置き場所を変える
RSSIが少し低めであれば、ルーターの置き場所を変えてみましょう。
以下のポイントを押さえてルーターの置き場所を変えると、RSSIの数値が改善する可能性があります。
・床から1〜2m離れた高さがある場所
・棚の外側
・なるべく自宅の中心
床から1〜2m離れた高さがある場所に置くだけでも変わるので、試してみるといいでしょう。
ルーターの置き場所については以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて解説してください。
Wi-Fiルーターはどこに置くのがいい?収納のデメリットと最適な設置場所を解説
より性能が高いルーターを利用する
計測したRSSIの数値があまりにも低い、またはルーターの置き場所を変えても改善されない場合は性能が高いルーターの利用を検討してみましょう。
ルーターはハイスペック機種であるほどWi-Fiを飛ばせる範囲が広く、離れた場所でも強度が落ちにくいからです。
自宅の面積が広ければ広いほどスペックの高いルーターが求められます。
通信速度に影響するWi-Fiルーター規格の確認方法|チェックすべき項目とは?
Wi-Fiの中継機を利用する
ルーターの買い替えに抵抗がある場合、中継機の利用がおすすめです。
中継機とは、すでに設置しているルーターからWi-Fiを引き継いで電波を届ける範囲を広げるアイテムです。
中継機は親機となるルーターより安価である場合が多いため、親機であるルーターを買い替えたくない人に適しています。
Wi-Fiルーターの中継器とは|役割やメリット・選び方まで解説
他に原因がある可能性も
RSSIの数値が悪い状況では、ルーターとデバイスの距離の他に以下のような原因も考えられます。
・ルーターの不具合
・Wi-Fiの電波が他の家電との電磁波と干渉している
そのため、再起動や周波数帯の変更なども選択肢に入ります。
以下の記事では、Wi-Fiの通信状態が良くないときの原因や対処法を紹介しているので、こちらも併せて参考にしてください。
家のWi-Fiが遅い原因と7つの改善方法
根本的な通信速度の改善は回線から
RSSIの数値は問題がなくても、通信速度が遅いと感じる場合があります。
Wi-Fiに問題がないのに通信速度が遅い場合は、回線の品質が原因の可能性が考えられます。
通信速度を左右する大きなポイントは回線の品質で、モバイル式の回線を利用している場合は電波の状況でスピードが変動しやすくなってしまいます。
光回線は通信速度の安定性が高いですが、プロバイダーによって品質が異なる点には注意が必要です。
通信速度を改善したい場合、光回線の「@nifty光」がおすすめです。@nifty光は混雑しにくい回線経路を利用するIPv6に対応しており、利用者が増える夜間でも速度が安定します。
自宅が提供エリアであれば「@nifty光10ギガ」もおすすめで、従来の光回線よりも高速通信が可能でオンラインゲームや4K動画再生が快適に行えます。
一度、検討してみてはいかがでしょうか?
※2024年11月時点の情報です