
テレワークの現状と欠かせないインターネット回線まで解説【2021年1月版】
2021/01/12新型コロナウイルスの影響により新たな就業形態として定常的にテレワークを実施する企業が増えています。また今年に入り、首都圏や関西地方の一部地域では再び緊急事態宣言が発令され(2021年1月14日現在)、出勤者削減に向けテレワークの積極実施が呼びかけられています。
本記事ではテレワークの目的や意義を確認し、テレワークの現状から業務効率に大きく関わるインターネット回線まで、テレワーク環境を整えるために必要な情報について解説していきます。
これまで、自宅の環境をそこまで重要視していなかった人も、今後一層テレワークが一般的になる働き方や自宅で過ごす時間の増加を踏まえ、最適なインターネット環境について参考にしてみてください。
テレワークとは
まずは、改めて「テレワーク」の意味と目的を確認します。
「テレワーク」とは、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語で、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことを意味します。
テレワークは雇用形態により「雇用型=企業に勤務する被雇用者が行うテレワーク」と「自営型=個人事業者・小規模事業者等が行うテレワーク」に分けられ、さらに雇用型は、働く場所によって3つの種類に分けられます。
雇用型 | 自営型 |
在宅勤務 自宅を就業場所とするもの |
SOHO 主に専業性が高い仕事を行い、独立自営の度合いが高いもの |
モバイルワーク 施設に依存せず、いつでも、どこでも仕事が可能な状態なもの |
内職副業型勤務 |
施設利用型勤務 サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィス等を就業場所とするもの |
今回の新型ウイルスの影響では、外出自粛制限もされていたため、「雇用型の在宅勤務」という働き方が増加しています。
テレワークの意義・効果
続いて、テレワークがもたらす効果について見ていきます。
総務省が掲げる「テレワークの意義・効果」には、以下の8つの意義・効果があると示されています。
1、少子高齢化対策の推進
・人口構造の急激な変化の中で、個々人の働く意欲に応え、その能力を遺憾なく発揮し活躍できる環境の実現に寄与
・女性・高齢者・障がい者等の就業機会の拡大
・「出産・育児・介護」と「仕事」の二者選択を迫る状況を緩和
・労働力人口の減少のカバーに寄与
2、ワーク・ライフ・バランスの実現
・家族と過ごす時間、自己啓発などの時間増加
・家族が安心して子どもを育てられる環境の実現3、地域活性化の推進
・UJIターン・二地域居住や地域での企業等を通じた地域活性化4、環境負荷軽減
・交通代替によるCO2の削減等、地球温暖化防止への寄与5、有能・多様な人材の確保生産性の向上
・柔軟な働き方の実現により、有能・多様な人材の確保と流出防止、能力の活用が可能に6、営業効率の向上・顧客満足度の向上
・顧客訪問回数や顧客滞在時間の増加
・迅速、機敏な顧客対応の実現7、コスト削減
・スペースや紙などオフィスコストの削減と通勤・移動時間や交通費の削減等8、非常災害時の事業継続
・オフィスの分散化による、災害時等の迅速な対応
・新型インフルエンザ等への対応
出典元:総務省
これまで厚生労働省が推進してきた「働き方改革」の一環では、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの課題に即し、上記「1、少子高齢化対策の推進」や「2、ワーク・ライフ・バランスの実現」を前面に出したテレワークの推進が行われていましたが、なかなか導入が進んでいない状況でした。
そこに、今回の新型コロナウイルスが大きく後押し、「8、非常災害時の事業継続」という視点で、テレワークの導入が一気に加速するに至っています。
ウイルスの感染拡大を回避するためには、通勤ラッシュなどの人混みを避ける必要がありますし、大規模な自然災害が発生すると、公共交通機関が使えなくなり、オフィスに出勤ができなくなります。
ここ最近頻発している台風や水害などの自然災害や、想定される首都圏や西日本の太平洋側を中心とした大規模地震の発生など、私たちの生活を脅かす自然災害はいつ起きてもおかしくありません。
そのような非常災害時でも事業を継続(BCP)するために、テレワークがもたらす効果が重要視されています。
災害時に情報収集をする方法|事前の備えとできることも解説【2021年3月版】
テレワーク急増による影響とは
では、急激に広まったテレワークを背景に、どのような影響が出てきたのでしょうか。
まずは通信量の状況について見ていきます。
通常、平日日中は出勤や通学で在宅していないため、夜間や休日に比べインターネットトラフィックは少ないのですが、テレワークだけでなく、一斉休校に伴うオンライン授業なども加わり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく出る前の2月25日の週と比べ、2020年5月11日週平日日中のインターネットトラフィックが、最大で6割も増加しました。
テレワークや外出自粛で平日日中のインターネット通信量が6割増加
自宅インターネット回線での通信トラブルが増加
これまで、自宅のネット環境をあまり重要視していない人が多い上に、平日日中のネットワークトラフィック増加が重なり、テレワーク時のインターネットトラブルが増加し、業務の効率化に大きく影響を与えています。
その大きな要因の一つとも言われているのが“Wi-Fi電波の弱さ”です。
プライベートでインターネットを利用するには良かったのですが、Web会議の音声が途切れてしまったり、画面表示が遅く固まってしまったり……と仕事に影響が出るようになってはじめて、自宅のネット環境を改善する必要性を感じた人も多いのではないでしょうか。
Wi-Fiが弱くて電波が届かない時の解決法|一軒家でも快適に!
テレワークを狙ったサイバーリスクも増加
さらに、拡大するテレワークを狙い、テレワークで利用するウェブカメラやルーターなどIoT機器へのサイバー攻撃リスクも上昇し、国内で新型コロナウイルス関連のサイバー攻撃が3カ月で6,000件超にまで急増しました。
テレワーク拡大でウェブカメラ、ルーターなどIoT機器を狙ったサイバーリスクが上昇
セキュリティの構築など十分に準備が整わないままテレワーク導入に踏み切る企業も目立ち、サイバー攻撃の標的となる危険にさらされています。
テレワークに欠かせないインターネット環境
テレワークだけでなく、オンライン授業、動画視聴、宅配サービス、音楽配信など…インターネットがあるからこそ成り立つサービスの多さに改めて驚かされます。
テレワークを含め、自粛生活を経験して初めて、自宅の安定したインターネット回線の重要性に気づいた人も多いのではないでしょうか。
スピードテストで現状把握から
体感ではなく、具体的な数値として自宅のインターネット回線状況を確認するためには、速度を数値で確認できるスピードテストが便利です。
測定サイトやスピードテスト結果の見方や注意点など、詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
快適なインターネット回線速度の目安と計測方法|スピードテストの見方を解説
結果に満足できなかったら、回線の見直しを
回線速度が遅くなると言われている、ルーターやLANケーブルが古い、回線の混雑などの原因を解決してもまだ満足できない場合は、インターネット回線の乗り換えも視野に入れてみてください。
回線が混雑しやすい時間帯でも、「IPv6」での接続に対応している「@nifty光」などが注目です。IPv6はIPv4に比べ、回線の混雑が起きにくい設計になっているため、通信速度が安定しやすいという特長があります。
IPv6とは|接続確認から申込までわかりやすく解説
◆まとめ
新型コロナウイルスはまだ完全な収束は見えていません。仮に収束したとしても、テレワークを導入することで、企業側も雇用者側もメリットが多いということが分かってきました。
今回はウイルスという要因でしたが、今後、震災や災害など、想定しない形での緊急事態に備え、継続的に事業を継続するためには、テレワークの仕組みが欠かせません。
また、テレワークには安定したインターネット環境が必須です。
少しでも快適なテレワークができるよう、回線の見直しから備えてみてはいかがでしょうか。
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